東大農学教授の倫理消滅 ②種編
「農業消滅」の第2章「種を制するものは世界を制す」を読みました。
この本は、東京大学鈴木宣弘教授の本です。
教授のコラム等へのツッコミはタグを参照ください。重複する分はここでは触れません。
関連する過去ログは以下となります。
・農業系デマ屋が勢ぞろいの動画
種子価格に関するデマをこの本と同じく言っています。
また、生産コストに占める種苗費に関して野菜は民間だから高いと言っているが、比較できない者同士を比較してそう言っています。
比較できる者同士で比較すると、大した差はない。
・農業関係で胡散臭い人の見分け方
農業競争力強化支援法を「公的な育種の成果を民間に譲渡することを義務付けた規定」とこの本で書いているが、大嘘です。
種子生産に関する知見の提供を促進するとあるだけで、義務付けてもなければ、譲渡でもない。
・種苗法改正に関しては色々書いているのでタグを参照ください。
デマ屋の一つの手法として、いろんなものをごちゃ混ぜにします。
公的種子生産と読み替えてもおかしいのです。
※鈴木教授のコラムから引用。本でも同じ図を使っている。
コメに関係してアメリカ農務省の資料(17ページ)を見ると「種子コストが高いが、それを補って余りある収量がある」とあります。
単に種子価格だけで見るのは素人かデマ屋がすることです。
鈴木教授、あなたの言う根拠が崩壊しています。その理由を説明します。
以下、青森県の資料からの引用ですが、まっしぐら・青天の霹靂は登録品種なので、上の図は正しそうといえる(時点が記述されていないので厳密にはわからない)。
青森県で8割近く栽培されている、まっしぐらは、もともと自家増殖をするなとされている(ブランド戦略・品質確保のためと思われる)。
※農林水産省の資料より引用
そして、青森県の種子更新率は100%近い(ほとんどの農家が既に種を買って植えている)のです。
※一般社団法人全国米麦改良協会からの引用
ね。鈴木教授の言っていることは根拠が崩壊していますよね。
そもそも、人の褌で相撲を取るなっていう話です。登録品種の割合が何パーセントかは関係無い。嫌なら一般品種を使えって話です。
農業消滅: 農政の失敗がまねく国家存亡の危機
鈴木 宣弘
平凡社
2021/7/19
この本は、東京大学鈴木宣弘教授の本です。
教授のコラム等へのツッコミはタグを参照ください。重複する分はここでは触れません。
関連する過去ログは以下となります。
・農業系デマ屋が勢ぞろいの動画
種子価格に関するデマをこの本と同じく言っています。
また、生産コストに占める種苗費に関して野菜は民間だから高いと言っているが、比較できない者同士を比較してそう言っています。
比較できる者同士で比較すると、大した差はない。
・農業関係で胡散臭い人の見分け方
農業競争力強化支援法を「公的な育種の成果を民間に譲渡することを義務付けた規定」とこの本で書いているが、大嘘です。
種子生産に関する知見の提供を促進するとあるだけで、義務付けてもなければ、譲渡でもない。
・種苗法改正に関しては色々書いているのでタグを参照ください。
種子法
命のかなめである主要な食料の、その源である良質の種を安く供給するには、民間に任せるのでなく、国が世人を持つ必要があるとの判断から種子法があった。違います。ちゃんと条文読みましょう。
(目的)安いことを目的としていない。適切な値段でも普及する。
第一条 この法律は、主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他の措置を行うことを目的とする。
だが、これを民間に任せてしまえば、公的に優良種子を開発して、安価に普及させてきた機能が失われてしまう。種子法の目的を見てもらえばわかりますが、種子法をもとに種子の開発はしていないので、この指摘は大間違いです。
アメリカでも、遺伝子組み換え(GM)種子が急速に拡大した大豆、トウモロコシの種子価格が3倍から4倍に跳ね上がったのに対して、自家採種と公共種子が主流の小麦では、種子価格の上昇は極めて小さいことからも、公的育種の重要性がわかるだろう。先ほども種子法は種子開発とは関係ないと書きましたが、ここでも「公的育種」や種子生産とは関係無いことを書いています。
