「萎縮」という言葉が好きな新聞社はどこ?

言論の自由と関係しそうな「萎縮」という言葉を新聞が、どの様に、どの位使っているか調べました。

「萎縮」という言葉が好きな新聞および萎縮させる原因

新聞社説登場率萎縮させる原因
日本政府右派一般人中国
しんぶん赤旗2.78%4回
琉球新報2.78%3回1回
愛媛新聞2.07%1回1回1回
中国新聞2.07%2回1回
朝日新聞1.98%2回1回1回
北海道新聞1.82%3回1回1回
沖縄タイムス1.48%1回1回
神戸新聞1.36%1回1回
信濃毎日新聞1.17%2回1回
東奥日報0.95%1回
山形新聞0.82%1回
東京新聞0.80%1回1回
河北新報0.70%1回
山陽新聞0.69%1回
新潟日報0.69%1回
熊本日日新聞0.68%1回
山陰中央新報0.68%1回
日本経済新聞0.37%1回

・2021/1/1~2021/5/29の社説が調査対象。
・山陰中央新報・熊本日日新聞・山形新聞・東奥日報は、共同通信の資料版論説を社説として使っているケースが多い。
・日本の新聞のみを対象としています


しんぶん赤旗の主張

「建国記念の日」/学問の自由を守る決意新たに
菅義偉首相が昨年9月、日本学術会議の新会員6人を任命拒否したことが、憲法にも日本学術会議法にも反する暴挙として大問題になっています。・・・そのうえで「戦後の上代文学研究者は、日本史研究者とともに、津田の受難を二度と繰り返さないことが研究発展のために必須である」としてきたとのべ、「今般の措置は、私たちの研究者としての信条を踏みにじるものであり、自由闊達(かったつ)であるべき学問討究を萎縮へ導く暴挙」と批判しています。
任命権者がその権限を行使したことが学問の自由を奪うということですね。
学術会議自体では学問はしていないし、科研費への口出しを吸うことで、学問の自由を逆に奪っていますがね。

同じ件に触れた新聞:朝日新聞、北海道新聞

土地調査規制法案/国民監視と人権侵害許されぬ
調査の実施機関についても限定がなく、公安調査庁や警察、自衛隊が行うことも可能です。基地や原発に反対する住民の監視、反対運動の抑え込みにつながる危険もあります。前出の琉球新報は「国に調査されるかもしれないというだけで、政府への批判的な言動を萎縮させ、施設から起きる騒音や環境汚染に抗議することをためらう空気を生むだろう」と指摘しています。

国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案」の調査に関する部分を一部引用しましょう。
第四章 重要国土基礎調査
 (重要国土基礎調査の実施)
第六条 内閣総理大臣は、・・・利用の実態その他内閣府令で定める事項に関する調査並びに境界及び地積に関する測量を行うものとする。
2 内閣総理大臣は、前項に規定する事項のうち所有者及び利用の実態に関する調査については、おおむね三年ごとに行うものとする。
3 内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、必要があると認めるときは、いつでも同項の調査を行うことができる。
基本3年ごとで、必要が認められる時はいつでもできるとあるが、「必要があると認めるとき」を恣意的に決められると思っているのでしょうね。
でも、そんなことをしたら「行政事件訴訟法 第三十条(裁量処分の取消し)」を理由に取り消されて散々っぱら政府は叩かれるでしょうね。

同じ件に触れた新聞:琉球新報、信濃毎日新聞

デジタル関連法案/プライバシー権侵害は明白だ
14日の参院本会議では日本共産党の田村智子政策委員長が、米軍横田基地の夜間飛行差し止めを求めた訴訟の原告情報を防衛省が外部に提供しようとしていたことを告発しました。国を相手取った訴訟の原告の個人情報を国が勝手に第三者に流すなど、市民活動の萎縮を狙った重大な人権侵害です。
この件に関する議事録はこちら

「国を相手取った訴訟の原告の個人情報を国が勝手に第三者に流す」と書かれていますが、事実は異なります。
個人情報をつぶした状態で提供するので、個人情報を勝手に第三者に流すことにはあたりません。
事実と異なることに基づいて「萎縮」と主張するのは如何なものでしょうね?

