農業関係で胡散臭い人の見分け方

胡散臭い人を見分けるための良いキーワードを見つけました。
それは「農業競争力強化支援法の第8条4項」。
たった一文で、誤読しようがないものを誤って紹介している人=胡散臭い人(信用できない人)と言えるでしょう。
※そんな人は、ほぼデマ・ウソ・インチキを言っていると見なせるでしょう。


農業競争力強化支援法の第8条4項とは何か?

まず、正解を見ていきましょう。

農業競争力強化支援法」第八条とその四項を引用します。
(農業資材事業に係る事業環境の整備)
第八条 国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現する上で必要な事業環境の整備のため、次に掲げる措置その他の措置を講ずるものとする。
・・・
四 種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること。
「生産に関する知見」の範囲とその提供先がこれのポイントですね。

国会答弁から引用します。葉梨康弘農林水産副大臣の発言です。
農業競争力強化支援法第八条の規定ですが、これは、民間に種子を売り渡すとかそういうことではございませんで、当然、農研機構はしっかり予算をする、それから都道府県に対しては地方交付税措置をするということで、そちらもしっかりやるんですけれども、民間にもそういう知見を提供することで種子の開発をちゃんとやっていただこうということなんです。
 その運用ですけれども、知見を渡す側の都道府県それから農研機構に対しては、これは通達ですが、重要な知見が流出することがないように利用目的をよく確認し、目的外使用や第三者譲渡の禁止を盛り込んだ利用契約を結ぶことなどを、通知を出しまして、指導、徹底しております。
 そして、同法の施行後、都道府県、農研機構は、目的外使用や第三者譲渡の禁止を利用者との契約に盛り込んでいます。この法律によって海外の外資系企業に知見が流出したという事例はございませんし、また、今後も適切に運用をしてまいりたいというふうに考えています。

「知見の民間事業者への提供とは具体的に何をどのようにするのか」という質問に対して柄澤彰農林水産省政策統括官は、次のように答えています。
民間事業者による種子生産への参入を促進するために、品種自体の情報はもとより、今申し上げたサイクルの中で、都道府県などが得られておられます原種・原原種圃の設置の技術、あるいは高品質な種子を生産するための栽培技術、さらには種子の品質を測定するための技術、こういったような知見につきまして民間事業者に提供を促進していくという考え方でございます。
 ただ、もとよりこの知見の提供については強制するものではございませんし、あくまでも我が国農業全体に良い影響を与えるかどうかという観点で行っていただくように促してまいりたいと存じます。

知見の提供が無償かとの質問に対しての山本有二農林水産大臣の答弁です。
これは有償で提供することになっておりますので、これまでも有償でございました。将来にわたっても有償でございます。


上記をまとめます。
・提供する知見とは、原原種・原種の生産技術、測定技術を指し、種子を売り渡し(育成者権の譲渡)や知的所有権の譲渡ではない
・知見の提供は有償
・知見の提供の際には、目的外以外利用・第三者譲渡(海外流出を含む)の条項を含む契約を結ばせるよう通達をだしている

これをベースに以下を見ていくと笑えるものばかりです。
以下、敬称略。

胡散臭い人達

■東京大学 鈴木宣弘 教授
国会審議で見えた種苗法改定の真の狙い~論点の再整理」というコラムで次のように書いています。
論点2 いちご、ぶどう、さくらんぼなどが海外流出したのを問題視しながら、一方で、農業競争力強化支援法8条4項で、コメ麦大豆の種の知見を海外企業も含む民間企業へ譲渡せよと要請したのは、海外流出を促進することになり、完全な矛盾である。
「譲渡せよと要請した」と、日本語としておかしいですがね。。。
このコラムについては、こちらで突っ込んでいます。

■印鑰智哉
ブログの記事「種苗法を取り巻く見えないプレーヤー」で次のように書いています。
 次の論点、今回の種苗法は日本の種苗が海外に流出することを防止することをその目的に上げている。にも関わらず、農業競争力強化支援法8条4項では国や都道府県の種苗に関する知見を民間企業に提供促進する、となっている。
全く矛盾していませんね。提供するのは種苗自体ではないので。

