食を壊したい! 番外編
「ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?」(堤未果)を読みました。
過去記事はタグを参照のこと。
土の専門家であり「土 地球最後のナゾ」の著者、藤井一至さんが、この本についてのコメントを求められて読んだそうです。
その時のメモ書きが Twitter で公開されています。
このメモ書きにあって、私がツッコミできていなく、分かり易い指摘をピックアップしていきたいと思います。
※「(藤井)」とある引用は、藤井さんのメモからの引用で、「(堤)」は、"ルポ 食が壊れる"からの引用している部分になります。
国ではないな。
「小規模農家が・・・」というのを農業デマ屋からよく聞きますが、最新の知見で否定されているのですね。
藤井さんの書いているリンク先を見ると衝撃的ですね。
以下の図を見ると「農地の24%、32%の食料を生産」となりますね。
※上記の「Smallholders produce one-third of the world’s food, less than half of what many headlines claim」より引用
84%のことを指すのか、はたまた別の事象をあらわす数字なのかはわかりませんが、どちらにしても理解不能ですね。
大学の教養の授業で、サンゴが炭酸カルシウムとして固定化していて、それが最も寄与すると言っていました。
最新の知見で変わったのか?とデマ屋に危うく騙されるところだった。
言葉がぶれている時点で、校正後(校正をしているかどうか知らないが)のものとしては失格ですわ。
Wikipedia によるとイネは、植物界/被子植物/単子葉類/イネ目/イネ科/イネ亜科/イネ属/イネ種 であり、新種ということは、イネ族の別の種を作り出すということですね。
ちなみに、日本で育てられているジャポニカ種は、種の下の亜種とのこと。
FAOの情報は、最新の知見で否定されているので、結果としてそれを引用する堤氏も間違っているということ。
※堤氏よりもヒドイ内容を書く東大農学教授はもっとダメってことですわ
まあ、デマ屋は最新の知見で否定された事柄でも、いつもまでも言い続けるからな。
藤井さんは最後に総評として「思想・哲学の本であると思いますし、必ずしもすべて科学に基づく必要はないと思います」と書いています。
お優しいですね。
だが、堤氏は「はじめに」に次のように書いている。
「事実」と言っているので、それは客観的であり、科学的である必要があります。
単に未来の選択肢を提示するだけならば「思想・哲学の本」と言っても良いでしょうが。
「思想・哲学の本」
ではなく
「デマをもって個人的利益を得るための本」
だと思います。
ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?
堤未果
文藝春秋
2022/12/16
過去記事はタグを参照のこと。
土の専門家であり「土 地球最後のナゾ」の著者、藤井一至さんが、この本についてのコメントを求められて読んだそうです。
その時のメモ書きが Twitter で公開されています。
後半についても著者や登場人物に失礼のない範囲で私のメモを残します。これが正しい、これ以外が正しいという話ではありません。2時間で目についたもののみ。
— 藤井一至 (@VirtualSoil) January 13, 2023
コメントを求められたので読みましたが、千円払って校閲ボランティアをした結果に。校閲業始めようかな。。。 pic.twitter.com/gUFWWcRDqH
このメモ書きにあって、私がツッコミできていなく、分かり易い指摘をピックアップしていきたいと思います。
※「(藤井)」とある引用は、藤井さんのメモからの引用で、「(堤)」は、"ルポ 食が壊れる"からの引用している部分になります。
(藤井)P105 「アフリカは・・食糧輸出大国」 ⇒ アフリカは国ではなく、大陸です。ここに出てくる数字にツッコみましたが、この件はすっ飛ばしました。
国ではないな。
(堤)今、世界全体の農地の84%を、わずか2ヘクタール未満の小規模農家が耕し、私たちの食料の大半を作っている。所有する農地の合計が、たった12%しかない彼らこそが、〈飢餓人口〉の正体なのだ。
(藤井)P107 小規模農家(<2ha)は世界全体の農地の84%、食料の大半を作っている ⇒ 農地の24%、32%の食料を生産というのが最新の知見です。これは面白いことを知りました。