参考までに、提案募集されている個人情報はこちらで検索できます。

琉球新報の主張

孔子廟「違憲」判決 宗教の本質論議避けた
政教分離は、国家と神道が結びついて日本がアジア・太平洋戦争に突き進んだ反省に基づいている。国や自治体が宗教と結びつかないよう、公金の支出など厳格にしなければならないのは当然だ。
一方で、裁判官15人のうち唯一、反対意見を付けた林景一裁判官は、孔子廟の宗教性を「習俗化していて希薄」とした上で、違憲判断を「牛刀をもって鶏を割く」ようなものだと断じた。政教分離規定を過度に拡張すれば「歴史研究・文化活動等にかかる公的支援の萎縮」をもたらしかねないと警鐘を鳴らす。
大嘗祭への国費支出 政教分離に違反しないか」と書いておきながら、良く言うよ。

リコール署名偽造逮捕 民主主義破壊する暴挙だ
 今回の署名偽造を受けて愛知県選管は、不正防止に向けたルールの厳格化を総務省に提言している。署名集めを行う受任者の氏名や住所を事前に届ける制度の導入が提言の柱だ。制度の悪用を防ぐ改革はやむを得ないとはいえ、政治参加のハードルが上がり、住民運動が萎縮することは避けなければならない。
別に、不正していない人の非難を全くしていないと思いますが。

それよりも、必要数に達しいないにも関わらず、する必要が無い全数調査をしたり(リコール署名、全数調査 愛知県選管 不成立では異例)、署名者の名前が公表されると言ったり(愛知県知事リコール運動 「署名受任者の住所氏名が公報で公開される」はミスリード)する方がよっぽど、署名だったり、再度のリコールを萎縮させるでしょう。

同じ件に触れた新聞:中国新聞、信濃毎日新聞、北海道新聞、沖縄タイムス、熊本日日新聞、愛媛新聞、神戸新聞

朝日新聞の主張

支局襲撃34年 SNSを凶器にしない
性差別むき出しの罵声を浴びせる。労働組合に「反社会的勢力」とレッテルを貼る。人権活動に尽力している弁護士を懲戒するよう扇動する――。
 こうした事実に基づかない批判や憎悪をあおる行いは、自由な発信を妨げ、社会を萎縮させる。国や政治家の行いをチェックする活動を抑え込み、問題を覆い隠して病巣を深くしてしまうことにもつながる。
事実に基づかない批判が社会を萎縮させるという主張には同意します。

でもね、その前の労働組合とか人権弁護士とかは、実際に活動家の巣窟でもあるのですよね。
そうでもないところもあるので、事実に基づいて批判すべきではあります。
しかし、朝日新聞が言うと説得力が全く無いですな~。

都倉新長官へ 文化の意義広く発信を
あいちトリエンナーレの補助金の一部が交付されなかった問題で、都倉氏は政府の措置に理解を示す発言をしている。これも懸念材料のひとつだ。
 この不交付は、表現の自由を脅かし、萎縮や自主規制につながる禁じ手だ。長官には、現場で多様な創作活動に携わる人々が抱く危機感を受け止め、共有することが求められる。
まだこの手のこと言っているのね。

税金使うには公共性が求められるのです。その制限を受けたくなければ、自費でやるなり、パトロン見つけんるなりしてやれば良いだけ。
何が表現の自由を脅かし萎縮に繋がるだ。

完全に個人的意見なのだが、保護しないと生き残らない文化はもう文化じゃないのですよ。

香港の自由 物言えば厳罰の理不尽
きのう、香港紙創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏に禁錮刑を科すなど、民主派の重鎮たちを厳しく罰する判決が一斉に言い渡された。
言論の萎縮を狙った懲罰であり、香港の自由を揺るがす不当な政治弾圧である。断じて容認できない。
これって、萎縮じゃないですね。
萎縮と言うのは事態を矮小化してしまいます。
「萎縮」ではなく「抑圧」や「弾圧」が適切です。