この方、種苗法改正に関する参考人として国会に出ているのです。
その場で農林水産副大臣が次のように言っているのに関わらず、この記事はどういう事でしょうね?
農業競争力強化支援法第八条の規定ですが、これは、民間に種子を売り渡すとかそういうことではございません


■山田正彦 元農林水産大臣
【論文】種苗法改正の問題点―種子条例の意義と地方自治体に今後できること
①都道府県は県が独自に開発した優良な育種知見を条例で守ることです。このままでは農業競争力強化支援法第8条4項を盾に、県が独自に開発した育種知見を民間企業に提供することを求められた場合に抵抗できなくなります
そもそも、育成者権を民間企業に提供しろとは言っていないし、「提供を促進すること」であって強制力は全くない。

そして、彼の息子はYouTubeで以下のように言っています。
こうやって日本が公的に蓄積にしてきた原種・原原種・優良品種の知見すべて民間に提供することになりますよ
血は争えませんな。

■安田節子 食政策センター・ビジョン21主宰
種子の悪法三法と危うくなるコメ自給」 
そして「農業競争力強化支援法(8条4項)」(2017年制定・施行)で民間事業者の「技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進」のために「独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」、すなわち公的種苗事業は民間(多国籍種子企業等)へ「払い下げ」となったのだ。
何を提供するかも読み取れないのだから、「A・・のために・・B」と書くのでしょう。
AとBは別のことで、両方やりますと言っているだけ。

■オイシックス・ラ・大地株式会社 藤田和芳 代表取締役会長


なかなかジョークがうまいですなこの方。
オイシックスと大地を守る会の経営統合 農業競争力強化支援法第1号案件として認定
農業競争力強化支援法のメリットをモロ享受しているんですがね。


■天笠啓祐 市民バイオテクノロジー情報室代表、日本消費者連盟顧問
種子に遺伝子操作の表示を
競争力強化法は、自治体などがもつ新品種開発の知見を民間に移行させるのが目的でした。加えて種苗法改定で民間企業が開発した新品種の保護を強化しようとしています。
この日本語をまともに読めない人が国会で参考人として呼ばれています。

■名古屋学院大学 國井義郎 准教授
種子法廃止と種苗法
農業競争力強化支援法8条4項での「民間事業者」とは,多国籍農業バイオ企業(主として遺伝子組換作物の種子,そうした種子に対応した農薬・化学肥料の生産・販売を手がける企業)である。多国籍農業バイオ企業で有名な企業として,モンサント(米国:日本モンサント),デュポン,住友化学などがある。・・・公的種子の開発および普及の過程(本稿2.1)において,農業試験場で得られた知見や公的種子事業に協力した農業者の尽力によって得られたノウハウなどを,多国籍農業バイオ企業に提供することを促進することが,妥当であるかが問われている。
海外流出させないと答弁していますが。

■ふじの行政書士事務所 藤野慶和
種子法廃止と農業競争力強化支援法制定の闇
これら穀物メジャーの大企業に技術や知見を流出するということは、世界中に日本が開発してきた70年の知見が流出し、しかもそれは法律で防ぐことができないということになります。
当然、これらの原種、原原種を利用した、新品種や現在登録されていない地方品種そのものが、まかり間違って、種苗法や他国の登録品種となれば、現在、普通に栽培しているコメや麦のためが種苗法の育成者権侵害となり、栽培できないどころが、多額の罰金や賠償責任のみならず、懲役刑を受ける可能性も出てきます。
いや~。ここまで大間違い(ウソ?)を書くとは中々ですな。
UPOV条約を読んだらどうでしょうか?

■大野和興 日刊ベリタ編集長
種は誰のものか 地域と運動の現場から考える種子法のこれから
農業競争力強化支援法第8条4項で、種子や種苗について、民間事業者の開発を促進するとともに、国や都道府県の試験研究機関がもつ種苗の生産・育種に関する知見の民間事業者への提供を促進すること、を定めた。
・・・
グローバル企業の要求が直接現れるという意味では、きわめて分かりやすい展開だった。
陰謀論大好きな、きわめて分かりやすい展開ですね。

■農民運動全国連合会
種子を企業に明け渡す種苗法改定案は廃案に
つまり、「国や地方自治体が開発してきた種苗を民間事業者に明け渡せ」と迫っているのです。その「民間事業者」には「多国籍アグリバイオ企業」も含まれます。