デマ屋の一つの手法として、いろんなものをごちゃ混ぜにします。
公的種子生産と読み替えてもおかしいのです。
※鈴木教授のコラムから引用。本でも同じ図を使っている。
コメに関係してアメリカ農務省の資料(17ページ)を見ると「種子コストが高いが、それを補って余りある収量がある」とあります。
単に種子価格だけで見るのは素人かデマ屋がすることです。
種苗法改正
登録品種は1割程度しかないから影響ない、という政府が説明する根拠は図2の登録品種の占める割合を見ても崩壊しているということがわかる。
鈴木教授、あなたの言う根拠が崩壊しています。その理由を説明します。
以下、青森県の資料からの引用ですが、まっしぐら・青天の霹靂は登録品種なので、上の図は正しそうといえる(時点が記述されていないので厳密にはわからない)。
青森県で8割近く栽培されている、まっしぐらは、もともと自家増殖をするなとされている(ブランド戦略・品質確保のためと思われる)。
※農林水産省の資料より引用
そして、青森県の種子更新率は100%近い(ほとんどの農家が既に種を買って植えている)のです。
※一般社団法人全国米麦改良協会からの引用
ね。鈴木教授の言っていることは根拠が崩壊していますよね。
そもそも、人の褌で相撲を取るなっていう話です。登録品種の割合が何パーセントかは関係無い。嫌なら一般品種を使えって話です。
八つのデマ?
「→」部分は私のコメントです。ここで、日本で進行中のグローバル種子企業に対する八つの「便宜供与」を整理しておこう。
①種子法廃止(公共の種は止めさせる)
→止めさせるのならば、各都道府県の種子条例も禁止させるでしょうに。
②種の譲渡(これまで開発した種は企業が得る)
→完全なるデマ。上記「農業競争力強化支援法」参照。
③種の無断自家採種の禁止(企業の種を買わないと生産できないように)
→一般品種なら自由に自家増殖可能
④遺伝子組み換えでない(non-GM)表示の実質禁止(2023年4月1日から)
→5%未満であれば「遺伝子組み換えでない」とできたが、不検出と基準が変わる。広島県の検査では95%が不検出だが。
⑤全国農業協同組合連合会(以下、全農)の株式会社化(non-GM穀物を分別輸入しているのが目障りだから買収したいが、協同組合だと買収できないので)
→この書きっぷりだと、株式会社化されたように読めますが実際は協同組合のままです。
農業協同組合法を改正して、協同組合が株式会社化したければできるようにしたのが実際のところです。
詳細は、農林水産省の資料参照のこと。
⑥GMとセットの除草剤(グリホサート)の輸入穀物残留基準値の大幅な緩和(日本人の命の基準はアメリカの使用量で決める)
→アメリカからの要請により基準が緩和されたというが、緩和前の基準すら超えていない。
詳細はこちら。
⑦ゲノム編集の完全な野放し(勝手にやって表示も必要なし、2019年10月1日)
→他の生物の遺伝子が残らないゲノム編集なら表示・届け出義務なし。そりゃ、通常の品種改良と区別できないから。
デマ仲間の印鑰智哉氏が翻訳した「ゲノム編集ー神話と現実」にアホなことが書かれているが騙しです。
「ゲノム編集された食品は、従来の品種改良で開発された食品と区別できません」というのを神話だと言ってる。
その理由は「遺伝子変更の情報が得られれば、ゲノム編集によるすべての食品を検出する方法が開発できます」ですって。
これは、ゲノム編集で品種改良された品種を遺伝子検査すれば同定できるというだけ。
遺伝子見ただけで、ゲノム編集で作られたか、従来の品種改良であるかの区別はできない。
完全なる欺瞞です。
そりゃそうですよね、外部から遺伝子移入していないのだから。
⑧農産物検査法の関連規定改定(輸入米を含む、未検査米の様々なコメの流通を促進)
→これは今まで完全にスルーしていました。
デマ屋さんのコラムと普通の人の記事を見比べて下さい。
普通の人が書いた記事を見ると、現時点で検査米は67%で、検査はすでに完全民営化済みとのこと。
コメの流通を促進して何がマズイのですか?
農業消滅: 農政の失敗がまねく国家存亡の危機
鈴木 宣弘
平凡社
2021/7/19
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