https://ourworldindata.org/smallholder-food-production
「小規模農家が・・・」というのを農業デマ屋からよく聞きますが、最新の知見で否定されているのですね。
藤井さんの書いているリンク先を見ると衝撃的ですね。
国連食糧農業機関 (FAO) は、過去に世界が小規模農家に依存していることについて誤った主張をしてきました。・・・これはゾンビ統計になりました。それを裏付ける証拠がないにもかかわらず、他の多くの組織によって繰り返されてきた統計です。うわぁ。国際機関がエビデンスにもとづかないことを公表していたんだ。
以下の図を見ると「農地の24%、32%の食料を生産」となりますね。
※上記の「Smallholders produce one-third of the world’s food, less than half of what many headlines claim」より引用
(藤井)P107 所有する農地の合計がたった12%の彼らこそが ⇒ 上では84%とされていました。唐突に12%という数字が出てきましたね。
84%のことを指すのか、はたまた別の事象をあらわす数字なのかはわかりませんが、どちらにしても理解不能ですね。
(藤井)P163 地球上でもっとも大きな炭素吸収装置でもある土壌の力 ⇒ 地球上でもっとも大きな炭素吸収装置は海洋です。やっぱりそうですよね。
大学の教養の授業で、サンゴが炭酸カルシウムとして固定化していて、それが最も寄与すると言っていました。
最新の知見で変わったのか?とデマ屋に危うく騙されるところだった。
(藤井)P170 新種の穀物 ⇒ 新品種の穀物
(堤)そこでロックフェラー財団の植物学者ノーマン・ボーローグ博士が、痩せてスカスカになった農地を、新種の穀物と化学肥料で、魔法のように復活させる手法を開発する。<緑の革命〉だ。校閲の問題もありますが、そもそも校正ができていない。
品種改良によって、太い茎にたくさんの穂をつけて数倍の収量をもたらす画期的なこの新品種小麦は、最初にメキシコ、次にフィリピン、60年代半ばに国家規模の飢餓に見舞われたインド、その隣のパキスタンと、次々に導入されてゆく。
言葉がぶれている時点で、校正後(校正をしているかどうか知らないが)のものとしては失格ですわ。
(藤井)P194 新種のイネ ⇒ 新品種のイネ 新種の定義をご確認ください。「新種」というよりは「種」の定義を確認しろボケ!ってことですね。
Wikipedia によるとイネは、植物界/被子植物/単子葉類/イネ目/イネ科/イネ亜科/イネ属/イネ種 であり、新種ということは、イネ族の別の種を作り出すということですね。
ちなみに、日本で育てられているジャポニカ種は、種の下の亜種とのこと。
(藤井)P173 今のままではあと半世紀超のうちに・・・地球上の土は全て使えなくなる ⇒ 「2050年までに90%の土が劣化する」は土壌劣化速度の過大評価だったことがすでに分かっています。私は、FAOの書いている内容と堤氏のものが違っていると指摘をしたが、さすがプロですな。
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/aba2fd/meta
FAOの情報は、最新の知見で否定されているので、結果としてそれを引用する堤氏も間違っているということ。
※堤氏よりもヒドイ内容を書く東大農学教授はもっとダメってことですわ
まあ、デマ屋は最新の知見で否定された事柄でも、いつもまでも言い続けるからな。
藤井さんは最後に総評として「思想・哲学の本であると思いますし、必ずしもすべて科学に基づく必要はないと思います」と書いています。
お優しいですね。
だが、堤氏は「はじめに」に次のように書いている。
本書の目的は、個別のフードテックやスマート農業の是非や、安全性の仔細を論じることではない。「拾い集めた事実から、未来の選択肢を提示するのが本書の目的」だと言っている。
・・・
歴史を紐解き、事実を丹念に拾い集め、各国の現場にいる人々の証言と共に、読者が未来を考え、選び取るためのツールを差し出してゆく。
「事実」と言っているので、それは客観的であり、科学的である必要があります。
単に未来の選択肢を提示するだけならば「思想・哲学の本」と言っても良いでしょうが。
「思想・哲学の本」
ではなく
「デマをもって個人的利益を得るための本」
だと思います。
ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?
堤未果
文藝春秋
2022/12/16
この記事へのコメント