「コシヒカリ環1号」と「あきたこまちR」なぜ今、デマで邪魔する?

『「コシヒカリ環1号」と「あきたこまちR」なぜ今、放射線育種で米を作る?:週刊金曜日』(印鑰智哉)という記事があったのでツッコミました。

これは、あきたこまちRについて、難癖を最初に付けた印鑰智哉氏の記事です。
では見ていきましょう。

×広がった、〇広げた

放射線育種とは?
この問題が知られ始めると、誤解と混乱が広がった。原因の一つは、農業・食品産業技術総合研究機構が用いる「放射線育種」という言葉にある。放射線をかけてタネを育てた稲と勘違いして「放射線が出るコメ?」などの誤解が広がった
「誤解と混乱が広がった」ではなく、あなたが率先して「誤解と混乱が広げた」のでしょ?
マッチポンプですね。

↓印鑰智哉氏のブログ
あきたこまちR Archives - 食からの情報民主化プロジェクト by INYAKU.Net

数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う

推進派は放射線育種が、戦後長世界各国で行なわれてきた、だから安全性は証明されているという。確かに国際原子力機関IAEAのデータベースには世界で作られた3400以上の品種が登録されているが、重イオンビーム育種品種はわずか26しか登録されていない。そのうち20は日本で照射された品種、残りの6が中国だが、中国は1998年の登録が最後になっている。
IAEAのデータベースに3400以上の品種が登録されていて、日本で照射されたのが20、中国が6というのは正しいです。

IAEAのデータベースと言っているのは「Mutant Variety Search」で、2024年1月28日時点で3433件あります。
これから「-ion」または「 ion」をキーワードに抽出し、「gamma」を含むものを除去すると26個。

以下は、26個を国ごとに集計した表になります。
個数登録年(最小)登録年(最大)育種した種
日本1320052015菊、カーネーション、稲、桜、ソバ、ヒエ
中国619941998サツマイモ、稲、トマト
バングラデシュ420132022
マレーシア320142014

バングラデシュ、マレーシアでもイオンビームを使った品種が登録されています!
バングラデシュに至っては2022年に食用となる稲ですね。

日本、バングラデシュ、マレーシアのイオンビーム照射は高崎にある「量子科学技術研究開発機構 高崎量子応用研究所」で行われています。
「日本で照射されたのが20」というのは正しいが、この表現と上記の表を見比べると違和感がありますよね~。


上記の後、次のように続きます。
重イオンビーム育種は歴史も浅い上に現在は日本でしかやられておらず、とても世界で普及している技術ではないし、安全性の実証となるデータも存在していない。
イオンビーム育種は本当に日本でしかやっていないのでしょうか?

意図的かどうかは知りませんが、IAEAのデータベースだけ見て判断するのはいかがでしょうね?
例えば、アメリカの承認された品種を米国農務省の「Certificate Management System」を調べると、ハウス食品が育種した「SK-20」というタマネギが2018年に登録されています。
これは、IAEAのデータベースには載っていません。

また、Googleにて「plant varieties ion beam」で検索すると中国の最近の事例(中国科学院近代物理研究所)が出てきます。

重粒子線突然変異誘発稲の新品種「東稲211」「東稲812」「東稲862」が吉林省で品種承認を通過
 2020年、2021年にイオンビームで育種した品種。2022年8月に「東稲862」が主要作物品種として承認された。

重粒子線突然変異誘発によって育種された中国初の北方ジャポニカ米新品種が豊作を達成
 塩分耐性のある「東稲211」というのが育種され「2020 年に吉林省作物品種承認を通過し、2021 年に吉林省の主要農業品種に選ばれました。」とのこと。

重イオン変異誘発を用いたカドミウム蓄積量の少ない米の栽培と実証で新たなブレークスルーを達成
 これは、あきたこまちRと同様に低カドミウムを実現するもので、2021年時点ではまだ承認されていないようです。

どこが「現在は日本でしかやられておらず」なのでしょうね?
デタラメを流布しないでもらえますか。


しかし「安全性の実証となるデータも存在していない」もクソですね。
じゃあ、普通の交配でできた品種には「安全性の実証となるデータ」が存在するのですか?
そんなものは無い。イオンビームを使おうが交配だろうが何ら違いは無い。
ちなみに「あきたこまち」の「安全性の実証となるデータ」は存在するのですか?

