台風19号で八ッ場ダムが普通に稼働していたとして役に立ったか?

ネットで、八ッ場ダムがあったから利根川本川で洪水がなかったというのをよく目にする。
それは本当だろうかと疑問に思ったので調べてみた。

利根川水系の貯水率を見ると、台風前は75%(今年のは赤線グラフ)。
(2019年)利根川水系のダム貯水量

八ッ場ダムの有効貯水容量は9000万t。9000万t×(1-0.75)=2250万t
栗橋のピーク10/13 2,3時の2時間に合うように、その2250万tをダムで止めたとする。
2250万t/(2*3600)=3125t/s、最大流入量約2,500立方メートル/秒と言っているので、効果は最大2500t/s
計画高水位:9.90、今回の最高水位:9.61
最小二乗法で求めたそれぞれの流量は、11045t/s、10527t/sで、八ッ場ダムが無いとあふれていたことになる。

エライいい加減な(効果が最も出る計算の仕方。流量ピークが2時間ぶっ通しで、それまでは水をほとんど貯めていないという前提)なので、結局あまり意味がないもんだが、
ばちっとはまれば効果があるのだろう。

今回初めて知ったが、どでかい台風の前なのに、ダムの水空っぽにしていない事実にはびっくりした。
多目的ダムなので仕方ない部分はあるのだろうが、30%ぐらいまでは下げても良かったのでは?

地球の歩き方JAPAN ダムの歩き方 全国版――はじめてのダム旅入門ガイド
萩原 雅紀
ダイヤモンド・ビッグ社
2018/3/29

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