おかしな裁判官が東電役員に13兆円の支払いを命じた
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「東電役員に13兆円の支払いを命ず!」を読みました。
読み始めてすぐに何だこれ?って思ったので以下のツイートをしました。
※善管注意義務違反(通常期待される注意義務)
民法第六百四十四条(受任者の注意義務) 「第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。」
そもそも役員から実際に回収できる金は破産させても100億にはならないでしょう。
そんなもの雀の涙です。
再エネが主電源って、お話になりません。現状の桁が何個も上の大容量充電が安価にできるようにならないと無理です。
経営資源として使える原発を放棄したら、それこそ負債しか残らないので株価は下がるでしょう。
夢想家は怖いね。
なお「対策を先送りする」は著者の勝手な推測に過ぎませんので注意を(後段でこの話が出てくるが、裁判所も疑ってはいるが認定はしていない)。
「議員立法」としか書いていないですが、それは「地震防災対策特別措置法」のことです。
地震調査研究推進本部のことは「第七条(地震調査研究推進本部の設置及び所掌事務)」で規定されています。
長期評価は、オーソライズされたものなので、明確かつ根底を覆すようなものが無い限り従うべきものであると判断できそうです。
ここには書かれていないが、長期評価は「相応の権威ある機関」が作ったものというような言い回しが何度も出てくるのが非常に気になる。
「科学的正しさ」と「権威」は何の関係も無い。「原発安全神話」などの話も著者は書いているが、それも「権威」から生まれたものでしょ?
都合よい時だけに「権威」を持ち出すので、著者の言うことを全面的に支持するつもりにはなれませんね。
二通目の内容の詳細が全く書かれていないので、読者としては何の判断も下せない。
一方的に「自分の意見よりも相手に迎合して・・・」って何さ。死人に口なしですか?
著者は「長期評価」に関して、地震は実際に実験して確認することができないが科学的にコンセンサスのとれたものなので信じるに足るという判断を示していました。
片やトリチウムに関しては、ICRP・WHOなどで問題が無いとコンセンサスが取れたもので、地震と異なり動物実験など簡単にできます。
近代になってからトリチウムを大量に排出した再処理工場・原発付近でトリチウムによる問題は見つかっていません。
「地震」と「トリチウム」では、エビデンスレベルが段違いに違います。
イデオロギーで科学を捻じ曲げていることが良くわかります。
都合の良いものだけ科学的を持ち出すという態度であることが良くわかりました。
片方だけの主張なので疑わしく感じる。さすがに何か少しはしているのでは?
判決要旨が公開されていてその32ページを見ると「その間、一切の津波対策を講じなかったものである。」と東京地裁は認定している。
・判決要旨などへのリンク
・原告が提出した書類など(被告のものは「準備中」で公開されていない)
被告側の主張がわからないので、本当に津波対策を一切しなかったか判断できませんね。
そして、2011年3月30に指示された緊急安全対策も1ヶ月程度で対策できたのだから、福島第一原発で不可能なわけがない。
だから、事故は防げたのだ!という論理です。
おかしなところを指摘しましょう。
1点目。
事故前に「長期評価」に従って対策を実施した原発が、なぜ緊急安全対策で対策すべきことがあったのでしょうか?
「長期評価」に従った対策をしていれば事故を防げた前提でいるのに、なぜ緊急安全対策ですべきことが残っていたのでしょうか?
