食を壊したい!① ネタ元は著明なあの人?
「ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?」(堤未果)を読みました。
過去記事はタグを参照のこと。
「はじめに」にツッコみます。
温暖化によって耕作地が全滅したことにより人口が4000万人に増えたように読めますね。
人口増加→温暖化・環境破壊→耕作地が全滅
という流れじゃないですか?
ソイレント・グリーンでは堤氏が書いたような説明をしているのでしょうかね?
英語版Wikipediaを見てもそんな説明はありませんでしたけどね。
「研究室で人工的に作られた高タンパク食品」ねぇ。
研究室で4000万人近い人口を養うものを作ることができると思っているからこんな書きっぷりしているのでしょう。
常識的に研究室では作られないよね。
「工場で人工的に作られた高タンパク食品」じゃないですか?
しかも「高タンパク食品」という説明は間違っています。
「Soylent Green Script - transcript from the screenplay and/or Charlton Heston movie」によると次のようになっている。
創作物の解説でも無知っぷりを遺憾なく発揮する国際ジャーナリスト様すごい!
①②は正しいのだが、それ以降がデタラメです。
①でグレートリセットが2021年の年次総会のテーマになると発表
②で年次総会の説明をする
ときたら、③は2021年の年次総会の話だと思いますよね(①の話を続けるのならば、②の説明をする必要がない)。
ですが、現実は、
2021年の年次総会はコロナのために中止 となり、
2022年総会はオンラインではなく対面会議 なのです。
Wikipedia によると、ルポとは「 取材記者、ジャーナリスト等が、自ら現地に赴いて取材した内容を放送・新聞・雑誌などの各種メディアでニュースとして報告すること」なのですよね。
存在しない会議のことを本に書く自称国際ジャーナリストは素晴らしいですね。
まあ、それは良いとして、その後に書かれているとデマです。
「グレートリセット」と「EAT」を関連付けて書いているが、全く関係ないのです。
WEFのグレートリセットのページ(日本語サイト)に「EAT」のことは書かれていないし、WEFのサイトで検索しても見つからない。
「EAT」のサイトで、「グレートリセット」を検索しても何も出てこない。
2020年6月の発表時の記事を見ると、内容が全く違うのですよね。
一部、日本語訳して引用します。
堤氏が書いているネタはどこから来たか調べると、食に関して陰謀論・デマを流しているロバート・F・ケネディ・ジュニアでした。
ということで読む価値ありません。
ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?
堤未果
文藝春秋
2022/12/16
過去記事はタグを参照のこと。
「はじめに」にツッコみます。
無知っぷりを遺憾なく発揮
1973年に公開された、リチャード・フライシャー監督の米映画『ソイレント・グリーン』を観たことがあるだろうか?創作物の話なので、現実社会とあっている必要はないのだが、おかしな解説ですね。
舞台は2022年のニューヨーク。
温暖化による環境破壊で耕作地が全滅、人口が4000万人に激増し、深刻な食料不足の中、人々はホームレスとなっていた。
経済は完全にコントロールされ、一握りの特権階級以外の人間は、研究室で人工的に作られた高タンパク食品「ソイレント・グリーン」の配給で生き延びている。
温暖化によって耕作地が全滅したことにより人口が4000万人に増えたように読めますね。
人口増加→温暖化・環境破壊→耕作地が全滅
という流れじゃないですか?
ソイレント・グリーンでは堤氏が書いたような説明をしているのでしょうかね?
英語版Wikipediaを見てもそんな説明はありませんでしたけどね。
「研究室で人工的に作られた高タンパク食品」ねぇ。
研究室で4000万人近い人口を養うものを作ることができると思っているからこんな書きっぷりしているのでしょう。
常識的に研究室では作られないよね。
「工場で人工的に作られた高タンパク食品」じゃないですか?
しかも「高タンパク食品」という説明は間違っています。
「Soylent Green Script - transcript from the screenplay and/or Charlton Heston movie」によると次のようになっている。
Soylent Red and Soylent Yellow...高タンパク食品ではなく高エネルギー食品ですね。
... high-energy vegetable concentrates...
... and new, delicious Soylent Green...
... the miracle food of high-energy plankton gathered from the oceans of the world.
