農業に関して超胡散臭い二人の対談本①
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「農と食の戦後史」を読みました。というか、読んでいる最中です(30ページまで読みました)。
天笠啓祐 日本消費者連盟顧問、大野和興 日刊ベリタ編集長の二人の対談本です。
このお二人ですが「農業競争力強化支援法の第8条4項」で「種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」とあるのに、「新品種開発の知見を民間に移行させるのが目的」などと言う、超胡散臭い人達です。
「主要農作物種子法」の第一条の目的を見てみましょう。
天笠氏はおバカなこと言っていますが、大野氏がまともな事を言っていました。
だが次のはいかがなものか?
戦後の動乱期は終わって役割を終えたというだけの話です。
そう主張したいなら好きにすれば良いと思うが、データからはそのように見えません。
「日本の援助受入政策と国産小麦衰退との関連性」というのに良い表・図があるので引用します。
朝鮮戦争勃発、PL480開始およびその終了時の小麦生産量と輸入量が載っています。

見返資金設置の時に輸入量が急増し、PL480開始で少し増えていますね。
では、その時の輸入元を見てみましょう。

見返資金設置はアメリカからの輸入が原因ですが、PL480開始時の増加はPL480とは関係無いアメリカ以外からの輸入増が原因ですね。
そして、極めつけは以下です。

輸入小麦の激増/国産小麦の激減は1960年以降(援助終了は1957年)に発生しています。
このことから、PL480が原因だというのには無理があります。
そして「学校給食法が施行され~パン食の義務化が始まった」は噴飯物です。
初期の「学校給食法」から小麦に関するところを引用します。
・小麦粉を学校給食用として売る時には、農林大臣が決めた価格とすること
・学校給食用としてかった小麦粉を別に転用してはならない
・小麦粉を学校給食用として使う場合、その計画を学校などから報告させることができる
何をどう読んでも「パン食の義務化」とはならない。

※「資源の価格形成モデル : 石炭のケース」より引用
だが「ビールハウスだとかマルチング」は石油が安いかどうかは関係無い。
石炭が合成樹脂・繊維などは原料になり得ない化学的な基礎もないようだ。
上記のグラフ・表を見てもらうと、国産小麦:輸入小麦の比は2:1ぐらいであり、かつ1959年からは輸入一位をカナダに明け渡しています。
ちなみに、今はオーストラリア産が最も多いですね(日清食品のHP参照)。
農と食の戦後史
大野 和興、天笠 啓祐
緑風出版
2020/10/1
天笠啓祐 日本消費者連盟顧問、大野和興 日刊ベリタ編集長の二人の対談本です。
このお二人ですが「農業競争力強化支援法の第8条4項」で「種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」とあるのに、「新品種開発の知見を民間に移行させるのが目的」などと言う、超胡散臭い人達です。
主要農作物種子法の目的
【天笠】戦後の食糧難の時代に、食糧増産が叫ばれ、主要農作物種子法が施行されます。稲、麦、大豆の新品種開発に国が積極的に乗り出し、自治体の農業試験場をバックアップした。新品種開発に関与しましたが、主要農作物種子法は全く関係ありません。
「主要農作物種子法」の第一条の目的を見てみましょう。
(目的)目的は「優良種子の生産・普及」であって「優良種子開発」ではない。
第一条 この法律は、主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他の措置を行うことを目的とする。
天笠氏はおバカなこと言っていますが、大野氏がまともな事を言っていました。
【大野】種子法は理想的な法律でいじってはならないというような一部の人の論には違和感をもちました。・・・種子法がコメの品種の多様性が守らてたという論者がいますが、これも疑問です。ぼくはむしろ逆だったのではないかと考えます。・・・コシヒカリ系の品種が日本の田んぼの七割を占めるといういびつな品種構成となってしまった。これには同意します。
だが次のはいかがなものか?
食料供給の安定に種子法が果たした役割は確かに大きかったと思います。いきなり廃止というのは乱暴な話で、何を狙っているのかは疑問だらけです。廃止時点で種子法適用外だった野菜などは安定供給されていないのか?という話です。
戦後の動乱期は終わって役割を終えたというだけの話です。
食糧援助法と給食のパン食義務化
【天笠】朝鮮戦争終結前後に米国に食糧援助法(PL(公法))480)が成立した。その背景には、戦時中の米国内の食糧増産があった。・・・それまで増産を行ってきた小麦などが余り、その売り込み先を探すことになった。PL480は、援助される側にエサを巻いていました。・・・これにより米国に食糧を依存する体制を広めることに成功しました。それを受けて日本で学校給食法が施行され、いわゆる子供たちへのパン食の義務化が始まった。太字の部分どうでしょうね。
そう主張したいなら好きにすれば良いと思うが、データからはそのように見えません。
「日本の援助受入政策と国産小麦衰退との関連性」というのに良い表・図があるので引用します。
朝鮮戦争勃発、PL480開始およびその終了時の小麦生産量と輸入量が載っています。

