国葬儀は弔意の強制なのか?

国葬儀は弔意の強制だ!という主張を社説で見かけるので、各紙の社説を見てみた。

結果は以下の通り。
国葬儀は弔意の強制なのか?

■強制である(他人の言葉を引用し、それを否定していない場合もこれに含めた)
信濃毎日新聞、北海道新聞、しんぶん赤旗、社会新報、東京新聞、河北新報、琉球新報、毎日新聞、共同通信、京都新聞、沖縄タイムス、神戸新聞、高知新聞、新潟日報、南日本新聞、静岡新聞

面白い記述が東京新聞にあったので、それを紹介します。
半旗の依頼など弔意の「強制」は、内心の自由を侵すばかりか、学校現場の政治的中立性も傷つける。
「依頼」が「強制」になっていて笑えた。
「依頼」でさえ「強制」になるのは、北朝鮮や中国の専制国家のことですよ。

半旗を掲げたら、その生徒・児童に対して弔意を強制するものになるのですか?
国旗・都道府県市区町村旗を学校では掲げているが、それは生徒・児童に国・都道府県市区町村へ忠誠を尽くすことを強制しているのですか?
会社で社旗を掲げていたら、会社に忠誠を尽くすことを強制しているのですか?
ばかばかしい。

■強制はあってはならない(強制だと言いたいのが読み取れる)
朝日新聞、中国新聞

■強制ではない
産経新聞、読売新聞

■言及なし
日本経済新聞、西日本新聞、世界日報



社説一覧


新聞社説
要約
京都新聞安倍氏の国葬 法の根拠がなく疑問だ
国民の賛否は分かれるのではないか。岸田文雄首相は、参院選の街頭演説中に銃撃されて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を今秋に行う方針を発表した。
中曽根氏の合同葬の際には、文部科学省が全国の国立大などに弔意を表明するよう求める通知を出し、問題となった。今回も弔意を国民に押しつけるようなことはあってはならない。
琉球新報安倍元首相「国葬」 内心の自由に抵触する
岸田文雄首相が、街頭演説中に銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を9月に実施すると発表した。史上最長の在任期間、国際社会からの高い評価、国内外から追悼の意が寄せられていることを理由として挙げたが、全く納得できない。
銃撃は民主主義への挑戦であり、今求められることは民主主義の精神を守ることだ。「国葬令」が失効した歴史をかみしめるべきである。
沖縄タイムス[安倍氏の国葬]異例の扱い 疑問が残る
岸田文雄首相が、安倍晋三元首相の「国葬」を営むと発表した。遊説中だった安倍氏が凶弾に倒れた事件は、国内外に衝撃を与えた。
喪に服すも、服さないも個人の自由である。政府はそのことを重んじるべきだ。
中国新聞安倍元首相の「国葬」 決定の理由、説明足りぬ
参院選の街頭演説中に銃撃されて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を秋に行うと岸田文雄首相が発表した。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏以来となる。
にもかかわらず再び閣議決定だけで済ませるのは国会軽視と言わざるを得ない。国権の最高機関である国会の意見もしっかり聞くべきである。
しんぶん赤旗安倍元首相の国葬/国を挙げての礼賛許されない
参院選中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を秋に実施するとした岸田文雄首相の方針に、疑問と批判が上がっています。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏以来です。
秋にはさらなる物価高騰で国民生活が苦しくなることが予想される中で、巨額な支出への疑問は尽きません。いま必要なのは、安倍元首相の8年8カ月の政治を事実に基づいて多面的に検証し、冷静な評価を行うことです。
朝日新聞安倍氏を悼む 「国葬」に疑問と懸念
在任期間は憲政史上最長となったが、安倍元首相の業績には賛否両論がある。極めて異例の「国葬」という形式が、かえって社会の溝を広げ、政治指導者に対する冷静な評価を妨げはしないか。
国葬が政権の評価を定めるものでもない。自由な論評を許さぬ風潮が生まれれば、それこそ民主主義の危機である。
東京新聞安倍氏「国葬」 国民の分断を懸念する
