「正しい」とは何か? 武田邦彦教授の胡散臭い講義 一限

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「正しい」とは何か? 武田教授の眠れない講義』を読みました。

武田邦彦氏の本は「原発事故 残留汚染の危険性」に引き続き2冊目。
では、おかしなところをツッコんでいきます。

倫理とは何か?

4つの「正しさ」ということで、①神様、②偉人、③倫理、④法律をしめしていますが、倫理について次のように書いています。
自分ではなく、他人(社会)に合わせるのです。
これは何でしょうね。
他人に合わせることが「倫理」だと。

倫理の正しい意味は「共同体が内部に課す規範」です。
共同体の一員でなければ、その倫理は適用されないし、一員であるので、他人でもあるし自身でもある。

武田氏の言う「他人」は、自分が認めた「他人」しかその対象に含まれないのでしょう。
武田氏の主張/行動がおかしいのは、このようにおかしな倫理観が根底にあるのではないのか?と思いました。

石油資源は8000年分ある?

資源問題が専門分野である私の試算によれば、石油を今のまま使い続けても、あと8000年は大丈夫なのです。
・・・
 地球が誕生したときには空気の95%がCO2だったのに、二酸化炭素が減って、酸素の割合が増えたということは、それだけ炭素を抱え込んで死骸となった生物がいるということです。つまり、炭素の量を計算すれば、どれだけ石油があるか、大まかな総量がわかってしまうというわけです。
この件は、引用した所もふくめ『武田邦彦氏が「石油はあと8000年は大丈夫」というその根拠は|NEWSポストセブン』にあります。

胡散臭いですね。炭酸カルシウム(石灰)のことを一言も触れていない。
海洋生物は死んで殻を残す | 海洋政策研究所」、「二酸化炭素濃度と気候変動史」にある通り、大量にあった二酸化炭素の90%は炭酸カルシウムで固定化されているとあります。

武田氏は「資源・エネルギー・材料の必然的持続可能性」にも似たようなことが載っているが、算出ロジックが書かれていないので検証不可能。
検証不可能なものは科学的とは言わないのですけどね・・・

発電所事故時の電力会社の責任

例えば、火力発電所で事故が起こったとします。周囲に被害を与えたら、当然、電力会社の責任で処理します。日常的に出る石炭のがれきや排気ガスの処理ももちろん電力会社の負担です。多くの会社が自分の工場を運転するのに必要なことは全てその工場でやるのです。
 ところが、原発はそうではありません。原発で出た廃棄物の処理は、国が行います。再処理施設を作っているのは国ですよね?・・・電力会社は、国からお金を貰いながら原子力発電を行っていただけで、放射性廃棄物という核のゴミ処理も、事故後の処理も、知らぬ存ぜぬで貫き通している、というわけです。
デタラメばかり書いて。

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」で、電力会社が資金拠出した機構(原子力発電環境整備機構)が行います。

火力発電所も無限責任があるわけではありません。
どうしようもない災害の場合は「災害対策基本法」により国の支援があります。

食料自給率

食料は、その国の人が生きていく上で必要なものなので、食糧自給率は100%という絶対的な目標があります。そうでないと国民が死んでしまうからです。
さすが食料自給率を100%へと言う参政党所属の人ですね。
これは昔の本すが、今の党の考えと同じで素晴らしいですね。

日本政府は食料自給率100%を目標としていないし、現状40%未満だが日本国民は死んでいません。

日本の今の人口で食料自給率100%は達成できません。土地が絶対的に足りないという物理的制約から無理なのです。
穀物自給率と一人当たりの耕地面積の関係
※FAOの2018年データより作図

デタラメな原子力発電の説明

原子核反応というのは、太陽の原理ですから、原子力発電というのは、地上で太陽を再現することなのです。
いつから原子力発電で核融合ができるようになりましたか?

素人向けに簡便な説明をするにしても、異なる現象を例にするのは科学者として失格ですね。
原子力発電の例示するなら、地球のコアでの核分裂反応などが適当でしょう。

「正しい」とは何か? 武田教授の眠れない講義
武田邦彦
小学館
2013/3/13

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