文藝春秋2023年4月号 日本の食が危ない! 鈴木宣弘
文藝春秋2023年4月号の緊急特集「ウクライナ戦争でさらに深刻化 日本の食が危ない!」の東京大学農学部鈴木宣弘教授のパートを読んだのでツッコみます。
(鈴木教授パートには、過去の沢山のデマ・デタラメ・間違いが含まれます。
全てをここでは書ききれないので、触れていない分はタグを見てください。)
白い目で見られること確実です。
実情を見ていきましょう。
農林水産省の「稲、麦類及び大豆の種子について」で「稲、麦、大豆の種子をめぐる状況」という面白い資料を発見したので引用します。
種子法廃止は2017年(平成29年)ですが、種子更新率が上昇していますね。
種子更新率は、タネを自分で育てず買ってくる割合です。
平成22年のコメ生産量は824万トン、令和2年は723万トンで、約12%減っていますが(「米をめぐる関係資料」より)、種子生産量の減少・種子更新率の上昇と矛盾しない傾向ですね。
種子法が廃止されていますが、都道府県の予算は横ばいか微増となっています。
稲の種は100%国産ですね。
鈴木教授の主張に従うと、
海外種子メジャーの進出により、都道府県の種子生産が減り、海外からの輸入が増えるはずですが、全くそのような状況ではありません。
おかしいな~。
「不検出」=「0%」だと理解しているのですね。恥ずかしいですね。
どの程度だと「不検出」になるか調べると「2023年4月施行まであと半年 遺伝子組換え食品表示制度改正で何がどう変わる? - 食品×ITナビ」に答えが載っていました。
ΔΔCq法については、以下参照。
・新たな食品表示基準に対応した遺伝子組換えダイズ混入の判定に係る公定検査法 | 農研機構
・安全性審査済みの遺伝子組換え食品の検査方法
鈴木教授が参考にしたと思われる「The World of Organic Agriculture 2020(主に2018年のデータ)」を見ると、鈴木教授の示す数字がデタラメであることを理解できます。
まず2020年と書かれていますが、発表されたのが2020年であり、実際は2018年のデータです。
次に、日本のEUへの有機農産物輸出量は2トンとありますが、2756トンです。
最後に日本の有機栽培面積は0.6%とありますが0.3%が正しく、0.6%は中国の値です。
参考までに以下は、2020年の情報です。
中国の農地面積は世界7位
中国の有機農地は0.5%(日本は0.3%)
中国のEUへの有機農産物輸出量は22.8万トンで世界3位(1位エクアドル、2位ドミニカ、4位ウクライナ、5位ペルー、日本53位で3522トン)
誤りを軽く指摘します。
・民間に提供するのは「種子開発の知見」ではなく「種子生産の知見」
・「譲渡することが課せられた」と書くが、単に「推進」するだけ
・「海外を含む民間企業」と書くが、農林水産副大臣は「海外の外資系企業に知見が流出したという事例はございませんし、また、今後も適切に運用をしてまいりたいというふうに考えています」と国会で答弁している。
パーフェクトデマですな。詳細は「農業関係で胡散臭い人の見分け方」を参照してください。
また、種子法廃止によって品種開発ができなくなったと書くが、種子法は品種開発とは関係ない法律です。
※農林水産省の資料を一部改変(赤枠をつけている)して以下引用
ということで、いつもの如くデタラメな内容でした。
文藝春秋2023年4月号
鈴木宣弘ほか
文藝春秋
2023/3/10
(鈴木教授パートには、過去の沢山のデマ・デタラメ・間違いが含まれます。
全てをここでは書ききれないので、触れていない分はタグを見てください。)
退かぬ!媚びぬ!省みぬ!
今は国産率97%のコメも、2017年以降の一連の種子法廃止と種苗法改正で、いずれも野菜と同様10%前後の自給率に落ち込む可能性も否定できないのだ。鈴木教授は、農業経済が専門なので、この件を是非論文にして学会発表してください。
白い目で見られること確実です。
実情を見ていきましょう。
農林水産省の「稲、麦類及び大豆の種子について」で「稲、麦、大豆の種子をめぐる状況」という面白い資料を発見したので引用します。
種子法廃止は2017年(平成29年)ですが、種子更新率が上昇していますね。
種子更新率は、タネを自分で育てず買ってくる割合です。
平成22年のコメ生産量は824万トン、令和2年は723万トンで、約12%減っていますが(「米をめぐる関係資料」より)、種子生産量の減少・種子更新率の上昇と矛盾しない傾向ですね。
種子法が廃止されていますが、都道府県の予算は横ばいか微増となっています。
稲の種は100%国産ですね。
鈴木教授の主張に従うと、
海外種子メジャーの進出により、都道府県の種子生産が減り、海外からの輸入が増えるはずですが、全くそのような状況ではありません。
おかしいな~。
「不検出」って難しい言葉ですか?
