データが間違っている「データで見る農業」本

地図とデータで見る農業の世界ハンドブック」を読みました。

なぜフランスのことを多く書いているのだろう?と著者名を見たらフランス人でした。
FAOとかのデータを引用すれば、この本の半分以上は書けるだろうから、わざわざ訳さず日本人が書けば良いと思った。

ナイジェリアの現在の人口は4億人?

ナイジェリアの人口について誤りがあったので指摘しておきます。
(P43)「現在人口4億人のナイジェリアは、アメリカよりも人口が多い国になるだろう。」
はい?アメリカ現在人口3億人超えて今が。。。

(P136)「ナイジェリアはアメリカやエチオピアより人口が多くなり、1億人から1億9000万人になるとみられている」
なかなかやりますね。己の著書のなかで矛盾していることを書くとは。

統計庁の世界人口の推移から上に登場した国と日本・フランスの人口を表にしました。
2020年人口2050年人口
アメリカ3.3億人3.8億人
ナイジェリア2.0億人4.0億人
エチオピア1.1億人2.1億人
日本1.3億人1.0億人
フランス0.7億人0.7億人

この本の間違い
・エチオピアの現在の人口は4億人
・現在ナイジェリアの人口はエチオピアより少ない
・エチオピアの現在の人口は1億人
・エチオピアの人口が2050年に1.9億人
 ・1.9億人とすると、アメリカ・エチオピアより少ないことになる

大丈夫かなこの本。
他の数字はぱっと見、矛盾は感じなかったが、どれだけ間違いがあるのだろう。。

富裕国は超高温殺菌の牛乳を飲んている?

特に富裕国では、牛乳や乳製品がかつてないほど安全なものになっている。UHT(超高温殺菌)処理によってあらゆる細菌が殺菌される。
アメリカ人が日本に来て牛乳がまずいって言っていたのを本で知りましたが、「富裕国=超高温殺菌」ではないですよ。
Jミルクの「フランスの飲用牛乳市場」を見ると、フランスはほとんど超高温殺菌でした。
流石にフランスのことはあっているか。

しかし「あらゆる細菌が殺菌される」は、いかがなものでしょう。130℃で2秒加熱するとあらゆる殺菌を殺せると思えるとは科学的知識は大丈夫でしょうか?
もしくは、訳した人が悪いのか。訳した人はフランス文学科卒とのこと。

その他

書いてあったことで、何箇所か、ふ~んと思うところがあったのでそれを箇条書きにします。

・フランスで、ワイン(-76%)/砂糖(-68%)/牛乳(-46%)/パン(-33%)などの消費が減って、ミネラルウオーター(+305%)/ヨーグルト(+160%)などが増えた。
 ※括弧の中は、1970年⇒2007年の重量ベースの一人当たりの消費量変化
 フランス人と言ったら、ワイン・パンってイメージだが、変わっているのね。
・「大豆粒や大豆かすをふくめれば、EU全体では約3500万トンのGMO大豆(遺伝子組み換え大豆)を輸入している。EUではGMO大豆の栽培は禁じられているので、大豆がとてつもなく不足しているのである。」
 栽培は禁止しているが、大量に輸入はしているというこの大いなる矛盾。大笑いだ。




地図とデータで見る農業の世界ハンドブック
ジャン=ポール・シャルヴェ
原書房
2020/10/24

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