律令時代には長野で鮭が取れていた

現代漁業入門」を読みました。

律令時代の貢納品


8世紀ごろの貢納品の分布図というのがあってそれを見ると、なかなか面白い。
サケを貢納品としているところは、日本海側だと鳥取まである。
カツオを貢納品としているところは、太平洋側で千葉まである。

現代の北限・南限はもっと北によっていますね。

長野県がサケだというのが驚きです。アユだと思ったが、昔は長野までサケが遡っていたのですね。

古代諸国貢納水産物の分布について」により詳しく載っています。

農業と漁業の協同組合の違い


協同組合である漁協は、営漁指導を行う指導事業、組合員の漁獲物を販売する販売事業、資材や燃油を組合員に提供する購買事業、貯金や貸し付けを行う信用事業など、水協法(水産業協同組合法)で制限されている範囲内で事業を実施できます。
ここまでは、農協と同じですね。

地区漁協の場合、農協のような事業団体として存在しているだけでなく、漁業権管理団体(団体漁業権の権利者)としての機能を持ち合わせています。中には、漁業権管理のみで経済事業を実施していない漁協もありす
それだから、漁協の数は多いのですね。
この本によると漁協は900くらい、農協は700くらい。

 さらに、漁協は、漁船登録など行政代行業務や、種苗放流事業、漁場監視、海難事故対策など色々ン公益的な役割も背負っています。
この辺が特に農業と違うところですかね。

事故


毎年500隻以上の漁船が事故に遭遇しています。漁船乗組員の死者・行方不明者も毎年50人前後にのぼります。
もっと死者・行方不明者が多い思っていましたが意外です。

水産白書より以下3つの図表を引用します。

漁船の船舶海難隻数及び船舶海難に伴う死者・行方不明者数の推移

死亡以外の災害発生率も陸上の仕事の6倍事故が多いとのこと。
だが、林業の事故率の高さは群を抜いていますな。
船員及び陸上労働者災害発生率

ライフジャケットが大事だってことが良くわかりますね。
ライフジャケットの着用・非着用別の漁船からの海中転落者の生存率

外国人技能実習生


 かつてはフィリピンや中国からの実習生が多くいましたが、現在は漁船漁業を中心に、ほとんどがインドネシアからの労働者となっています。
 彼らは、現地の水産高校を卒業してすぐの若者で、実習終了後は、帰国して漁業を始めたり、マルシップ制度(※日本の船を外国法人に貸してその国の制度に沿って漁業すること。日本の賃金制度・労働法規には拘束されない。)を利用してまた日本の漁業に貢献したりしています。
フィリピン人のイメージでした。インドネシアの人口は増えているから海外に職を求めているのでしょうかね。

市場


市場は、産地市場と消費地市場の2つがあるそうです。1つしかないと思っていました。
以下、水産白書からの引用です。
水産物の一般的な流通経路
産地市場は漁港に併設されているような市場で、消費地市場は築地のようなのを指すそうです。

最新版 図解 知識ゼロからの現代漁業入門
濱田 武士
家の光協会
2021/8/20

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