新しいルールでは混入率が0%であれば、「遺伝子組み換えでない」の表示は認められる。2023年4月1日より『遺伝子組換え農産物の混入が認められない(不検出)場合のみ「遺伝子組換えでない」旨の表示を認める』ようになります。
・・・
もし「遺伝子組み換えでない」と表示した豆腐からごく微量のGM大豆の混入が見つかれば、その業者は摘発されることになる。それゆえ、おそらく多くの業者が違反を恐れて表示を避けることになるだろう。
「不検出」=「0%」だと理解しているのですね。恥ずかしいですね。
どの程度だと「不検出」になるか調べると「2023年4月施行まであと半年 遺伝子組換え食品表示制度改正で何がどう変わる? - 食品×ITナビ」に答えが載っていました。
ΔΔCq法のとうもろこし標準試料「とうもろこしは0.1%、大豆は0.05%」未満の混入の場合は「不検出」として判定されるようです。
ΔΔCq法の標準試料のGMの混入率は確実に検出される濃度で設定されます。とうもろこしは0.1%、大豆は0.05%と厳しいため、従来の分別生産流通管理ではΔΔCq法で陽性となります。
ΔΔCq法については、以下参照。
・新たな食品表示基準に対応した遺伝子組換えダイズ混入の判定に係る公定検査法 | 農研機構
・安全性審査済みの遺伝子組換え食品の検査方法
数字が出てきたら間違いだと思え!
機を見るに敏な中国は即座に動き、いまやEU向けの有機農産物の輸出(2020年)は、410万トンで世界第一位だ。生産量でも世界3位になっている。ちなみに日本の輸出量はわずか2トンで52位。耕地面積における有機栽培面積はわずか0.6%と、世界的に見ても非常に出遅れている。超適当に書いていますね。
鈴木教授が参考にしたと思われる「The World of Organic Agriculture 2020(主に2018年のデータ)」を見ると、鈴木教授の示す数字がデタラメであることを理解できます。
まず2020年と書かれていますが、発表されたのが2020年であり、実際は2018年のデータです。
次に、日本のEUへの有機農産物輸出量は2トンとありますが、2756トンです。
最後に日本の有機栽培面積は0.6%とありますが0.3%が正しく、0.6%は中国の値です。
参考までに以下は、2020年の情報です。
中国の農地面積は世界7位
中国の有機農地は0.5%(日本は0.3%)
中国のEUへの有機農産物輸出量は22.8万トンで世界3位(1位エクアドル、2位ドミニカ、4位ウクライナ、5位ペルー、日本53位で3522トン)
ストレートな表現ですね
2017年に政府は種子法の廃止を決めてしまった。これによって、かつてのように都道府県が優良品種を開発して安く普及することができなくなり、さらに農業競争力強化支援法により、その種子開発の知見を、海外を含む民間企業に譲渡することが課せられた。農業競争力強化支援法の件について、昔はもう少しぼかした感じで書いていましたが、もう完全に覚醒して躊躇がなくなったようです。
誤りを軽く指摘します。
・民間に提供するのは「種子開発の知見」ではなく「種子生産の知見」
・「譲渡することが課せられた」と書くが、単に「推進」するだけ
・「海外を含む民間企業」と書くが、農林水産副大臣は「海外の外資系企業に知見が流出したという事例はございませんし、また、今後も適切に運用をしてまいりたいというふうに考えています」と国会で答弁している。
パーフェクトデマですな。詳細は「農業関係で胡散臭い人の見分け方」を参照してください。
また、種子法廃止によって品種開発ができなくなったと書くが、種子法は品種開発とは関係ない法律です。
※農林水産省の資料を一部改変(赤枠をつけている)して以下引用
ということで、いつもの如くデタラメな内容でした。
文藝春秋2023年4月号
鈴木宣弘ほか
文藝春秋
2023/3/10
この記事へのコメント