デマ屋映えの民主主義

デマ映えの民主主義」を読みました。

これは、ネットニュースの J-CASTニュース 発行人で、ジェイ・キャストの代表取締役会長の蜷川 真夫氏の本です。
普段ウォッチしているニュースサイトではありませんが、以前、しんぶん赤旗の「読売・大阪連携協定 報道機関の役割果たせるのか」を読んだときにJ-CASTニュースもあわせて読み、片方だけの言い分だけでない報道に良い印象を抱いていました。

会長さんの本はいかがでしょうね。

既存メディアである新聞、テレビは発言のバランスを考えるので、それらのニュースになれた人からはネットの発言は偏って見えるだろう。
ぷぷっ。いろんな新聞の社説を読む私から言わせてもらうと、偏りまくりです。

日本新聞協会の新聞倫理綱領を引用しますが、こんなことを書いている人達が偏りまくりなのでタチが悪い。
 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する。


これ以外は本章で特段触れるところはないですね。至って薄っぺらい内容でした(256ページあるけどね)。
期待して損しました。

最後に驚きの人が登場します。
堤未果氏です。著者が頼んで寄稿してもらっています。
今回の堤氏の記述自体は特に変なものではありませんでした。

しかし、エピローグに著者は次のように書いていました。
国際ジャーナリストの堤未果さんに寄稿をお願いした。近著の『デジタル・ファシズム』ではデジタル資本主義の危機を見事に描いており、私が描きたかったネットの病理を別の視点から見ていると思った。今こそすべての記者に読んでほしい力強い論旨の原稿を頂いた。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件直後、友人で詩人の堤江実さんが娘の未果さんを連れて訪ねて来た。ニューヨークで被災ビルの隣のビルに勤務していたという。その体験記を雑誌に書くように勧めた。その後、『ルポ貧困大国アメリカ』などの著書で数々の賞を受け取る気鋭のジャーナリストとなって活躍している。その彼女から20年ぶりに原稿を頂けたことが何よりうれしい。
うわ~。あの間違いだらけ・デマの温床の本を褒める人なのですね。

デマ映えの民主主義
蜷川 真夫
かもがわ出版
2022/3/28



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