山田正彦元農水大臣と同じデマを流す東大鈴木宣弘教授

鈴木宣弘東京大学教授のコラムへのツッコミです。
緊急財政出動と「食料安全保障推進法」の制定を

乳雄子牛の価格が1頭100円に暴落?

コラムの最初からデマがあります。
畜産大手の倒産もあり、乳雄子牛の価格が昨年の5万円から100円まで暴落、売れない子牛は薬殺との情報も。副産物収入も激減して酪農家に追い打ちをかけている。

これに関する報道が日本農業新聞からされている。
ホル雄子牛相場暴落 北海道で9割安 資材高で買い控え
この記事から一部引用します。
北海道の根室地区のホクレン家畜市場では、ホル雄の取引の成約率が5割。昨年同時期の市場では1頭の平均価格は5万円代だったが、今回は約5900円まで落ち込んだ。・・・取引での最低価格1頭110円で取引されるホル雄などの初生牛が例年に比べて増えた。釧路地方の酪農家は「市場に出す際の手数料を賄えず赤字だが、連れ帰っても高騰している餌を食べ、もっと赤字は膨らむ。売る以外にない」と明かした。
 関係者は背景として「資材高騰が長期化し、肉牛農家が牛舎に余裕があっても子牛を購入しなくなった」と説明。

■鈴木教授
去年の価格:5万円 ・・・何の価格か書いていないが平均価格
今年の価格:100円 ・・・何の価格か書いていないが最低価格。騙す気満々。
下落の理由:畜産大手の倒産

■日本農業新聞
去年の平均価格:5万円
今年の平均価格:5千9百円
今年の最低価格:110円 ・・・例年に比べて増えたと言っている。
下落の理由:資材価格の高騰

日本農業新聞が間違っているのでしょうか?
ホクレン畜産市場の「市場速報」を見ると最低価格110円で、平均価格は5,884円となっている。

鈴木教授は100円に暴落と書いていましたが、前年分の資料を見ると普通に最低価格110円のがある。

平均価格と最低価格を比較するなボケが!
見事なまでのデタラメっぷりです。

中国の自給率

中国の食料自給率は93.6%(2000年)から65.8%(2020年)まで低下し、特に大豆の自給率は17%。かつ、野菜のタネは90%以上輸入している。
ほう。その数値はどっから持ってきたのでしょうか?
中国の「食糧安全保障」:穀物の基本自給堅持を強調しつつも、実態としては輸入重視が顕著に:農林水産政策研究所
によると、生産量は6億6,939万トン、輸入量は1億4,262万トン。
2020年の中国の食料自給率は 82.4% なのでは?
輸出分を生産量から差し引いているのかもしれないが、輸出を止めれば自国での消費分になるので、輸出を差し引く必要はないと思われるが。

農業系の王道デマ

日本の種を守るとして、主要穀物の公共種子の開発・提供事業を民間に移行し(※①)、公共的に開発した種の知見も譲渡し(※②)、農家の自家採種を制限し(※③)、種は買わねばならぬ方向に舵を切った。

①は種子法の話でしょう。
だがしかし、種子法と種子開発は何ら関係ない。詳細はこちら

②は農業競争力強化支援法のことでしょう。
鈴木教授は散々っぱら育成者権を譲渡という意味合いで使うが、これもよくあるデマ。詳細はこちら

③は種苗法改正のお話ですね。
一般品種(25年以上前からあるのは全てそう)なら何の制限もなく自家採種可能なので、種を買いたくない人は買わなくてもよい。
なんの舵も切っていない。詳細はこちら

山田正彦元農水大臣と同じデマ

「日本のタネを守る会」の質問に対する農水省の回答では、農業競争力強化支援法に基づき都道府県が提供した種苗の知見は42都道府県で計420件(法施行後から令和2年9月末時点までの累計)、農研機構のそれは令和2年度で1,980件となっている。
きましたね、超デタラメ。
鈴木教授は「日本のタネを守る会」の顧問をしています。
そして、同じ顧問である山田正彦元農林水産大臣が同じデマを飛ばしています。

山田氏の方がより直接的な表現をしています。
最近 農業競争力強化支援法8条4項に基づいて、国は農研機構の登録品種を1980種類都道府県は420種類を民間に提供していることを明らかにしました。
鈴木教授・山田氏の言う1980という数は、農業競争力強化支援法に全く関係無く「品種の利用許諾件数」なのです。
農研機構は1980種もの登録品種は保有していないので、提供しようも無い。
パーフェクトデマです。

それは自給率下げる取り組みですが

「地域のタネからつくる循環型食料自給(ローカルフード)法」に加えて、生産者、消費者、関連産業など国民の役割と政府の役割を明記した「食料安全保障推進法」を早急に制定し、数兆円規模の予算措置を発動すべきときではないたろうか。
野菜の種は90%が海外圃場での生産ですが、このローカルフード法で国内生産にしたらどうなるか?
種子生産に必要な面積分の自給率が減りますね。
そんなこともわからない農学教授です。


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