「萎縮」が登場する社説一覧

新聞社説
要約
桐生タイムス最新の情報を共有すること
桐生市内の住宅型有料老人ホームで新型コロナウイルスの感染が広がり、入居者と職員、計30人以上が陽性判定を受けたと県が発表した。クラスター(感染者集団)の発生である。
新型コロナ禍の危機を前向きにとらえ、乗り越えてゆくためにも、できるだけ正確な情報を獲得したい。情報の不足で社会の不安が増幅しないよう、地域紙としても積極的な情報提供を心掛けたいと、改めて思う。
日本経済新聞あまりにお粗末な森五輪会長の女性発言
自分の立場と発言の重さを、どこまで自覚しているのだろうか。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性をめぐる発言を撤回した。
この大切な時期に、お粗末な言動により組織委トップへの不信が増すような事態は、五輪開催への機運や国際的な理解を損ないかねない。信頼回復に向け、全力で取り組む必要がある。
河北新報ネット中傷への対応/規制強化が抜本策ではない
インターネットや会員制交流サイト(SNS)での誹謗(ひぼう)中傷に対応する関連法改正案が、今国会に提出される見通しだ。菅義偉首相が施政方針演説で「発信者情報の開示命令などの裁判手続きを整備し、被害者の迅速な救済につなげる」と表明した。
被害対応は急務だが、規制強化も事業者の自主的対応も、表現の自由を制約する危険性がある。まずは「実名でも、その発言ができるか」を個々人が意識し、匿名の加害者にならない努力が必要だ。
京都新聞着床前診断 「命の選別」への懸念も
重い遺伝性の病気が子どもに伝わらないように受精卵の段階で遺伝子を調べる「着床前診断」が大きく広がるのだろうか。日本産科婦人科学会(日産婦)が検査の対象疾患を拡大する最終案を示した。
障害者団体や生命倫理の専門家らも含め、幅広い議論が欠かせない。国民的な議論を深め、社会が納得できる答えを探らねばならない。
しんぶん赤旗「建国記念の日」/学問の自由を守る決意新たに
きょう2月11日は「建国記念の日」です。1966年、当時の佐藤栄作内閣が広範な国民の反対を押し切って祝日法を改悪し、戦前の「紀元節」を復活させました。
日本学術会議への人事介入は、菅政権の強権政治の危険性を浮き彫りにしています。きょうを、菅政権の暴挙を許さず「学問の自由」を守る決意を新たにする日にしようではありませんか。
沖縄タイムス[運動部主将自殺]とても指導とは呼べぬ
学校教育の一環である部活動で、将来ある高校生が自らの命を絶つまで追い詰められていた。本人の絶望と遺族の無念さを思うと、やりきれなさと怒りがこみ上げてくる。
過度の厳しさを「熱心な指導」と捉えがちな風潮は部活動で今も残る。体罰や暴言によらない指導技術こそ磨くべきである。
東京新聞孔子廟に「違憲」 文化を萎縮させぬよう
儒教の祖・孔子を祭る孔子廟(びょう)に那覇市が土地を無償提供したのは「違憲」。最高裁は憲法の政教分離原則に反するとした。
社会通念に照らし妥当な判決なのか議論を呼ぼう。日本の歴史に根付いた文化活動の萎縮につながるなら、なお残念だ。
中国新聞孔子廟用地提供は違憲 政教分離に現実的な判断
儒教の祖、孔子を祭る「孔子廟(びょう)」に那覇市が敷地を無償で提供しているのは、政教分離の原則を定めた憲法に反するとの判断を最高裁が示した。政教分離を巡る最高裁の違憲判決は3件目。
社会通念や一般人の評価に照らして妥当な判決かどうか。今後の影響を注視したい。
琉球新報孔子廟「違憲」判決 宗教の本質論議避けた
沖縄の歴史、文化的な背景との齟齬(そご)が否めず、理解に苦しむ判決だ。儒学の祖である孔子を祭った「久米至聖廟(孔子廟)」の敷地を、那覇市が無償提供しているのは憲法の政教分離の原則に反するかどうかが争われた住民訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は「特定の宗教に対して特別の便益を提供し、援助していると評価されてもやむを得ない」として、違憲と判断した。
