食のデマ屋との戦争①

食の戦争」へのツッコミ第1回は、「第1章 戦略物資としての食料」が対象です。

これは、様々なデマを撒き散らしてきた鈴木宣弘東京大学教授の本です。
過去ログと重複する内容が結構あるので、それは割愛します。

この本は巻末に参考文献が書かれていない稀有なものです。
文中に出てきた気になる人だけリストアップします。
野口勲種苗会社経営者京都大学久野秀二教授安田節子南清貴天笠啓佑
すでに、お腹いっぱい・・・

数字が出てきたら嘘だと思え!

2008年に深刻化した世界食糧危機を思い出してほしい。・・・コメを主食とする中米のハイチ、フィリピンでは、お金を出してもコメが買えなくなり、ハイチなどでは死者が出る事態となったのである。
嘘と騙しです。

ハイチ・フィリピンのコメ輸入価格・量の推移
FAOSTATのデータから作成

グラフを見てもらえばわかりますが、2008年は確かに輸入価格が高くなっていますが買い負ていません。
ハイチの黄色い折れ線グラフを見れば一目瞭然。

そして「ハイチなどでは死者が出る事態」これは、普通に読むと餓死だと思いますよね。
でも違うのですよね。食料価格高騰に対する暴動で死者が出ているのです。

ハイチの件に関しては2021年に出版した「農業消滅」というデマ本でもデマを書いていました。

その表は何ですか?

本には以下と同じ表が載っていた。
米国北東部の飲用乳価の変化(円/リットル)
日本酪農の現状と今後の展望より引用

2006年の最低価格と2007年の最高価格を比較して何になるの?
その価格差がどうして「年平均乳価の差」になるの?
全く理解不能。
元データにあたろうとしても「コーネル大学の調査結果」としか書きていないので確認できない。
何ですかねこのダメダメさは。

仕方ないのでUSDAの「USDA/NASS QuickStats Ad-hoc Query Tool」から牛乳の生産者価格を拾いグラフを作りました。
アメリカの牛乳価格推移
ニューヨーク州の2006年は13.4ドル/cwt(1cwt=100ポンド)、2007年は19.7ドル/cwtで、約1.5倍。
鈴木教授の上の表では、約1.9倍になっている。胡散臭いね。

第1章は、上記のようなデタラメなデータをもとにした主張が展開されている。
その主張の正当性は大いに疑わしいと言えるでしょう。

食の戦争 米国の罠に落ちる日本
鈴木宣弘
文藝春秋
2013/8/21

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