キリンのひづめ、ヒトの指

キリンのひづめ、ヒトの指」を読みました。

面白いと思った点を箇条書きします。

・温暖化で溶存酸素が減ったのでハイギョのような魚が登場した。
 だが、デボン紀になって寒冷化し溶存酸素が増え魚の肺の一つは無くなって、もう一つはウキブクロになった。
・魚のヒレの内、左右で対にあるのは胸ビレ、腹ビレだけ。
 手と足に進化したのはそのヒレ。
・キリンの足に見える部分のほとんどは、かかとより下と膝より下。
 キリンは2本の指(中指と薬指に相当)で爪先立ちしている状態。ひづめは爪と同じ。
・動物の指は5本。キリンの残り3本は退化。
 ヒトのように親指を使って物をつかめる動物は少ない。
 パンダが竹をつかむ時には、6本目・7本目の疑似指(骨が変形したもの)を使っている。
・角には5種類ある。
 サイ:角質・髪・爪と同じケラチンでできている
 シカ:骨
 ウシ:頭蓋骨が一部伸びて突き出た部分にケラチンでできた鞘がかぶさった構造
 キリン:皮膚の中で形成される皮骨
 プロングホーン:牛に近いが鞘の部分が毎年剥がれる
・柔らかい骨の例として「陰茎骨」というのがあるそうだ。
 ヒトにはないがチンパンジー・ゴリラ・イヌ・ネコ・ネズミ・タヌキなどにある。
 著者は骨折が治った痕がある陰茎骨を見たことがあり、折れるそうだ。
 ヒトの「折れる」は比喩的表現だが、イヌなどには実際に「折れる」ことがあるということね。
・キリンは頭が高いところにあるので、血圧も高く200~250くらいとのこと。
・血液は「心臓→全身→心臓」「心臓→肺→心臓」の2つのループを交互に行う。
 その2つのループで1周となるが、これにかかる時間はヒトで20秒、キリンは45秒。
・鵜は陸で羽を広げた姿をよく見かけるが、あれは羽を乾かしているそうだ。
 カワガラスなどは羽が水をはじくようになっているが、鵜の羽根はそうではないから。

キリンのひづめ、ヒトの指: 比べてわかる生き物の進化
郡司芽久
NHK出版
2022/9/28



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