政府は、参院選の応援演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の国葬を今秋に行う方針だ。だが、反対論もある中で、なぜ国葬なのか、岸田文雄首相が説明を尽くしたとは言い難い。
故人への弔意の表し方は個人の信条に基づいて自由であるべきだが、他人に強いるべきではない。ましてや国葬となった場合、政府が国民に弔意を強制するようなことがあってはならない。
神戸新聞安倍氏の国葬/国民への説明が不十分だ
岸田文雄首相は先週、参院選の街頭演説中に銃撃され亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」を秋に実施すると発表した。極めて異例の扱いである。
何より弔意は国が求めたり、強要したりするものではない。政府は国葬にこだわらず、政治的な立場の違いを超えて元首相への哀悼を静かに表明できる場を再考すべきだ。
南日本新聞[安倍元首相国葬] 根拠を明確にすべきだ
参院選の街頭演説中に銃撃され、死去した安倍晋三元首相の国葬実施を巡り賛否が分かれている。与党からは「功績、国際的な活躍を考えると国葬に値する」と賛同する声が上がる。
野党は閉会中審査の開催を求めている。国会で議論し、さまざまな疑念を解消してもらいたい。
社会新報「国葬」に反対する ~憲法が保障する「内心の自由」に抵触する~
岸田文雄首相は7月14日、街頭演説中に銃撃で死去した安倍晋三元首相の国葬を9月に実施すると発表した。しかし、なぜ国葬なのか、全く理解できない。
さらに談話は、狙撃事件の背景にある、自民党と旧統一教会の関係の解明こそが求められると指摘している。まさにカルトと政界の癒着構造を徹底検証することが喫緊の課題だ。
信濃毎日新聞安倍氏国葬決定 割れる民意は見ぬふりか
安倍晋三元首相の国葬は9月27日、都内の日本武道館で行う。岸田文雄政権がきのう、閣議決定した。
急拡大する新型コロナ感染が収束しているかどうかも気がかりだ。何より、十分な説明もないまま異論を封じれば、国民との間にしこりが残るに違いない。
北海道新聞「国葬」閣議決定 弔意の強制にならぬか
政府はきのうの閣議で、参院選の遊説中に銃撃されて死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を、9月27日に東京都千代田区の日本武道館で行うことを決めた。当日は休日にしない方針で、松野博一官房長官は「国民一人一人に喪に服することを求めるものではない」と強調した。
岸田文雄首相は「聞く耳」を掲げるが、国葬を求める保守派の声だけを聞いているのではないか。党内基盤の弱い首相が安倍氏の非業の死を政治利用していると見られても仕方あるまい。
毎日新聞安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか
銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を9月27日に行うと、政府が閣議決定した。岸田文雄首相が先週、方針を発表して以来、賛否両論が噴出している。
日本の民主主義の基盤は、国民の代表で構成する国会である。国民の疑問に答えるには、政府が国会で説明し、議論することが欠かせない。
しんぶん赤旗安倍氏国葬の決定/疑問や批判にこたえぬままか
街頭演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に東京・日本武道館で行うことを岸田文雄政権が決定しました。安倍氏国葬の是非をめぐり世論は割れています。
安倍政治を国家として礼賛一色にする国葬を実施することは国民に新たな分断をもたらすことにしかなりません。国葬の中止を強く求めます。
北海道新聞学校に半旗要請 教育の中立性侵す疑い
帯広市教委が、今月12日に営まれた安倍晋三元首相の葬儀に合わせ、市立小中学校の全39校に国旗の半旗掲揚を要請していた。市教委は弔意を示すためとするが、安倍氏は自民党の最大派閥を率いる有力政治家だった。
銃撃され非業の死を遂げた元首相に弔意を表明するかどうかはあくまでも各機関、各個人の自主的な判断に委ねるべきだ。行政の上意下達によって内心の自由を侵害することがあってはならない。
新潟日報安倍氏国葬決定 国会で説明尽くすべきだ
幅広い国民の理解を得ようとする姿勢もなく強行することには疑念が募る。国会でしっかり説明し、議論を尽くすべきだ。
政府・与党は幅広い意見を取り入れた協調への道を進むべきだ。内向きの姿勢で国葬や追悼演説を実施すれば、国民の疑問はさらに深まりかねない。