■特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部 河田昌東理事(元名古屋大学理学部助手)
日本の農業を破壊する「規制改革推進会議」
即ち、これまで種子法に守られ地方自治体の試験研究機関が永年苦労して蓄積した品種開発のノウハウを民間事業者に提供するよう強制しているのである。
「強制」ではありません。

■全国農民会議 山口敏昭
種苗法の改悪に各地で抗議  全国農民会議 山口敏昭
 安倍=菅政権は明確にこれまで農民が心血を注いで作り上げてきた作物と種について、公的保障を次々と取り払い、民間企業に「払い下げる」方向へと進んできた。


■川田龍平 参議院議員
食の安全安心を創る議員連盟 種苗法改正案に反対の記者会見声明文です
「農業競争力強化支援法」第8条4項で公的試験研究機関が有する種苗の生産に関する知見を民間に提供するという条文が設けられた。
この結果,国籍を問わず種の遺伝資源が民間企業にわたり、農家は、その種子を買って農業をしなければならない危険に晒されることになった。
「種苗の生産に関する知見」とちゃんと書いているのに、なぜ「種の遺伝資源が民間企業にわたり」となるのだ?

■国際ジャーナリスト 堤未果
夫婦(川田龍平の配偶者)そろって、同じこと言っていますな。
仲よく、日本語がわからないようです。

■日本豊受自然農代表 由井寅子
種苗法改定 日本豊受自然農からの感謝とお願い(由井寅子)
政府は農業競争力強化支援法という法律を制定し、登録品種8000種の多くの権利をもつ公共機関に対して、外国企業を含む民間の種苗メーカーに そのタネの権利を譲渡しなさいという法律まで定めています。
この文の後で8条4項全文を引用しているのですよね。

■スピリチュアリスト 江原啓之
【特別記事】◆種苗法についてレポート
「農業競争力強化支援法」の8条4項には「これまで国や県の農業試験場が開発してきたコメの品種とその関連情報を民間企業に提供せよ」と書かれています。正確には「種子その・(略)・促進すること。」と書かれています。つまり「農業競争力強化支援法」とは、種苗の生産に関する知識や技術を持った公的機関の知見を企業に明け渡しなさいというものです
この方も条文引用しているにもかかわらず、大間違いです。

■千葉県議会議員 伊藤とし子
千葉県種子条例のパブコメ 明日が締め切り
この「農業競争力強化支援法」8条4項には「民間事業者の・(略)・提供を促進する」という趣旨が書かれています。かみ砕いて言うと、「これまで国や県の農業試験場が開発してきたコメの品種とその関連情報を民間企業に提供せよ」ということです。そこで、『県民の知的財産を民間企業に無償提供することのないよう「農業競争力強化支援法の趣旨も踏まえ」の文言は削除することを強く求めます。』と書きました。
無償提供ねぇ。まあ、根本が間違っているので、無償・有償とか関係ないですがね。

■三橋貴明
「売国」のモンサント法~日本の農業と国家を滅ぼす7つの問題点
日本国民の税金により作られた「種の知見」を、民間事業者に譲り渡すわけです。しかも、例により外資規制はありません。
売国、以外に、どのように表現すればいいのでしょうか。
種子法が廃止され、農業競争力強化支援法が成立したことで、モンサントは日本の各地域の多様性に道が種の知見を手に入れ、「ちょっと変えるだけ」で生物特許を取ることができます
この人も8条4校引用した上で、こんなこと書いています。
どうやったら、手に入れた生産に関する知見を「ちょっと変えるだけ」で新品種が開発できるのでしょうね?(ぷぷっ)

ちなみに、「多様性に道が」は「多様性に満ちた」の誤記ですかね。

■苫米地英人
山田 正彦との対談動画。
↓の12分以降のところです。それだけじゃなくて、デマのオンパレードです。


■久野秀二京都大学教授
主要農産物種子事業と北海道農業への期待
農業競争力強化支援法は第八条四項で「種子その他・・促進する」とした。まさに、公的種子事業の民間企業への払い下げである。