政教分離規定を過度に拡張すれば「歴史研究・文化活動等にかかる公的支援の萎縮」をもたらしかねないと警鐘を鳴らす。最高裁判決のように建物の外観や行事で宗教性を認めるのであれば、復元された首里城での儀礼や、平和の礎など慰霊施設での行事さえも憲法に抵触しかねない。
愛媛新聞社説 ネット中傷対策
政府は、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として被害者が匿名の投稿者を特定しやすくするための関連法改正案を閣議決定した。時間がかかる訴訟を経なくても迅速な開示が進むよう新たな裁判手続きを創設するのが柱。
制度設計に当たって表現の自由への配慮が求められるのは当然である。その上で、早期救済という被害者の切実な願いに応えていくためには法整備だけでは足りず、運用段階での検証と改善を積み重ねていく姿勢が求められる。
神戸新聞孔子廟違憲判決/政教分離問い直す契機に
儒教の祖・孔子(こうし)を祭る孔子廟(びょう)のために那覇市が公有地を無償提供したことが、憲法の政教分離の原則に違反するかどうかを巡る住民訴訟で、最高裁が「違憲」と判断した。憲法20条3項は「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めている。
違憲判断が政教分離の規定を過度に広げることを懸念し、「歴史研究、文化活動にかかる公的支援の萎縮効果などの弊害すらもたらしかねない」と指摘する。厳格な線引きにこだわりすぎて文化行政が後退しないよう、行政はバランスを常に意識してもらいたい。
琉球新報土地規制閣議決定 権利侵害の悪法は廃案に
政府は、米軍や自衛隊基地などの周辺の土地利用を規制する法案を閣議決定した。安全保障を理由に、国が住民の財産に制約を課すだけでなく、個人情報を収集し思想調査に立ち入ることまで可能にしかねない。
県は県民の人権や経済活動にどのような影響が及ぶのかについて、検証を急ぐ必要がある。法が成立してからでは遅い。
山形新聞LINEの個人情報 徹底保護が事業の前提
便利で確実な情報伝達の手段として、LINE(ライン)を日常的に利用している人は県内にも多いはずだ。アプリ利用者の個人情報が、海外から閲覧可能になっていたことは看過できない。
研究・開発では、発想や着想などの点で海外の事業者から刺激を受けることは成長の源泉でもある。必要な対策を確実に実施することで信頼を回復し、萎縮することなく国際展開を続けるべきだ。
東奥日報利用者が納得する説明を/LINE 個人情報問題
アプリ利用者の個人情報が業務委託先の中国の関連会社から閲覧可能になっていたLINE(ライン)の問題は、個人情報の徹底した保護の重要性を改めて示した。IT企業は、技術革新でライバルに先んじることに血道を上げ、事業を拡大してきたが、その前提である情報の適切な管理ができていなかった。
研究・開発では、発想や着想などの点で海外の事業者から刺激を受けることは成長の源泉でもある。必要な対策を確実に実施することで信頼を回復し、萎縮することなく国際展開を続けるべきだ。
しんぶん赤旗土地調査規制法案/国民監視と人権侵害許されぬ
菅義偉政権は、米軍や自衛隊の基地周辺などの土地・建物の所有者らを調査し、その利用を規制する「重要土地等調査規制法案」を閣議決定し、国会に提出しています。法案は、政府に基地周辺住民の個人情報を収集する権限を与え、思想調査も可能にしかねません。
法案の必要性を裏付ける根拠はありません。国民監視を強化し、基本的人権を踏みにじる法案は、徹底審議で廃案にする必要があります。
山陽新聞偽ニュース対策 真偽検証の機能が重要だ
ヤフーなど民間のインターネット事業者でつくるセーファーインターネット協会が、ネット上のフェイク(偽)ニュースや誤情報への対策に関する中間報告をまとめ、総務省の有識者会議に提示した。ネットニュースや会員制交流サイト(SNS)への投稿といった情報について、真偽を検証するファクトチェックを総合的に行う団体の設置などを提言している。
情報の受け手が正誤を見極めたり、信頼性のある情報源を確かめたりする能力が高まれば、偽ニュースの拡散抑制につながる。各自が情報リテラシーを向上させ、偽ニュースを防ぐ社会を目指したい。