見返資金設置の時に輸入量が急増し、PL480開始で少し増えていますね。
では、その時の輸入元を見てみましょう。

見返資金設置はアメリカからの輸入が原因ですが、PL480開始時の増加はPL480とは関係無いアメリカ以外からの輸入増が原因ですね。
そして、極めつけは以下です。

輸入小麦の激増/国産小麦の激減は1960年以降(援助終了は1957年)に発生しています。
このことから、PL480が原因だというのには無理があります。
そして「学校給食法が施行され~パン食の義務化が始まった」は噴飯物です。
初期の「学校給食法」から小麦に関するところを引用します。
(小麦等の売渡し)要約すると以下となります。
第十条 国が、食糧管理特別会計の負担において買い入れた小麦又はこれを原料として製造した小麦粉を、農林大臣が文部大臣と協議して定める売渡計画に従い、食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)の定めるところにより、学校給食用として売り渡す場合における売渡しの予定価格は、食生活の改善のため必要があるときは、食糧管理法第四条ノ三第二項の規定にかかわらず、農林大臣が定める価格によるものとする。
(小麦等の用途外使用の禁止)
第十一条 前条に規定する小麦又は小麦粉を学校給食用として買い受けた者、その者から当該小麦又は小麦粉を学校給食用として買い受けた者及びこれらの者のために当該小麦又は小麦粉を保管する者は、当該小麦又は小麦粉を学校給食以外の用途に供する目的で譲渡し、又は学校給食以外の用途に使用してはならない。
(報告の徴取)
第十二条 文部大臣又は農林大臣は、第十条に規定する売渡計画の立案又は実施のため必要があるときは、公立又は私立の小学校等の設置者に対し、学校給食に関し必要な事項の報告を求めることができる。
・小麦粉を学校給食用として売る時には、農林大臣が決めた価格とすること
・学校給食用としてかった小麦粉を別に転用してはならない
・小麦粉を学校給食用として使う場合、その計画を学校などから報告させることができる
何をどう読んでも「パン食の義務化」とはならない。
農学・生物学に加え化学にも疎いらしい
【天笠】石炭から石油へのエネルギー革命があるわけです。安い石油が工業化を促進し、食料生産も工業化の時代を迎えた。農業にもその影響は及んだ。今のようにビールハウスだとかマルチングのようなものが農村に入るようになったのは、いつごろでしたか。確かに、戦後は石油の方が安かったようです。特に国産の石炭と比べると。

※「資源の価格形成モデル : 石炭のケース」より引用
だが「ビールハウスだとかマルチング」は石油が安いかどうかは関係無い。
石炭が合成樹脂・繊維などは原料になり得ない化学的な基礎もないようだ。
過言ですね。
【天笠】1958年井チキンラーメンが発売されます。工業的加工食品の登場で、戦後の食を考えた際に象徴的なものだといっていいと思います。米国産小麦と食品添加物で作られているといっても過言ではありません。
上記のグラフ・表を見てもらうと、国産小麦:輸入小麦の比は2:1ぐらいであり、かつ1959年からは輸入一位をカナダに明け渡しています。
ちなみに、今はオーストラリア産が最も多いですね(日清食品のHP参照)。
農と食の戦後史大野 和興、天笠 啓祐
緑風出版
2020/10/1
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