■枝元なほみ(料理研究家)
キッチンで1日の大半をくらす私ですら、種苗法改正〈改悪〉に反対していて、現在の種苗法21条4項の、最終消費を目的とする以外の輸出を禁ずる〈でしたっけ?)というのと、
農業競争力強化支援法8条4項にある、公共の種子として開発してきた知見を民間に渡せ、という条項の矛盾を理解したと思うのだ。続
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■杉山敦子(日本の種子を守る会、デトックス・プロジェクト・ジャパ. ン事務局兼任 食べもの変えたいママプロジェクト代表)
2018年の種子法廃止後、地方議員や市民グループが動き画期的な種子条例を制定した長野県ですが、昨年暮れに改定となった種苗法への対応として(一部例外はあるものの)県内農家には今まで通り許諾不要で自家増殖を認めるという方針を決定しています。
少なくとも公的に培われてきた品種(特に主要農作物のような私たちに欠かせない作物)についてはこれまで通り農家の権利を認めて生産者がいちいち許諾を求める手続きを不要とする、それに加えて農業競争力強化支援法が求めている民間(特にグローバルなアグリ・バイオビジネス)への譲渡に制限をかける内容の条例が制定できればより安心です。(事務局:杉山)
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■西川芳昭龍谷大学教授
地域でつなぐタネの未来
 種子法廃止のポイントは、食料安全保障の側面で主要作物の種子を供給するという国の責務が放棄されたことです。
さらに、納税者として気になることは、種子法廃止とともに制定された農業競争力強化支援法で、積極的に国や県が持っているノウハウを民間に出すことを促していることです。
将来、私たちの税金によって公的機関が開発した品種やノウハウが特定の企業に占有される可能性は否定できません。

■徳永エリ立憲民主党参議院議員
公的新品種育成の促進と地域にある伝統的な在来種の保全を
農業競争力強化支援法の8条4項で農業試験場や農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)といったところが開発した情報を民間に提供せよという部分があった。

■久保田裕子OKシードプロジェクト共同代表、日本有機農業研究会理事
「種苗法一部改正案」の審議入りを中止し、廃案にすることを求めます!!
長い年月をかけて税金で蓄積してきた貴重な知見(公的種子事業)を民間すなわち多国籍大企業等に「払い下げ」をするものだ。

■中村陽子OKシードプロジェクト共同代表、メダカのがっこう代表
主要農作物種子法廃止に際し、市民の食糧主権と食の安全を守るため、公共財としての日本の種子を保全する新たな法整備と施策を求める意見書の提出を求めることに関する陳情
日本人が先祖から受け継いできた種子や、今まで国民の税金で維持管理してきた品種の情報を、民間企業に提供することになります。すると、この情報をもとに開発された品種の知的所有権は、種苗法により民間企業のものとして25年間守られ、農家はその間自家採種できません。種子の公共性が著しく失われます。

原竹岩海福島県議会議員
種子法廃止とほぼセットで施行された「農業競争力強化支援法(第8条第4項)」は種子法に則り長年に渡り開発してきたコメ「元気つくし」、イチゴ「あまおう」など多くの育種知見を民間に提供せよというものです。

■山田勝彦衆議院議員(立憲民主党)
誰のための種苗法改正なのか?
3点セットで進められている「食の安全」が企業に売り渡されている現状。
①「種子法廃止」で、日本の主要農作物である米・麦・大豆のタネの公的支援が廃止。
②「農業競争力強化支援法」で、日本の公共のタネを海外のグローバル企業も含めた民間企業へ提供。
③「種苗法改正」で、民間企業に提供された公的タネが企業の権利として強化される。

■ジャーナリスト まさのあつこ


胡散臭い人達(国会議事録より)

同じ人が何度も議事録に登場しますが、最新のものを一つ引用します。

■須藤元気参議院議員(元立憲民主党、無所属)
第204回国会 衆議院 農林水産委員会 第4号 令和3年4月6日
農業競争力強化支援法八条四号には、これまで国や自治体の農業試験場などが開発してきた種苗の生産に関する知見を民間事業に提供することを促進せよと書かれています。種子法廃止と今回の種苗法改正がそろうと、日本で綿々と受け継がれてきた農業の基盤としての公共的な財産である種子が失われてしまうんではないかと心配しております。
「生産の知見を提供する」が「公共的な財産である種子が失われてしまう」繋がる論理を全く理解できません。