信濃毎日新聞安倍氏の国葬 服喪の強要にならないか
国民一人一人に喪に服すことを求めるものではない―。安倍晋三元首相の国葬について松野博一官房長官は繰り返し述べている。
かつて国葬は、ナショナリズムを高揚させ、国民を動員して戦時体制を強化する装置となったことを中央大の宮間純一教授は指摘している。その歴史にも目を据え、服喪の強要になりかねない国葬を問い直す必要がある。
京都新聞国葬に世論二分 亀裂の深まり憂慮する
安倍晋三元首相の国葬について、政府は9月27日に日本武道館で実施すると閣議決定した。衝撃的な事件からわずかな期間で、法的根拠がなく、全額公費で賄う国葬に突き進むのは強引というほかない。
少なくとも静かに死去を悼む環境ではなくなってきている。岸田首相は世論と誠実に向き合わねばならない。
佐賀新聞岸田政権と国会 「聞く力」を失ったのか
国会質疑を通じ国民の不安や疑問の声に耳を傾け、その解消を図ろうとする真摯(しんし)な姿勢がうかがえない。岸田文雄首相が誇示していた「聞く力」は失われてしまったのか。
安倍、菅両政権は自民「1強」を背景に、野党の臨時国会召集要求を放置したり、会期の延長を拒否したりして国会軽視と批判された。岸田政権までが国会審議をないがしろにするとすれば、それこそ首相の言う「民主主義の危機」を招来することになる。
山陰中央新報岸田政権と国会 「聞く力」を失ったのか
国会質疑を通じ国民の不安や疑問の声に耳を傾け、その解消を図ろうとする真摯(しんし)な姿勢がうかがえない。岸田文雄首相が誇示していた「聞く力」は失われてしまったのか。
安倍、菅両政権は自民「1強」を背景に、野党の臨時国会召集要求を放置したり、会期の延長を拒否したりして国会軽視と批判された。岸田政権までが国会審議をないがしろにするとすれば、それこそ首相の言う「民主主義の危機」を招来することになる。
東奥日報「聞く力」 質疑の場でこそ/岸田政権と国会
政府は、自民党が大勝した参院選後初めてとなる臨時国会を3日に召集する。会期が5日までと短いため、参院の正副議長選出などにとどめ、実質審議は行わない。
安倍、菅両政権は自民「1強」を背景に、野党の臨時国会召集要求を放置したり、会期の延長を拒否したりして国会軽視と批判された。岸田政権までが国会審議をないがしろにするとすれば、それこそ首相の言う「民主主義の危機」を招来することになる。
山陽新聞異例の「国葬」 国会での議論を避けるな
参院選後初の臨時国会がきょう、召集される。会期は3日間にとどまり、銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の国葬について、本格的な質疑は行われない見通しだ。
安倍氏を国葬とする政府の判断により、安倍氏への政治的評価や服喪を強制されないかという懸念も拭えない。国民の間にあるさまざまな疑念を解消するため、国会での議論を避けてはならない。
高知新聞【臨時国会召集】懸案を議論しないのか
せっかく議論の場が設定されるのに、なぜ生かさないのか。問題の放置と言われても仕方あるまい。
国会の審議時間を十分に確保することも「聞く力」にほかならない。真摯(しんし)な対応が求められる。
山形新聞短期間の臨時国会 課題に真摯に向き合え
自民党が大勝した参院選後初の臨時国会が3日、召集された。しかし会期は3日間と短く、参院の正副議長選出などにとどめ、実質審議は行わない。
閉会中審査は臨時国会の閉幕後に予定している。積極的に開き、充実した論議を求めたい。
神戸新聞臨時国会召集/「国葬」の議論を避けるな
参院選を受けた臨時国会がきのう召集された。政府が9月27日に実施を決めた安倍晋三元首相の「国葬」を巡り、世論が割れている。
首相は議員任せにせず、党に調査を指示し、説明責任を果たしてもらいたい。国会も審議を通じて実態を徹底的に調べ、国民に明らかにしていかなければならない。
東京新聞半旗掲揚の依頼 弔意の強制は厳に慎め
七月十二日に行われた安倍晋三元首相の葬儀に合わせ、東京都など八つの教育委員会が国旗の半旗掲揚を学校に求めていた。政治的中立が求められる教育現場への弔意の強制にほかならない。
学校を特定の政治家を権威づけるために利用することは権限の乱用にほかならない。子どもたちを、時の政権の思惑に巻き込むような振る舞いは、厳に慎むべきである。
河北新報教委への半旗掲揚依頼 「情緒」が問題なのではない