創作物の解説でも無知っぷりを遺憾なく発揮する国際ジャーナリスト様すごい!
存在しない会議の話を書く
①2020年6月。①~③の番号は分かり易くするために追加しました。
オンラインで開かれた世界経済フォーラム(WEF)で、クラウス・シュワブ会長とイギリスのチャールズ皇太子(当時)は、2021年の年次総会のテーマとして、全ての人の運命を変える、ある計画を発表した。
<グレートリセット〉だ。
②年に一回開かれるWEF年次総会では、世界中から招待された、億万長者と有力者たちが、今後世界を引っ張ってゆく方向性と戦略を話し合う。
③オンライン会議の内容は、深刻だった。
新型コロナウィルスに気候変動、人口は増え続け、森も水も大気も動物たちも虫の息、化石燃料は枯渇し、増え続ける人口を養うための食料生産はとても追いつかず、もはや地球は限界だ。
今こそ全てを壊してガラガラポン、新しい仕組みを作らねばならない。
食システムをリセットするための組織「EAT」を基に、米国、EU、アジア、南米、アフリカ、オーストラリアなど、世界各地をつないだ、新しい食システムの大計画が進められてゆく。
資金協力で顔を並べるのはマイクロソフト創業者のビル・ゲイツに、穀物のカーギル、種子のシンジェンタ、畜産のタイソンに、化学のバイエルにユニリーバ、ワクチン大手のグラクソ・スミスクライン、流通のアマゾン、そしてテクノロジー最大手のグーグルだ。
2021年2月に、著書『地球の未来のため僕が決断したこと』を出したビル・ゲイツによると、解決策は私たち人間が肉食をやめることと、AIが制御するデジタル農業だという。
①②は正しいのだが、それ以降がデタラメです。
①でグレートリセットが2021年の年次総会のテーマになると発表
②で年次総会の説明をする
ときたら、③は2021年の年次総会の話だと思いますよね(①の話を続けるのならば、②の説明をする必要がない)。
ですが、現実は、
2021年の年次総会はコロナのために中止 となり、
2022年総会はオンラインではなく対面会議 なのです。
Wikipedia によると、ルポとは「 取材記者、ジャーナリスト等が、自ら現地に赴いて取材した内容を放送・新聞・雑誌などの各種メディアでニュースとして報告すること」なのですよね。
存在しない会議のことを本に書く自称国際ジャーナリストは素晴らしいですね。
まあ、それは良いとして、その後に書かれているとデマです。
「グレートリセット」と「EAT」を関連付けて書いているが、全く関係ないのです。
WEFのグレートリセットのページ(日本語サイト)に「EAT」のことは書かれていないし、WEFのサイトで検索しても見つからない。
「EAT」のサイトで、「グレートリセット」を検索しても何も出てこない。
2020年6月の発表時の記事を見ると、内容が全く違うのですよね。
一部、日本語訳して引用します。
グレート・リセットは、3つの主要な要素からなる。
第一は、市場をより公正な結果に導くことである。この目的のために、政府は(例えば、税制、規制、財政政策における)調整を改善し、貿易協定を改善し、「ステークホルダー経済」のための条件を作成する必要があります。課税基盤が縮小し、公的債務が急増している現在、政府にはこのような行動を取る強力なインセンティブがある。
・・・
グレートリセットアジェンダの第二の構成要素は、投資が平等や持続可能性といった共通の目標を促進することを保証することです。ここで、多くの政府が実施している大規模な支出プログラムは、進歩のための大きなチャンスとなる。
・・・
グレートリセットアジェンダの第三と最後の優先事項は、第四次産業革命のイノベーションを活用し、特に健康や社会の課題に取り組むことで、公共の利益を支援することです。COVID-19の危機に際しては、企業や大学などが力を合わせて診断薬や治療薬、ワクチンの開発、検査センターの設立、感染経路の追跡、遠隔医療の提供などに取り組みました。
堤氏が書いているネタはどこから来たか調べると、食に関して陰謀論・デマを流しているロバート・F・ケネディ・ジュニアでした。
ということで読む価値ありません。
ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?
堤未果
文藝春秋
2022/12/16
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