人において親が同じでも兄弟の性質は違います。
「あきたこまち」も同じ稲穂から採れる米粒ごとに違うのだから、「安全性の実証となるデータ」など取れるはずもない。
他の育種法においても不可能なことを実施していない!と文句を言っているのです。
しかも、他の育種法と結果が違わないものに対して言っているのです。クズの中のクズですね。

マンガンが減るのは人には問題とならない

しかし、遺伝子を破壊することによって別の問題が生じる。その一つがマンガン不足だ。破壊された遺伝子はマンガンの吸収にも関わるため、破壊された遺伝子を持つ稲はごま葉枯れ病になりやすい。マンガンは稲や人の成長に不可欠な必須ミネラルだ
「ごま葉枯れ病」の話は事実ですが、人の件は騙しですね。

減ることによって日本人のマンガン摂取量は適正値に近づくのです。
当たり前のようにこのような事実は言いません。
詳細はデマ仲間の由井寅子氏の記事へのツッコミを参照ください。

これは完全に騙し

宮城県は秋田県よりも先に「コシヒカリ環1号」系品種の導入を検討していたが、収量が落ちて、元の品種とは似て非なるものになってしまう、として導入を中断した。元の品種とは変わってしまうのだ。
これだけでは情報が足りないのでツッコミは難しいですが、同じ風評加害者たる福島瑞穂氏が詳細な情報を提供してくれました。
福島みずほ事務所からの回答全文 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

↑より以下を引用します。
「どうしても出穂期に関しましては、同質系の品種と申しましても、似て非なるものということでズレてしまいます。また収量につきましても,カドミウムを吸わない遺伝子をのせると落ちてしまう傾向があります」(宮城県における審査

宮城県は秋田県よりも先行して、この「コシヒカリ環1号」と「ひとめぼれ」の交配種を2品種開発して、作付け開始間近と考えられていたのですが、「似て非なるもの」になる、収量も落ちてしまう、という事態を受けて、この品種の導入を中断しました。
「宮城県における審査」を見ると、2品種とあるのは「東北 228 号」「東北 235号」であるのがわかります。

■審査を中断した?
印鑰氏も福島みずほ事務所も、「中断した」というのは、半分あっていて、半分間違っています。
止めたのは「東北 228 号」だけで、「東北 235号」は継続しています。

主要農作物品種審査会 - 宮城県公式ウェブサイト」に「宮城県における審査」の資料・議事録があります。
この稲に関する最新のものは「令和5年2月8日 令和5年優良品種決定調査に供する品種(稲)について」ですが、これを見ると「東北 235号」は「継続」とされています。

■「似て非なるもの」になる?
「収量が落ちて、元の品種とは似て非なるものになってしまう」というが、以下のように結構ブレるのですよ。

東北235号 収量および品質調査成績
※「令和2年6月 水稲新配付系統参考成績書」より引用

「似て非なるもの」可能性があるのは、「ひとめぼれ」と「コシヒカリ環1号」を交配しているから。
戻し交配で「ひとめぼれ」に近いものを選抜しているだけなので、カドミウム低吸収性遺伝子以外のコシヒカリの遺伝子を全て排除できるわけではない。
こんな簡単なことも理解せずに文句を付けているのですか?

上記の後、次のように続けている。
しかもこの品種を導入しても地城の汚染が減るわけではない。新たな懸念が生まれるだけで、真の問題解決のための技術にはなりそうにない。
文句だけつける人は楽ですね。
今まで通りの対応は、カドミウムの吸収を抑える栽培をしているだけで、土地の汚染を減らすわけではない。
100点ではないからダメってことですよね。クソですね。
ちなみに「新たな懸念が生まれる」ではなく、あんた達が「新たな懸念を無理やり生み出す」の間違いですよ。

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