北海道新聞五輪組織委抗議 表現の自由侵しかねぬ
五輪開会式の演出案を巡る問題を扱った週刊文春の報道に関し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が、発行元の文芸春秋に対して掲載誌の回収やオンライン記事の削除を求めた。公的な組織としてはあまりに不見識な要求と言うしかない。
開会式まで100日余りに迫っている。組織委は五輪の本義に立ち返り、コロナ対策を含め選手本位の姿勢を示すべきだ。
山陰中央新報LINE個人情報 徹底保護が事業の前提
アプリ利用者の個人情報が業務委託先の中国の関連会社から閲覧可能になっていたLINE(ライン)の問題は、個人情報の徹底した保護の重要性を改めて示した。IT企業は、技術革新でライバルに先んじることに血道を上げ、事業を拡大してきたが、その前提である情報の適切な管理ができていなかった。
研究・開発では、発想や着想などの点で海外の事業者から刺激を受けることは成長の源泉でもある。必要な対策を確実に実施することで信頼を回復し、萎縮することなく国際展開を続けるべきだ。
朝日新聞学術会議改革 任命問題の決着が先だ
日本学術会議が組織や運営の見直しに向けた「素案」をまとめた。21日から開く総会で議論し、正式決定する予定だ。
日本の学界を代表する学術会議の英知を社会に生かすことが求められるまさにその時に、不正常な事態が続くのは国民のためにならない。首相が任命拒否を撤回することから、関係の再構築を図るべきだ。
朝日新聞香港の自由 物言えば厳罰の理不尽
あの日の午後、香港には雨が降っていた。色とりどりの多くの傘が、公園や通りを埋め尽くした。
抗議の連帯を深めるときだ。あきらめることなく、国際社会の声をあげ続けるべきである。
朝日新聞香港の自由 物言えば厳罰の理不尽
あの日の午後、香港には雨が降っていた。色とりどりの多くの傘が、公園や通りを埋め尽くした。
抗議の連帯を深めるときだ。あきらめることなく、国際社会の声をあげ続けるべきである。
しんぶん赤旗デジタル関連法案/プライバシー権侵害は明白だ
菅義偉政権が提出したデジタル関連5法案が参院で審議入りしました。個人情報保護の基本理念を欠いたまま、国や自治体が集めた個人情報を民間企業などが利活用しやすい仕組みを導入するものです。
特定企業に都合の良いルールづくりなど官民癒着がさらに広がります。審議するほど重大な問題が判明するデジタル関連法案の成立を阻む世論を広げることが必要です。
東京新聞週のはじめに考える 「触れない」を超えたい
テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」のCM動画が先月下旬、物議を醸しました。「演出内容が女性蔑視だ」などとネット上で炎上し、同局は公開からわずか三日で動画を削除しました。
「人間を信じていなければ、(自分らは)黙って殺されるのを待つしかない。どっかで人間を信じているから、こうやって話す」。
北海道新聞学術会議の声明 任命拒否放置許されぬ
日本学術会議が菅義偉首相から任命を拒否された会員候補6人について、即時任命を求める声明を決定し、政府に提出した。すでに多くの学会などが会議側の推薦に沿った任命を要求しているが、科学者の代表機関である当の学術会議が総会声明という強い形で求めたことの意味は重い。
任命拒否を巡る一連の問題は、組織改革の報告書提出をもって当面、たなざらしになる恐れがある。問題の幕引きは許されない。
朝日新聞支局襲撃34年 SNSを凶器にしない
兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が銃撃され、記者1人が死亡、1人が重傷を負った事件から、あすで34年になる。関連・類似事件を含む計8件の警察庁指定116号事件は、未解決のまま03年に時効が成立した。
2人の記者を死傷させたのは散弾銃だった。いま多くの人が親しむSNSを、それと同じ凶器にしてはならない。
愛媛新聞コロナ雇用危機 命を守る役割 国が果たすときだ