話しが矛盾しています。
常識的に考えれば、「長期評価」に従った対策では不十分だったって結論になります。
すなわち、事故は防げなかった可能性が想定されるわけです。
2点目。
緊急安全対策は、1ヶ月で炉心損傷・建屋の浸水を防げる状態になったのだから、福島第一原発もその気になればすぐ対策できて、事故を防げたという主張です。
では、その緊急安全対策の中身を見てみましょう。

※緊急安全対策より引用
物理的な対策は黄色にした代替電源の確保だけで、著者の言う「建屋への浸水対策が実施」はされていません。
少なくともこの程度の対策では、水浸しになることは回避できない。
3点目。
判決要旨にも書いてあったが、2年もあれば防潮堤の建設と建屋の水密化ができるから、間に合ったはずだと言っています。
東海第二発電所の対策スケジュールを「主な安全性向上対策工事のスケジュール(概要) | 日本原子力発電株式会社」から引用します。

新安全基準が事故前より厳しくなったとはいえ、完全に原子炉止めている状態でさえ工事着手から5年かかる計画です。
設計・審査などの時間を含めるともっと長くなるでしょう。
2008年にすぐ着手しても3年しかありません。
これら3点から、2008年に対策を着手したのならば事故を防げたとは言い切れないでしょう。
弁護士先生の手にかかると、
「防潮堤を対策の基本とする」=「防潮堤オンリー」
が成り立つそうです。
基本があれば例外もあるし、基本の上に積み上げる細かいものもあるでしょう。
全くお話になりませんね。
最後のまとめをしましょう。
最初に「読んでいくとこの矛盾は解消されるのだろうか?」と書きましたが、まったく解消されませんね。
著者にバイアスがかかりすぎて、彼らの言うことだけをもって判断などできません。
彼らの主張は疑わしいというというのが、この本を読んだ感想です。
東電役員に13兆円の支払いを命ず!: 東電株主代表訴訟判決
河合弘之、海渡雄一、木村結
旬報社
2022/10/27
読み始めてすぐに何だこれ?って思ったので以下のツイートをしました。
この本を読み始めて2分で大いなる矛盾発見。この矛盾が解消されるかどうか見ていきましょう。
善管注意義務違反で訴えたとあるが、事故の説明では「想定を超える津波」と書く。
想定できないものは注意できんよね。
読んでいくとこの矛盾は解消されるのだろうか?
※善管注意義務違反(通常期待される注意義務)
民法第六百四十四条(受任者の注意義務) 「第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。」
そっち系の人達なんですね
「はしがき」の「株主代表訴訟とは」のところに次のことが書かれていました。この訴訟では第1章で述べるとおり、原告は、東電の経営方針の変更、すなわち原発の廃止と主要電源を再生可能エネルギーに転換することを求めて、この訴訟を提起しています。それによって原告 の得る経済的な利益としては、役員等の賠償により会社の損害が回復され、株式の価値が上がるという間接的な利益を得ることは考えられます。また、主要電源を原発から再生可能エネルギーに転換することは、今日の環境問題への社会的な関心の高まりを考えると、市場からは歓迎されるでしょうから、株価が上がるという可能性もあると思われますが。この本は、ロシアのウクライナ侵攻半年後に出されていますが、こんな夢想を未だに抱いているのですね。
そもそも役員から実際に回収できる金は破産させても100億にはならないでしょう。
そんなもの雀の涙です。
再エネが主電源って、お話になりません。現状の桁が何個も上の大容量充電が安価にできるようにならないと無理です。
経営資源として使える原発を放棄したら、それこそ負債しか残らないので株価は下がるでしょう。
夢想家は怖いね。
「長期評価」の信頼性
地震調査研究推進本部、通称「推本」もしくは「地震本部」と言われる文部科学省所管の機関があります。1995年に阪神・淡路大震災が起きたときに、地震学の成果が防災行政や一般市民に伝わっていなかった反省から、議員立法によって作られたものです。2008年にヤバイっていうことを知り得たと言いたいようですね。
・・・
そのなかの重要な仕事の一つが、長期評価の作成、公表です。長期評価とは、「主な活断層で発生する地震や海溝型地震を対象に、地震の規模や一定期間内に地震が発生する確率を予測したもの」(地震本部ホームページ)です。
・・・
福島第一原発事故にもとづく損害賠償請求訴訟において「長期評価」といえば、地震本部が2002年7月31日に発表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」、とくにそのなかでも、三陸沖北部から房総沖の海港寄りの領域では、どこでも、津波マグニチュード8.2前後の津波地震が発生し得るとしている部分を意味することになります。
・・・
2007年12月、東電の土木グループという福島第一・第二原発の津波評価を担当する部署では「長期評価」を取り入れざるを得ないという意見で一致し、2008年1月には子会社の東電設計に委託して、「長期評価」を取り入れた場合の福島第一・第二原発の各津波水位を計算しました。すると、福島第一原発の敷地南側ではO.P.+15.707メートルという水位になり、10メートル盤は全体的に浸水するという結果になりました。土木調査グループは、この水位に対して対策するという方向性を当時の原子力・立地本部の副部長だった被告の武藤栄氏に上申しました。しかし、武藤氏は検討を土木学会に付託し対策を先送りするという決定をしました。
なお「対策を先送りする」は著者の勝手な推測に過ぎませんので注意を(後段でこの話が出てくるが、裁判所も疑ってはいるが認定はしていない)。
「議員立法」としか書いていないですが、それは「地震防災対策特別措置法」のことです。
地震調査研究推進本部のことは「第七条(地震調査研究推進本部の設置及び所掌事務)」で規定されています。
長期評価は、オーソライズされたものなので、明確かつ根底を覆すようなものが無い限り従うべきものであると判断できそうです。
ここには書かれていないが、長期評価は「相応の権威ある機関」が作ったものというような言い回しが何度も出てくるのが非常に気になる。
「科学的正しさ」と「権威」は何の関係も無い。「原発安全神話」などの話も著者は書いているが、それも「権威」から生まれたものでしょ?
