原発デマはいらない

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原発はいらない」を読みました。

この本は、小出裕章元京都大学原子炉実験所助教が出したものです。

嘘をつくな

当時は、1966年に東海村(茨城県)の東海1号炉、70年には敦賀原発・美浜原発(2つとも福井県)が動き出すなど、「原子力の時代」がはじまりつつある時代でもありました。
・・・
当時は原発が危険だという考えを、誰も持っていませんでした。
これは19ページ序章の記述ですが、嘘八百ですね。

以下は、1966年の電氣學會雜誌からの引用ですが、原発の危険性は認識されています。
原子力発電の安全の問題には、原子力発電所の平常運転時および事故時の問題の二種がある。前者においては設計および運転上の基準が与えられており、若干の経済上の問題はあっても解決可能の問題である。しかし、事故時の問題については、潜在する危険性が大きいにもかかわらず、現在の段階では事故の実態が明らかでないので、理念のうえで安全性の問題が論じられている。
発電用原子炉の炉心には通常数億キュリーの放射能が包蔵されているが、これが事故時燃料溶融から発電所外部に放散されればきわめて大きな災害を生じる可能性があるから、このような不詳事の発生は極力抑制されなければならない。
原子力発電所の設計上の安全性は、第三者の公正な安全審査を受ける必要があるというのが世界各国の一般的な考え方であり、これは火力発電の場合と全く類を異にするものである。

この人の「安全」は聞く値しない

反対する人たちの意見は、実に単純明快でした。
「原発が安全というなら、なぜ仙台に作らないのか!」
これに対し、私は答えを探し求めました。そして、今から思えば余りに当然なことですが、その答えは、「原発は都会では引き受けられないリスクを持っている」というものでした。
答えが出た以上、私はもう原発を認めるわけにはいきません。
お話にならないですね。
この世の中にリスクが無いものは存在しないでしょう。
リスクはある程度低減できるが、対策すればするほどリスク低減のコストは上昇していき、結局はリスクゼロにはできない。
リスク・経済性・それから得るメリットを天秤にかけて「安全」であるか決めるのです。
小出氏は「安全」を語る土台に立っていないので、お話になりません。

電車・車・飛行機も、もちろん「危険」があり、どの程度以上の状態であれば「安全」でないと決めているに過ぎない。
車検を通していないのなら「危険である」「安全でない」と言うし、その逆であれば「危険でない」「安全である」というが、車検を通した車でタイヤが外れるなどの事故が起きないわけではない。

この「安全感」の持主の言うことは聞くに値しません。

「あとがき」に次のことが書かれていました。
今回の福島第一原発事故が事実として示したように、「安全な原発などはなく、安全性を確認できるようなことは金輪際ない」のです。
小出氏のいう「安全」がデタラメなので、そういう結論に至るのは必然ですね。

何を根拠にそう言うのですか?

大学として基礎的な学問をする場で、私のように原発反対の研究者もいます。東大には反原発の現役研究者はいませんから、このあたりは京大の学風、気質なのかもしれないと思います、
こんなのばっかですわ。何の根拠もなく断定しています。
「東大には反原発を公言している現役研究者はいません」「東大には反原発の現役研究者はいないと思います」ならば、まだわからないでもない。

「東大には反原発の現役研究者はいません」と言い切るには、東大の現役研究者全員に反原発かどうかのアンケートなどをとって、全員の回答があった上で「反原発ではない」であった事実が必要でしょう。
回答が無い場合は、どちらとも判断できないので「いない」とは言えないですし。

己の発言に責任を持っていないことが良くわかりますわ。

呼吸をするように噓をつく

六ヶ所再処理工場では年800トンを処理する計画ですが、試運転中に工場から大気と海に放出された放射性物質の汚染はすでに深刻な状態にあり、しかもその汚染は、隣接する岩手県内部や三陸海岸にも広がっています。
お前は何を言っているんだレベルの嘘ですね。

大型再処理施設から出る主な放射性物質
※「- 成果報告会 - 排出放射性物質影響調査について」にある「放射性物質の環境中での動きについて」より引用

追加線量は 1mSv/年 以内に抑えましょうという ICRP 勧告がありますが、フル操業した状態でも 0.022mSv/年 しか見込んでいない。
C14,Kr85,H3,I129,I131 は全てβ崩壊核種なので、気にすべきは内部被曝となります。

青森県での内部被曝は次のようになっています。
年間内部被曝線量(青森県)
※2006~2010年に青森県で調査した「青森県民の食物含有天然放射性物質からの内部被ばくについて」より引用

六ヶ所の再処理工場から排出される核種の影響はカスであることが分かりますね。
なにが「試運転中に工場から大気と海に放出された放射性物質の汚染はすでに深刻な状態にあり」だ。ふざけるな!

