山田勝彦先生による間違いだらけ農業政策解説②

チバニアン兼業農学校 農業政策 山田先生 2022年3月9日」という動画を見ました。

立憲民主党の山田勝彦衆議院議員(山田正彦元農林水産大臣の息子)出演の動画です。

見て頂ければわかりますが、間違いだらけです。

戸別所得補償制度

42分40秒頃)廃止になったということで、大臣に廃止した理由を訪ねました。
するとこういう回答がきたんですね。
全部言うとちょっと話が長くなっちゃうんでアレなんですけど、
コメ農家さんに対して国が所得補償するというのが納税者の理解が得られない、国民の理解が得られない、
こういう回答が来ました。
とんでもない話なんです実は。
いわゆるその農家が保護されているとか、補助金もらってまずいとか、何かそういうことを言いたいのかもしれないんです。
意図的かわかりませんが、不正確な説明でかつ曲解しています。

国会議事録から大臣の発言を引用します。
 旧戸別所得補償制度についてのお尋ねでございますが、全ての主食用米の販売農家を対象に交付金を支払うものでありました。
 旧戸別所得補償制度のように、米への助成を基本にするのであれば、十分な国境措置がある米への助成を行うこととなり、他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解を得難いというふうに考えております。
米は特別に関税で守られて、そうでない野菜・果樹などの生産者や、その他の製造業・サービス業などから理解を得られないと言っていますね。

そのため「農家が保護されているとか、補助金もらってまずいとか、何かそういうことを言いたいのかもしれない」は、曲解はなはだしい。


国連「家族農業の10年」(2019-2028)

48分25秒頃)実は国連は2019年から2028年を家族農業の10年として定めている。
世界もヨーロッパもアメリカも、もう気づいてるのですよ。
規模を拡大する農業、法人経営で農業をやっても非効率的だと。
家族農業こそ小さな農業こそ大切にしていくことが実は一番生産性も高く、
そして何よりも持続可能性があると。

これが世界の結論。
赤字の部分は大嘘です。国連決議にはそんなことは全く書かれていません。

国連決議で家族農業の価値として認められているのは以下であって、生産性が高いなどとは全く言及していない。
家族農業が、歴史的、文化的、自然遺産の普及と保全、伝統的な習慣や文化、農村地域における生物多様性の喪失を止めることや、生活条件の改善に深い関係がある
※『国連「家族農業の10年」(2019-2028):農林水産省』にある『国連「家族農業の10年」決議概要』から引用

小さな農業の生産性が最も高いなどと、アメリカと日本の生産性の違いを見れば誤りであることが歴然。

飼料用米

57分30秒頃)小麦粉510万トン海外に依存しています。
約500万トンのうち2割程度でも米粉に代用できれば100万トン、
そして先ほどいて飼料用米の需要130万、
このに230万トンの海外依存しているものを国内の水田を活用していく
ふ~ん。
では実現可能か見ていきましょう。

耕作放棄地は40万ha強あります。
耕作放棄地面積の推移
環境省の資料より引用

そして飼料用米の平均単収は、539kg/10a = 5390kg/ha = 5.390トン/ha
 飼料用米の単収分布(令和2年産)
※農林水産省の「飼料用米をめぐる情勢について」より引用

耕作放棄地 40万ha を全て水田にして、その単収は 5.390トン/ha とした場合、215万トン。
こんな都合のいい計算でも230万トンにならない。
有機農業とすればなおのこと。
遺伝子組み換え飼料米を使うなどしないと230万トンは実現できませんね。

しかも立憲民主党は「原発に依存しないカーボンニュートラル」で「2030年自然エネルギー電力50%、2050年自然エネルギー電力100%を目指します。」などと言っている。
耕作放棄地全て飼料用米用にした上で、100%自然エネルギーって、政策に全く整合性がありませんね。

「58分40秒頃)先祖代々の農地を農場に戻して」
この人は、先祖代々ってどのくらいをイメージしているのでしょうかね。

日本における人口と耕地面積の推移,1883年~1990年
※「日本の農地と耕地政策」より引用。
 なお、総人口の単位は間違っている。100万人ではなく1000万人。

現在の耕地面積は437万2千ha(農林水産省の「令和2年耕地面積」より)で、明治16年(1883年)と大して変わらない。
4、5代ってところでしょうか。

この辺の数字を解って彼は発言しているのでしょうかね?

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