都合よい時だけに「権威」を持ち出すので、著者の言うことを全面的に支持するつもりにはなれませんね。
島崎氏らとともに「長期評価」作成に関わった阿部勝征氏は、刑事裁判が始まる前にお亡くなりになっていましたので、刑事裁判では検察官が作成した二通の供述調書が取調べられました。その一通には、自分は「長期評価」にもとづいて対策をすべきだと思っていたので、対策されなかったことは遺憾だと書いてある一方、二通目は「長期評価」の信頼性を貶めるような内容になっていました。東京地裁判決では(二通目の)「検面調書における供述の真意がどこにあるのかも不明であるといわざるを得ない。」(二九二頁)と批判されていますが、自分の意見よりも相手に迎合して話してしまうという、いかにも日本人らしい阿部氏のお人柄がうかがわれます。気に入らん書きっぷりですね。
二通目の内容の詳細が全く書かれていないので、読者としては何の判断も下せない。
一方的に「自分の意見よりも相手に迎合して・・・」って何さ。死人に口なしですか?
「長期評価」に対する態度と正反対ですね
しかし、東京電力が「処理水」と主張する汚染水を海洋放出した場合、環境や人にどのような影響があるのかよくわかっていません。そのような汚染水を海に流してしまって本当に大丈夫なのでしょうか。海と人々の命に危険がないとは言い切れません。また、「処理水」という言葉を使まるで、放射能汚染がない、安全な水だという印象を受けますが、本当にそうなのでしょうか。トリチウムばかりが取り沙汰され、科学的で難しい議論がされていますが、それ以外の放射性物質を議論のテーブルから落としてよいのでしょうか。面白いことを仰りますね。
著者は「長期評価」に関して、地震は実際に実験して確認することができないが科学的にコンセンサスのとれたものなので信じるに足るという判断を示していました。
片やトリチウムに関しては、ICRP・WHOなどで問題が無いとコンセンサスが取れたもので、地震と異なり動物実験など簡単にできます。
近代になってからトリチウムを大量に排出した再処理工場・原発付近でトリチウムによる問題は見つかっていません。
「地震」と「トリチウム」では、エビデンスレベルが段違いに違います。
イデオロギーで科学を捻じ曲げていることが良くわかります。
都合の良いものだけ科学的を持ち出すという態度であることが良くわかりました。
結局のところ、東電役員に13兆円請求すだけの過失があったのか?
そして、被告武藤氏が、二〇〇八年六月、七月に津波対策の実施を進言した東電の土木グループの提案を退け、津波の評価を土木学会に依頼し(武藤決定)、その評価がまとまるまでの数年間の間、何の対策も講じなかった(本件不作為)ことについて、前者については対策の先送りの疑いはあるが、かろうじて合理性を肯定できるとしても、後者の不作為については、その間、福島第一原発がウェットサイトに陥っている以上、何らの津波対策に着手することなく放置する本件不作為の判断は、相応の科学的信頼性を有する長期評価の見解および明治三陸試計算結果を踏まえた津波への安全対策を何ら行わず、津波対策の先送りをしたものと評価すべきであり、著しく不合理であって許されるものではないと判断しています。このように書かれているが、赤字の部分本当に何もしなかったのだろうか?
片方だけの主張なので疑わしく感じる。さすがに何か少しはしているのでは?
