その「伝統」ってやつは本当に「伝統」ですか?
『歴史の「普通」ってなんですか?』を読みました。
パオロ・マッツァリーノ氏の本は『「昔はよかった」病』に続き2冊目です。
どちらの本も言わんとすることは同じですね。
主観的に現在と過去を比較していないか?ということ。
極力統計があればそれを、無ければ新聞・本にある情報をもとにこの本は書かれています。
目にとまった内容について触れていきます。
だが、この本を読んで反省しないといけないですね。
主張する根拠が何なのか。
1975年に読売新聞が「こどもの声は"騒音"か」というのを2ページ使って記事にしていた。
目黒区の学童保育所建設に対する反対運動のことが書かれていた。
昔から、そういう話があったが、ちゃんと調べず主観だけで最近はダメで、昔はよかったと。
以下は、これ以外の話題です。
・保育士の待遇は1950年代からずっと悪かった
・「伝統」という言葉は新しい。明治に「tradition」の訳語として作られた。
「伝統」と呼ばれる始めるのはだいたい30年くらい。
「伝統の巨人阪神戦」、「伝統の早慶戦」など
・恵方巻は商業的に広められたものだとは知っていたが、大阪船場の数件の商家で行われていた超ローカルな習慣だった。
恵方つながりで、初詣のことも書かれていた。昔はその年の恵方の方向にある神社に初詣するのが伝統だった。
・祝日の国家掲揚は伝統でも何でもない。
昭和12年の大正天皇祭のとき国家掲揚していたのは16%。
大正9年に警視庁が天長節の祝日に国家掲揚していないと文句をつけた新聞投稿が載っていた。
それに対する警視庁の回答は「今まで慣例として国家を掲げなかったから掲げないままです、一つ御注意によって考えてみましょう。」とのこと。
大正13年に紀元節に2000戸の内、国家掲揚していたのはたった9軒だけだった
・1938年の農業雑誌「富民」に次のような記述があるそうだ。
「無添 くら寿司」の企業理念は次のものなのだが、これを見せてあげたいですな。
歴史の「普通」ってなんですか?
パオロ・マッツァリーノ
ベストセラーズ
2018/10/12
パオロ・マッツァリーノ氏の本は『「昔はよかった」病』に続き2冊目です。
どちらの本も言わんとすることは同じですね。
主観的に現在と過去を比較していないか?ということ。
極力統計があればそれを、無ければ新聞・本にある情報をもとにこの本は書かれています。
目にとまった内容について触れていきます。
これは反省しないとなぁ
保育園・幼稚園の子供の声がうるさいという年寄りが最近多いということで、それを嘆く記事などを見かけ、同意していました。だが、この本を読んで反省しないといけないですね。
主張する根拠が何なのか。
1975年に読売新聞が「こどもの声は"騒音"か」というのを2ページ使って記事にしていた。
目黒区の学童保育所建設に対する反対運動のことが書かれていた。
昔から、そういう話があったが、ちゃんと調べず主観だけで最近はダメで、昔はよかったと。
以下は、これ以外の話題です。
・保育士の待遇は1950年代からずっと悪かった
・「伝統」という言葉は新しい。明治に「tradition」の訳語として作られた。
「伝統」と呼ばれる始めるのはだいたい30年くらい。
「伝統の巨人阪神戦」、「伝統の早慶戦」など
・恵方巻は商業的に広められたものだとは知っていたが、大阪船場の数件の商家で行われていた超ローカルな習慣だった。
恵方つながりで、初詣のことも書かれていた。昔はその年の恵方の方向にある神社に初詣するのが伝統だった。
・祝日の国家掲揚は伝統でも何でもない。
昭和12年の大正天皇祭のとき国家掲揚していたのは16%。
大正9年に警視庁が天長節の祝日に国家掲揚していないと文句をつけた新聞投稿が載っていた。
それに対する警視庁の回答は「今まで慣例として国家を掲げなかったから掲げないままです、一つ御注意によって考えてみましょう。」とのこと。
大正13年に紀元節に2000戸の内、国家掲揚していたのはたった9軒だけだった
・1938年の農業雑誌「富民」に次のような記述があるそうだ。
今日の沢庵をみては、おそらくこれを創案した沢庵和尚は墓の下でなげいてござらっしゃろう。今日一般に食されているものは黄色い塩水に溺死させる大根の土左衛門に過ぎない面白いですね。
「無添 くら寿司」の企業理念は次のものなのだが、これを見せてあげたいですな。
「食の戦前回帰」。これは、添加物を含まない、素材そのものの味わいを求め、「食」が安心・安全だった戦前のバランスの取れた健康的な食生活を取り戻そうという意味の言葉です。
くら寿司では、お客様の健康を優先し、すべての食材において化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料を使用せず、昔ながらの味にこだわり続けます。

パオロ・マッツァリーノ
ベストセラーズ
2018/10/12
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