今年の憲法記念日も新型コロナウイルスの流行下で迎えた。東京や大阪に3度目の緊急事態宣言が出されており、経済の落ち込みは底が見えない。
自己責任と突き放すのではなく、国が窮地に寄り添い国民が支え合う。生存権が脅かされない社会を築きたい。
北海道新聞ネット中傷対策 不断の点検が欠かせぬ
インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷を行った匿名の投稿者を特定しやすくする手続きを定めた改正プロバイダー責任制限法が成立した。被害者が訴訟を起こさなくても、裁判所が事業者側に投稿者情報の開示を命じることができ、開示までの期間が短縮される。
大切なのは、自らの書き込みが人の気持ちにどう影響するかを思いやる想像力であろう。育む責任が教育に課せられている。
信濃毎日新聞デジタル法案 懸案を置き捨てにできぬ
デジタル改革関連6法が成立した。菅義偉政権は「誰ひとり取り残さないデジタル社会を目指す」と繰り返す。
63本もの関連法案に割いた審議時間は衆参を合わせて50時間余だけだった。個人情報保護と権力監視の仕組みを整え、機能させるのは国会の最低限の役割だ。
中国新聞細る若手キャリア官僚 組織のゆがみ正さねば
「キャリア」と呼ばれる中央省庁幹部を志す若者が減り続けている。官僚として国民に尽くす仕事だけに放置できない。
国の将来を真面目に考える若者ほど、意欲をそがれてしまいかねないのが現状だ。早急に労働環境や政官関係のゆがみを正さなければならない。
朝日新聞都倉新長官へ 文化の意義広く発信を
文化庁の長官に作曲家の都倉俊一氏が就任して1カ月半が過ぎた。コロナ禍が浮き彫りにしたこの国の文化行政の貧困と、見え隠れする社会の無理解をどうやって克服し、「文化芸術立国」を実のあるものにするか。
広く国民に文化芸術の意義を説き、公的支援への理解を深めようとする姿勢は評価できる。定期的に会見を開くなど発信を続け、社会的合意の形成に尽力してもらいたい。
信濃毎日新聞リコール不正 根源を解明しなければ
前代未聞の不正はどのようにして行われたのか。全容が徹底解明されねばならない。
河村氏は「私も被害者」と述べ、互いに押しつけ合うかのような発言までしている。共に運動を主導した立場である以上、責任逃れに終始する姿勢は許されない。
北海道新聞入管難民行政 人権重視へ根本議論を
政府・与党が入管難民法改正案の今国会での成立を断念した。事実上の廃案だ。
検証が求められる。外国人を人手不足を補う労働力として受け入れながら、人権への配慮を欠いてきた日本の外国人への向き合い方が問われている。
中国新聞リコール不正で逮捕者 民意の捏造、真相究明を
愛知県の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)運動を巡る不正署名事件は、逮捕者が出る事態となった。運動団体の事務局長だった田中孝博元県議と家族ら4人で、署名を偽造したとして地方自治法違反の疑いが持たれている。
署名活動は、政治や行政に市民らが意見を示す手段の一つとしても幅広く用いられている。そうした活動に影響を及ぼさないためにも、事件の全容を明らかにし、不正の再発防止に向けた課題を洗い出す必要がある。
北海道新聞愛知の署名偽造 背景含め全容の解明を
愛知県の大村秀章知事へのリコール(解職請求)を巡る不正署名で、運動団体事務局長の田中孝博容疑者らが地方自治法違反(署名偽造)の疑いで逮捕、送検された。県選管は提出署名の8割にあたる約36万人分に無効の疑いがあるとし県警に告発していた。
議論を深めたい。ただ、有権者がこの権利の行使に際し、萎縮につながるようなことがあってはならない。
新潟日報リコール不正 民主主義の根幹揺るがす
民主主義の基盤である民意を捏造(ねつぞう)した前代未聞の犯罪だ。私たちがよって立つ政治システムの根幹を揺るがすものであり、決して許されない。
リコールなどの直接請求制度は、代表民主制が機能不全に陥った場合に住民が意思を示す重要な仕組みだ。見直しで、住民運動の萎縮を招くことがあってはならない。
沖縄タイムス[リコール署名偽造]運動主導の責任明確に
