東大の鈴木宣弘教授のデタラメ食料自給率解説

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命の源の食料とその源の種を守る取り組みを強化しよう 東京大学教授・鈴木宣弘 | 長周新聞
東大の鈴木宣弘教授のこの記事へのツッコミです。

鈴木教授の主張

【表③】のとおり、貿易自由化の進展と食料自給率の低下には明瞭な関係がある。農林漁業は貿易自由化も通じた一部企業の利益の犠牲とされ続けている。

残存輸入数量制限品目 (農林水産物) と食料自給率の推移
※記事より引用


実際のところどうか?

この鈴木教授の主張は前から知っていたのですが、論破する良いデータが無かったので指摘を保留にしてきました。
食料・農業・農村政策審議会企画部会(令和2年2月13日)配布資料」にある「【参考資料2】食料自給率及び食料自給力の検証」に良いデータを見つけたので、これを使ってデマ退治をします。

この資料では、あるパターンの食生活で固定されていたと仮定して作った食料自給率の推移が求められています。
4パターンで試算しているのですが、一番まともで昔に近い食生活が以下のパターンです。
食料自給力指標の各パターンおける食事メニュー例 米・小麦・大豆中心  栄養バランス考慮

上記パターンAで昭和40年(1965年)からの食料自給率の推移をあらわしたグラフがあるのだが、ただ残念なことに人口を一定としていないので、日本全体の農業生産量の比較ができません。

次の条件でグラフを作ってみました
・パターンAの食生活で一定
・一人当たりの必要供給カロリーは2443kcal(上記資料より)
・1965年の人口で変動なし

参考までに、素のカロリーベースの自給率推移も載せています。
食料自給率は「第2節 我が国の食料自給率の動向:農林水産省」のデータを使用しています。

人口は世界銀行のデータを使用しています。

食生活・人口を固定した時の食料自給率推移試算
青の「素」:カロリーベース食料自給率
オレンジの「米麦大豆中心バランス食生活」:上記資料のパターンAで2443kcalを100%とした時の比率
黄色の「米麦大豆中心バランス食生活+人口調整」:オレンジを1965年の人口でずっと固定したときのもの

鈴木教授は1962年以降「貿易自由化の進展と食料自給率の低下には明瞭な関係がある」というが、黄色のグラフを見て下さい。
何の関係も見出せませんよね。

1990年までは単収増加のおかげで右肩上がりに伸びています。
1990年より後は右肩下がりに落ちています。
なお、鈴木教授はこちらで食生活は主要な要因ではなく政策のせいだと言っています(江戸時代のようにすると良いそうです)。

1965年以降一貫して農地は減り続けていたのを単収UPでカバーしていたが、カバーしきれなくなったようです。
農地面積の推移
単収の推移

この結果から真っ先にすべきと思うことは、バイオテクノロジー(遺伝子組み換え・ゲノム編集など)を駆使して単収を上げることでしょうね。
決して、鈴木教授のようにTPPが!とか政治が悪いとか騒ぐことではない。
だが、鈴木教授は遺伝子組み換え・ゲノム編集に大反対ですからね。
何をしたいかわからない(まあ、本を売るなどして金稼ぐことしか頭にないのでしょうけど)。

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