判決要旨が公開されていてその32ページを見ると「その間、一切の津波対策を講じなかったものである。」と東京地裁は認定している。
・判決要旨などへのリンク
・原告が提出した書類など(被告のものは「準備中」で公開されていない)
被告側の主張がわからないので、本当に津波対策を一切しなかったか判断できませんね。
津波が来ても電源設備が使えるようにしておくための対策や、電源設備がやられても原子炉等の冷却ができるようにしておくための対策は、福島第一原発事故の直後から、日本のほぼすべての原発で行われています。ここではないが、「長期評価」に従って他の原発が対応したのだから、「長期評価」は正しいのだという意味合いのことが書かれていました。
原子力安全・保安院は、まだ福島第一原子力発電所の事故の詳細が明らかとはいえない2011年3月30日、すべての原子力事業者に対し、緊急安全対策を講じることを指示しました。そして、津波で被災した女川などを除く日本のすべての原発で、おおむね一か月程度で、津波により全電源喪失になっても炉心損傷等を防止するための対策や、建屋への浸水対策が実施されていることを確認しました。さらに中長期的には、より強化された水密化や防潮堤の建設などを計画することも指示し、実際にその計画が立てられていることを確認しました。それで、津波に対する安全性は確保されたということで、本件事故後もしばらくは多くの原発が稼働していたのです。
そして、2011年3月30に指示された緊急安全対策も1ヶ月程度で対策できたのだから、福島第一原発で不可能なわけがない。
だから、事故は防げたのだ!という論理です。
おかしなところを指摘しましょう。
1点目。
事故前に「長期評価」に従って対策を実施した原発が、なぜ緊急安全対策で対策すべきことがあったのでしょうか?
「長期評価」に従った対策をしていれば事故を防げた前提でいるのに、なぜ緊急安全対策ですべきことが残っていたのでしょうか?
話しが矛盾しています。
常識的に考えれば、「長期評価」に従った対策では不十分だったって結論になります。
すなわち、事故は防げなかった可能性が想定されるわけです。
2点目。
緊急安全対策は、1ヶ月で炉心損傷・建屋の浸水を防げる状態になったのだから、福島第一原発もその気になればすぐ対策できて、事故を防げたという主張です。
では、その緊急安全対策の中身を見てみましょう。

※緊急安全対策より引用
物理的な対策は黄色にした代替電源の確保だけで、著者の言う「建屋への浸水対策が実施」はされていません。
少なくともこの程度の対策では、水浸しになることは回避できない。
3点目。
判決要旨にも書いてあったが、2年もあれば防潮堤の建設と建屋の水密化ができるから、間に合ったはずだと言っています。
東海第二発電所の対策スケジュールを「主な安全性向上対策工事のスケジュール(概要) | 日本原子力発電株式会社」から引用します。

新安全基準が事故前より厳しくなったとはいえ、完全に原子炉止めている状態でさえ工事着手から5年かかる計画です。
設計・審査などの時間を含めるともっと長くなるでしょう。
2008年にすぐ着手しても3年しかありません。
これら3点から、2008年に対策を着手したのならば事故を防げたとは言い切れないでしょう。
弁護士は日本語読解能力が低い職業なの?
「最高裁判決の誤り」というサブタイトルをつけて次のように書いています。2022年6月17日、最高裁は、福島第一原発事故について国の国家損害賠償責任を否定する判決を出しました。この判決では、「本件事故以前の我が国における原子炉施設の津波対策は、安全設備等が設置されている原子炉施設の敷地を想定される津波の水位より高い場所とすること等によって上記敷地が浸水することを防ぐという考え方を基本とするものであり、津波により上記敷地が浸水することが想定される場合には、防潮堤、防波堤等の構造物を設置することにより上記敷地への海水の浸入を防止することが対策の基本とされる」として、防潮堤と併せて水密化による津波対策が実施された蓋然性があるとした原判決の判断を否定しました。この最高裁の「防潮堤オンリー」の考え方は、完全に誤りです。大丈夫か?
弁護士先生の手にかかると、
「防潮堤を対策の基本とする」=「防潮堤オンリー」
が成り立つそうです。
基本があれば例外もあるし、基本の上に積み上げる細かいものもあるでしょう。
全くお話になりませんね。
最後のまとめをしましょう。
最初に「読んでいくとこの矛盾は解消されるのだろうか?」と書きましたが、まったく解消されませんね。
著者にバイアスがかかりすぎて、彼らの言うことだけをもって判断などできません。
彼らの主張は疑わしいというというのが、この本を読んだ感想です。
東電役員に13兆円の支払いを命ず!: 東電株主代表訴訟判決河合弘之、海渡雄一、木村結
旬報社
2022/10/27
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