愛知県の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件は、運動団体の事務局長らが地方自治法違反(署名偽造)の疑いで逮捕される事態となった。住民が地方自治に直接参加できる権利を保障した制度を揺るがす悪質な行為だ。
事件が原因で制度の信用が失墜すれば住民参加の機が損なわれる」と指摘する。悪用させないための制度見直しと同時に、住民の利用を妨げないようバランスが取れた再発防止策が必要だ。
熊本日日新聞愛知リコール不正 経緯まで明らかにしたい
愛知県の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)を巡り、運動団体の事務局長や幹部ら4人が逮捕された。署名を偽造したとして、地方自治法違反の疑いが持たれている。
ただし、住民が政治に参加する際のハードルまで高くしては本末転倒だ。住民を萎縮させない配慮も求めたい。
琉球新報リコール署名偽造逮捕 民主主義破壊する暴挙だ
自らの政治主張を正当化するため賛同署名を不正に水増しし、民意を捏造(ねつぞう)する。民主主義を破壊する暴挙だ。
制度の悪用を防ぐ改革はやむを得ないとはいえ、政治参加のハードルが上がり、住民運動が萎縮することは避けなければならない。偽の「民意」によって民主主義を冒涜(ぼうとく)した今回の事件がもたらす影響は、あまりにも深刻だ。
神戸新聞リコール不正/「民意捏造」の全容解明を
愛知県の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件は、運動事務局長で元県議の田中孝博容疑者ら4人が、地方自治法違反容疑で逮捕される事態に発展した。県選挙管理委員会に提出された署名約43万5千人分のうち8割超が無効とされた。
署名活動は政治や行政に市民が意思を示す大切な手段である。信頼回復に向け、真相の究明とともに再発防止策を急がねばならない。
愛媛新聞リコール不正4人逮捕 住民参加損なわずルール見直せ
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件で、県警は地方自治法違反(署名偽造)の疑いでリコール運動事務局長の元県議ら4人を逮捕した。現職名古屋市長らが支援したリコールを悪用し、組織ぐるみで署名を偽造した上、提出署名の8割が無効と判断された前代未聞の不正である。
ルールを厳格にすることで制度利用のハードルが高くなるなら本末転倒である。住民運動の萎縮を招かないようバランスの取れたルール見直しが求められる。
琉球新報土地規制法審議入り 立法事実なく廃案にせよ
自衛隊基地や原発など安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制する法案が、衆院内閣委員会で実質審議入りした。安全保障を理由に私権を著しく制限し、国民への監視を強める内容である。
多くの懸念が指摘される中で、法制化を急ぎ数の力で成立させることは認められない。それより、新基地建設の中止と基地の整理縮小、米軍機騒音や環境汚染、事件事故など、基地に起因する問題の解決こそ急ぐべきだ。
信濃毎日新聞土地規制法案 無理押しは許されない
土地利用を規制する法案を、衆院内閣委員会が審議している。「重要土地等調査法案」と称される。
国会会期末は6月16日に迫っている。十分な審議ができないのなら、成立自体、見送るべきだ。
しんぶん赤旗土地利用規制法案/人権侵害法は廃案にすべきだ
自民・公明の与党は、米軍や自衛隊の基地周辺に暮らす住民の個人情報を調査し、土地・建物の利用を制限する土地利用規制法案を28日にも衆院内閣委員会で採決しようとしています。軍用機の爆音や墜落、部品落下の危険、基地からの汚染物質の流出など理不尽な現状は放置する一方、その被害に苦しむ住民を基地の運用を妨害する行為をはたらく危険があるとして監視対象にしようとするものです。
審議をすればするほどさまざまな問題が明らかになっています。審議を継続すべきで、採決などもってのほかです。


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