存在しない登録品種をどうやって売り渡すの?
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山田正彦元農林水産大臣がブログにしょうもないことをかいています。
「琉球新報の22日の記事です。」
このブログでは次のように書かれています。
これに対してツッコんでいきます。
この法律により「公共種子の権利が民間に売り渡される」と言っている人は、ほぼデマ屋さんです。
農業系デマ屋さんを見分けるための便利なキーワードです。
山田氏が「農研機構の登録品種を民間に提供している」と書いている「提供」とはどのような意味なのでしょうか?
別記事の「これからが楽しみです。」より引用します。
公的な登録品種を民間に「譲渡する」ことが「提供する」の意味するところでしょう。
農林水産省の「品種登録出願システム」で登録品種を検索できます。
条件なしで検索して、全件CSVでダウンロードできます。
登録品種(登録番号が空でない)で保護期間中(育成者権の消滅日が空、もしくは2022/1/1より前)の品種は11051個。
その内、権利保有者(出願者名/育成者権者名)に農研機構(正式名は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)が含まれるのは779個、農研機構単独なのは678個。
以下のグラフで答え合わせしましょう。たまたま数は一致しましたが、「国≒農研機構」と言えるでしょう。

※農林水産省の「品種登録制度をめぐる情勢」より引用
品種登録出願システムは権利保有者が変わった場合に最新の名前に更新されます。
例えば農研機構はもともと独立行政法人だったし、この界隈で有名な「とねのめぐみ」は「日本モンサント」から「株式会社ふるさとかわち」に変わっています。
農研機構の登録品種1980品種が既に譲渡されているのならば、もともと1980+678=2658品種程度の権利を保持していたはずです。
農研機構がどれだけの登録品種を持っていたかを示すぱっとわかる資料が無いので、概算してみましょう。

※先の資料より引用
農研機構は国の機関で、育成者権は25年間有効なのでちょうどいいですね。
最も多い年で45品種なので、過剰に見積もっても 45×25=1125品種 です。
出願数 ≧ 登録数 のため、実際はもっと減ります。
農研機構は元々1125品種未満しか保有していなかったのに、どうやって1980品種を民間に譲渡したのでしょうね?
口からでまかせもいいところです。
農研機構の「令和2年度に係る業務実績等報告書」を見たら面白いものを見つけました。

1980とは「品種の利用許諾件数」のことですね。
「利用許諾契約の申請について | 農研機構」から以下引用します。
これを見なくてもわかるが、「品種の利用許諾件数」は単に利用許可した件数でしかなく、間違っても譲渡した件数ではない。
仮に「国は農研機構の登録品種を1980種類を民間に提供」が「品種の利用許諾」のことを指しているのならば、
「農業競争力強化支援法8条4項に基づいて・・・」と言っていることがおかしい。
許諾対象に地方公共団体もあるので、「民間」と言っているのもおかしいのだが。
農業競争力強化支援法は、平成29年8月1日(2017年)に施行されているが、施行前の平成28年にも「品種の利用許諾」しているのです。
何をどう解釈しても、山田氏はおかしなことを言っていることになります。
数字を出すことで多いことを表現したかったのだろうが、嘘はバレルのです。
デマ屋としては、まだまだですね。
「琉球新報の22日の記事です。」
このブログでは次のように書かれています。
最近 農業競争力強化支援法8条4項に基づいて、国は農研機構の登録品種を1980種類都道府県は420種類を民間に提供していることを明らかにしました。
どこの企業にどのような品種をどのような価格で提供したかについては 明らかにはできないとのことです。
これに対してツッコんでいきます。
農業競争力強化支援法8条4項とは?
「農業競争力強化支援法8条4項」は、種苗生産のための知見(ノウハウ)を民間に提供することを推進しましょう、というものです。この法律により「公共種子の権利が民間に売り渡される」と言っている人は、ほぼデマ屋さんです。
農業系デマ屋さんを見分けるための便利なキーワードです。
山田氏が「農研機構の登録品種を民間に提供している」と書いている「提供」とはどのような意味なのでしょうか?
別記事の「これからが楽しみです。」より引用します。
しかし長野県が力を入れて開発したリンゴのシナノリップ 等の品種は
このままでは農業競争力強化支援法8条4項で日本モンサントなどから提供の要請があれば、それを譲渡せざるを得なくなります。
公的な登録品種を民間に「譲渡する」ことが「提供する」の意味するところでしょう。
農研機構の登録品種
農研機構の登録品種1980品種を譲渡したと言っているので、現状どれだけ登録品種を持っているか調べてみましょう。農林水産省の「品種登録出願システム」で登録品種を検索できます。
条件なしで検索して、全件CSVでダウンロードできます。
登録品種(登録番号が空でない)で保護期間中(育成者権の消滅日が空、もしくは2022/1/1より前)の品種は11051個。
その内、権利保有者(出願者名/育成者権者名)に農研機構(正式名は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)が含まれるのは779個、農研機構単独なのは678個。
以下のグラフで答え合わせしましょう。たまたま数は一致しましたが、「国≒農研機構」と言えるでしょう。

※農林水産省の「品種登録制度をめぐる情勢」より引用
品種登録出願システムは権利保有者が変わった場合に最新の名前に更新されます。
例えば農研機構はもともと独立行政法人だったし、この界隈で有名な「とねのめぐみ」は「日本モンサント」から「株式会社ふるさとかわち」に変わっています。
農研機構の登録品種1980品種が既に譲渡されているのならば、もともと1980+678=2658品種程度の権利を保持していたはずです。
農研機構がどれだけの登録品種を持っていたかを示すぱっとわかる資料が無いので、概算してみましょう。

※先の資料より引用
農研機構は国の機関で、育成者権は25年間有効なのでちょうどいいですね。
最も多い年で45品種なので、過剰に見積もっても 45×25=1125品種 です。
出願数 ≧ 登録数 のため、実際はもっと減ります。
農研機構は元々1125品種未満しか保有していなかったのに、どうやって1980品種を民間に譲渡したのでしょうね?
口からでまかせもいいところです。
では、1980は何の数字?
「農研機構の登録品種を1980種類を民間に提供している」と言っている1980とは何の数字でしょうか?農研機構の「令和2年度に係る業務実績等報告書」を見たら面白いものを見つけました。

1980とは「品種の利用許諾件数」のことですね。
「利用許諾契約の申請について | 農研機構」から以下引用します。
利用許諾契約は、種苗の生産、販売を行う業者、地方公共団体、農林漁業者の組織する団体、農林水産業振興を目的とする公益法人等であれば、申請できます。個人の方との利用許諾契約は行っておりませんので、ご注意下さい。
これを見なくてもわかるが、「品種の利用許諾件数」は単に利用許可した件数でしかなく、間違っても譲渡した件数ではない。
仮に「国は農研機構の登録品種を1980種類を民間に提供」が「品種の利用許諾」のことを指しているのならば、
「農業競争力強化支援法8条4項に基づいて・・・」と言っていることがおかしい。
許諾対象に地方公共団体もあるので、「民間」と言っているのもおかしいのだが。
農業競争力強化支援法は、平成29年8月1日(2017年)に施行されているが、施行前の平成28年にも「品種の利用許諾」しているのです。
何をどう解釈しても、山田氏はおかしなことを言っていることになります。
数字を出すことで多いことを表現したかったのだろうが、嘘はバレルのです。
デマ屋としては、まだまだですね。
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