亡くなった人を悼む気持ちと法律の解釈・運用は別次元の話だ。首長として、その点を理解しているのだろうか。
郡氏には、市の教育委員らから意見を聞く総合教育会議を開く権限がある。半旗掲揚に関する市の対応を、ぜひ会議で議題にしてもらいたい。
信濃毎日新聞学校に半旗要請 教育の独立をゆがめる
子どもたちと教職員一人一人の内心の自由に関わる。教育の独立を確保する上で、教育委員会の対応は見過ごせない重大な問題をはらんでいる。
何より欠かせないのは、子どもと教職員の権利を土台に据えた、教委や学校現場の主体的な判断だ。それなしに教育の独立の浸食は止められない。
毎日新聞安倍氏国葬と学校 弔意を強要すべきでない
学校は子どもの学びと人格形成の場である。政治的な価値観を押し付けるようなことがあってはならない。
閣僚や党役員との接点が相次いで判明し、国民は不信感を募らせている。そうした中で、政府や自治体が弔意の表明を強要することになれば、社会の分断に学校を巻き込むことにもなりかねない。
河北新報臨時国会召集要求 早期開会で説明責任果たせ
実施すべきか否か。国民の意見が真っ二つに割れている今だからこそ、まずは国会で「丁寧な説明」を行うのが筋ではないか。
性的少数者に対し、これほどの侮辱はあるまい。説明責任に背を向ける政権の態度をこれ以上、許していてはならない。
しんぶん赤旗国葬に2.5億円/国民の批判に耳傾けないのか
岸田文雄内閣は9月27日に予定している安倍晋三元首相の国葬に約2億5000万円の税金を投じることを閣議決定しました。国葬を定めた法律は今の日本にはありません。
戦後の憲法下で国葬令が失効したのは、民主主義と相いれないからです。国葬を復活させてはなりません。
信濃毎日新聞安倍氏国葬費用 何のためか分からぬまま
安倍晋三元首相の国葬費用に、予備費から2億4940万円を支出する。岸田文雄政権が閣議決定した。
なぜ国葬なのか。自ら国民に説かなくてはならない。
北海道新聞安倍氏の国葬 理解なき強行分断招く
政府はきのうの閣議で、来月27日に実施する安倍晋三元首相の国葬の費用として、2022年度予算の一般予備費から約2億5千万円を支出すると決めた。国葬当日に各府省や関係機関に弔意表明を求める閣議了解は行わない。
ただ、各府省で個別に黙とうなどを実施することは否定しておらず、小手先のごまかしというほかない。国葬という形式そのものが疑問視されていることを政府は認識する必要がある。
毎日新聞説明なき「国葬」 これでは納得ができない
このまま突き進んでは、国民の納得は到底得られない。政府が安倍晋三元首相の「国葬」の費用を全額国費で負担し、今年度の予備費から約2・5億円を支出することを決めた。
こうした状況下で国葬の準備をなし崩しに進めても、世論の分断を深めるだけだ。葬儀のあり方を含め、ふさわしい環境を整える責任は首相にある。
高知新聞【安倍氏の国葬】納得を得ぬまま進むのか
多くの国民の納得を得ないままで実施に突き進むのか。岸田文雄首相は国民が抱く疑問と謙虚に向き合い、説明を尽くすべきである。
国葬に関して、国会で徹底論議することを求める。岸田首相は自ら掲げる「聞く力」に加え、説明する力も発揮しなければならない。
読売新聞安倍氏国葬に 内外の悼む声を踏まえた判断
元首相が演説中に銃撃された衝撃の大きさや、内外の多くの人々が死を悼んでいることを踏まえた判断なのだろう。静かに見送りたい。
国葬でのミスは許されない。政府は万全の警備・警護体制を確立すべきだ。
産経新聞安倍元首相の国葬 野党の反対は理解できぬ
政府は、安倍晋三元首相の「国葬」(国葬儀)を9月27日に実施することを閣議決定した。首相経験者の国葬は、吉田茂元首相以来、55年ぶりで戦後2例目である。
国家に功績のあった人物を国葬で送るのは、諸外国では当たり前である。日本もそうあるべきだ。
産経新聞学校の半旗 弔意を妨げる方が問題だ
安倍晋三元首相が先月銃撃されて亡くなったことを受け、教育委員会が公立学校に国旗の半旗掲揚を求めたことに異論や批判が出ている。弔意を表す半旗掲揚のどこが悪いのか理解に苦しむ。
国民の支持を得て長く政権を預かった元首相を国として追悼するばかりでなく、日本が「暴力に屈せず、民主主義を守り抜く」(岸田文雄首相)姿勢を内外に示す意義が大きいことを本紙は指摘してきた。国葬の際には各学校でも半旗を掲揚し、その死去に背を向けることのないように願う。

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