あなたの隣の放射能扇動者① のっけから煽るね~

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あなたの隣の放射能汚染ゴミ」(まさのあつこ)を読みました。

1回目は「はじめに」に対するツッコミです。

放射能汚染ゴミ

本書では、原発事故により各地に飛散した放射性物質が、地面や森林、河川や建物などを汚染し、廃棄物となったものを「放射能汚染ゴミ」と総称し、そのゆくえを追う。
ふむふむ。本書での定義はそうなのですね。了解!

のっけから煽るね~

それでも、自分の住む街には放射能は飛んでこなかったから大丈夫だと思っている人もいるだろう。しかし、福島県から遠く離れたところに住んでいたとしても、放射能汚染ゴミがすぐ隣にやってくる可能性が現実に近付いている。
それは、環境省が2016年6月30日に示した方針にある。原発事故後の除染で出た汚染土について、8000ベクレル/キログラム以下の放射性セシウムが含まれた放射能汚染ゴミを全国の公共事業で利用できるというものだ。これは、日本のどこに住んでいようとも、多くの国民に被ばくリスクを強いるものであり、誰しもが、この放射能汚染ゴミ問題に向き合わざるを得なくなる。
・・・
公共事業では、「遮蔽および飛散・流出の防止」を行った上で、道路や防潮堤などの構造基盤に汚染土を使えるとしているが、果たして、きちんと飛散や流出の防止を行えるのだろうか。再び「想定外」の津波が来たとしても、流出しないという保証はあるのか。それを知るために、現在の放射能汚染ゴミの処理や保管状況、監視体制を取材した。これらでさえも不備があるようでは、数十年にもわたって存在し続ける道路や防潮堤に放射能汚染ゴミを使うことは、とても恐ろしくてできないはずだ。
これを読んだだけで、この後を読む気が失せてきましたね。

バカバカしいが、「想定外」の津波とやらが来て 8000 Bq/kg がそのまま表に出てきた場合を考えてみましょう。

放射性セシウム移行単純化モデル
※「食品中の放射性物質の新たな基準値について」より引用
 青森県の「- 調査の報告 - 排出放射性物質影響調査について」を見ると、上の単純モデルは実態とかけ離れているわけではないようだ

超単純化した上記のモデル(もっと複雑なのは例えば「土壌-植物系における放射性セシウムの挙動とその変動要因」参照)で最も人に影響するのは牛乳なので、それを見ましょう。
30 Bq/kg × 8000/1000 = 240 Bq/kg

牛乳の基準値を見てみましょう。
食品中の放射性物質に関する指標等(Bq/kg)
※「食品中の放射性物質 | 消費者庁」にある「食品と放射能Q&A(第16版)」より引用

日本の基準値は、食品の50%が汚染されているというあり得ないものになっています。
EUと同じ10%だとしても、牛乳・乳児用食品の基準値は 250 Bq/kg で EU の 400 Bq/kg よりも厳しい値設に定されています。
240 Bq/kg ならば、何の問題もないですね。

あり得ない前提を置いて計算しましたが、どうっていう話ではないのです。
現実は以下なので、もっとカスみたいな被曝量でしょう。

・上限の 8000 Bq/kg ではなく、平均としてはもっと低いはず。
 「南相馬市東部仮置場における再生利用実証事業」では、平均 771Bq/kg だった。
・表に出てくるにしても、除染土以外と混ざって濃度は減る
・Cs137の半減期は30年なので、「数十年後」(数十といったら、二十以上でしょう)には元より減っている。
 流出したのが20年後だと約60%に減っている(「放射性元素の半減期 - 高精度計算サイト」にて算出)。
・「防潮堤」に使われたとすると、すぐ近くで酪農はやっていないし、酪農やっているところまで流出するとしたら、かなり希釈されている

そもそも、『再び「想定外」の津波が来た』時に気にすべきは、除染土ではない。
津波に飲まれて死なないかどうかだ。
巨大隕石が、地層処分(地下数百メートル)した高レベル放射性廃棄物の近くに落ちたら深刻だ」と言っていた人と同レベルのアホさです。
巨大隕石が落ちたら人類絶滅するので、そんなリスクを考えるだけ無駄。

このことから、この本は盛大に煽っているだけだということが「はじめに」を読んだだけで理解できる。

あなたの隣の放射能汚染ゴミ
まさのあつこ
集英社
2017/2/17

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