ちなみに2006年以降の排出量は以下から確認できます。C14,Kr85,H3,I129,I131を普通に排出しています。
[公開資料] 安全協定に基づく定期報告書 - 2006年度 | 事業情報 > 品質保証活動・公開情報等 - 日本原燃株式会社

死の灰をガラス固化体にする技術の確率もできておらず、2012年稼働はさらに延期されるでしょう。
上記の定期報告書に、「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」のものも含まれ、ガラス固化体を受け入れていますが、何を言っているのでしょうね?

こんなデタラメ言う人の何を信じられるのでしょうか?

さらに4月に入り、東京電力が公表するヨウ素の濃度が8日という半減期にもかかわらず、事故から3週間以上たっても減らないどころか、逆に増加していることも気になりました。
この記述だけでこの人物が嘘つきだとわかりますね。

東電のプレスリリース2011年3月分4月分から放射性ヨウ素131の濃度のグラフを作りました(訂正はありましたが、測定値の訂正は無し)。
「福島第一原子力発電所敷地内における空気中の放射性物質の核種分析の結果について」というプレスリリースから抽出しています。
福島第一原発事故後の放射性ヨウ素131(半減期8日)濃度

ちなみに、グラフが凸凹になっていますが、当たり前です。もし、これを問題にしているのならば、お前はアホか?ってことになります。
制御された環境ではないので、風向き・天気で測定値がぶれるのは当たり前で、傾向としてどうなっているかを見なければダメです。

不都合な事実は言及したくない?

当然、燃やしただけの死の灰が出るのですが、それを「無」にする方法を残念ながら持っていません。おそらく未来永劫、見つからないのではないかと私は思います。
まだまだ先の話ですが、核融合であれば「死の灰」は出ません。
現状の核分裂を利用した原子力発電で出る「死の灰」を核変換により無害化する技術を開発中です。
詳細は「加速器駆動核変換システム(ADS)」参照のこと。

そもそも、今、原発を止めたところで放射性廃棄物は無くならないのです。
核変換は原子炉が無いとできないですし、プルサーマルでプルトニウムを減らすにも原発が動かないことにはどうにもならない。
これらの不都合な事実を一切合切無視していますね。

不都合な事実は言及したくない?その2

プルサーマルの話です。
原発の燃料であるウランとプルトニウムは、どちらも危険な核物質ですが、性質は異なります。プルトニウムの特徴はウランの二〇万倍も毒性が強いこと、そして、「核分裂面積が大きい(核分裂しやすい)こと」です。今度の福島第一原発事故でも、核分裂を止めるために制御棒を入れましたが、核分裂がしやすいプルトニウムでは、この制御棒の効果が弱まります。つまり、核分裂を停止させることがウランより難しく、それだけ破局的事故の確率も高くなるわけです。
危険を煽ることしかしませんね。まあ、反原発に凝り固まっているので仕方ないのでしょうけど。

従来通りの原発ではプルサーマルを実施する際は、再処理したMOX燃料を1/3までしか使いません。

国・電力会社も馬鹿ではありません。小出氏が言うことなんて百も承知で対策しています。
プルサーマルの安全性(九州電力)
※「九州電力 プルサーマル計画」の「当社プルサーマル計画についての説明資料」より引用
 このページのQ&Aに小出氏の言う所の危険性に対する答えが書かれています。

普通の軽水炉でも発電中に生成されたプルトニウムが発電に十分に寄与していてる事実はこの本には書かれていないません。
なお、フルMOX燃料を使える新しいタイプの原子炉では燃料棒の間が少し広げたり、制御棒を増やしたりする対応をしています。
プルサーマルの安全性」に詳しく書かれています。

「プルトニウムの特徴はウランの二〇万倍も毒性が強い」かぁ。
煽りますね。
こちらに書きましたが、気を付けるべきは、プルトニウムが微粒子として排出されたものを吸引する時だけ。
皮膚についても問題ないし、口から入れてもほとんどそのまま出ていくし、一度地表に落ちると吸着して再度飛び散らない。
そして、「環境における放射性核種の分布と動態」によると、農作物にも吸収されない。
呼吸→肺→骨という流れて肺・骨に来た時に問題が有る。
U235の半減期が 7.04×108年 であるのに対し、Pu239 が 2.4×104年 で、崩壊スピードが相対的に速いことを理由に煽っているだけなのですよ。

原発はいらない
小出裕章
幻冬舎ルネッサンス
2011/7/16


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