■田村貴昭衆議院議員(日本共産党)
第203回国会 衆議院 農林水産委員会 第4号 令和2年11月17日
農業競争力強化支援法で、公的機関は民間に育種の知見を提供せよと迫るようになりました。
「提供せよと」迫っても無視できます。

■堀越啓仁衆議院議員(立憲民主党)
第201回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 第3号 令和2年4月2日
農業競争力強化支援法、これが成立して、都道府県が長い時間とコストをかけて培ってきた農作物の、米、大豆、麦の種子開発のノウハウを事実上無償で民間事業者に提供することとされています。
・・・ 
また、農業競争力強化支援法によって都道府県が持つ品種情報を民間企業に提供しなければならないわけですから、今まで都道府県や農家が長い年月をかけて開発してきた種子の情報が、簡単に外国籍の大規模な種子会社に奪われて品種登録されてしまうのではないかと私は危惧をしているところであります。
農業競争力強化支援法に有償・無償の規定はありません。
また義務は無い。

■紙智子参議院議員(日本共産党)
第198回国会 参議院 農林水産委員会 第15号 令和元年6月11日
農業競争力強化支援法によって、都道府県が開発した種苗の知見を民間企業に提供することになったわけです。そうすると、都道府県からこの知見の提供を受けた企業というのは、ゲノムの編集技術によって新しい品種を作り品種登録ということができることになるんじゃないかと思うんですけれども、そうなんでしょうか。
育成者権を提供させるようにとれる発言ですね。
登録品種をベースに新品種を作った場合、その権利が生きている間は新品種にも権利が及びます。

■金子恵美衆議院議員(立憲民主党)
第196回国会 衆議院 農林水産委員会 第20号 平成30年6月6日
国家戦略的な公共の資産でもある主要農作物の種子が今後更に海外に歯どめなく流出してしまうおそれが生じております。


■小松泰信 岡山大学名誉教授
第193回国会 衆議院 農林水産委員会 第7号 平成29年4月6日
種苗ビジネスとか種子戦争とか種子戦略とかと言われるぐらい、やはり我々の食料というのは、Aという車とBという車からCという車は生まれないわけであります。例えばの話、雄しべと雌しべ、そういう種子の存在があってこそ生まれてくる、まさにそこが生命の連鎖性である。そこのところを、公的な責任を放棄してよいのかどうか。
 それから、民間にそういう知見を渡しなさいと
「促進」は「渡しなさい」とはならない。

■鈴木宣弘 東京大学教授
第193回国会 衆議院 農林水産委員会 第7号 平成29年4月6日
私も同様の意見で・・特に米の種子などが、今までの成果がそのまま譲渡されるということは、まさに多国籍な遺伝子組み換えのバイオメジャーにとってはぬれ手にアワで、こういうものを活用して、少しだけ自分たちで手を加えて、それを特許化して、それで自分たちのものだと主張して独占し、種をコントロールする。こういうことがどんどん行われたら、私たちは国民の命を守ることができません。
小松泰信の後に登場します。
「生産の知見」ではなく、もろ育成者権のことを語っていますね。

■小山展弘(立憲民主党)
第193回国会 衆議院 本会議 第18号 平成29年4月11日
本法案第八条四号では、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進するとの規定があります。
 これまで税金を使って重ねてきた日本のすぐれた種子研究の知見を、国内民間企業はおろか外資にまで公表することは、主権の放棄にも等しい暴挙であります。加えて、日本の農産品の競争力の低下も招きかねず、国民に対する背信行為以外何物でもありません。


■舟山康江(国民民主党)
第203回国会 参議院 農林水産委員会 第5号 令和2年12月1日
独立行政法人の試験研究機関や都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すべしという農業競争力強化支援法の八条四号、そしてまた、平成二十九年十一月に出されました事務次官通達があると思うんですね。特に事務次官通達は、あたかもどんどん民間参入させよう、都道府県から民間へ種子生産の主軸を移せ、都道府県の種苗に関する業務は民間に知見を明け渡すまでの移行的な措置と言っているかのごとくの内容になっています。だから、関係者は、どんどん民間に売り渡すんじゃないか、国は手放すんじゃないか、国はここから手を引くんじゃないか、そんな懸念と不安を持っているわけですね。
「種苗に関する業務」は何を指していますなね?これは微妙な言い方ですが、「民間に売り渡す」はアウト!

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