日本一の農業県はどこか:農業の通信簿
「日本一の農業県はどこか:農業の通信簿」(山口亮子)を読みました。
「誰が農業を殺すのか」という窪田新之助氏との共著は以前読みました。
この本は初の単著らしいです。どうでしょうか。
参考文献はこちら。
群馬、茨城、栃木・・・富山、福井、石川というランクとのこと。
読み進めていって疑問に思ったことは次のこと。
・なぜ農業所得ではなく農業産出額を使うのか?
農業単独ではなくそれに関係する産業も含めて見たいからかな?と思った。
だが、P86に「重要なのは産出額よりも所得の多寡のはず」とあるが、よくわからず。
・農業産出額は豊作/不作である程度ブレるだろうが、農業予算のブレ幅が大きいだろうから、どこかの1点だけみてもわからないのでは?と思った。
また過去の資本蓄積が多い所は、多大な投資は不要だろうし。
・米の生産性が低いため、米の比率が高い地域はコスパが悪いという話が本文中によく出てきますが、実際はどうなのだろうか?と思った。
・米の生産性が低いので、米の比率が高いところはコスパが悪いという話が本文中によく出てくるが、実際はどうなのだろうか?と思った。
コスパ上位は低く、下位は低いと書かれているが、全体がわからない。
このことから、元ネタのデータを見てみることにした。
「総務省|地方財政状況調査関係資料|都道府県決算状況調」
「生産農業所得統計:農林水産省」
これがネタ。
■農業予算
「都道府県決算状況調」のページにある「目的別歳出内訳」の「都道府県別内訳」を開く。
その中の「農林水産業費」から「林業費」と「水産業費」を差し引いたものが、本書での農業予算となっている。
■農業産出額
「生産農業所得統計」のページにある「都道府県別農業産出額及び生産農業所得」の「実額」を開く。
その中の「計」が、本書での農業産出額となっている。
上記のような細かいことは書かれていないが、1位の群馬県で検算すると値が一致したので、正しいはず。
本の中では2021年度の「農業産出額÷農業予算」だけあったが、「生産農業所得÷農業予算」も出してみた。
「都道府県別農業産出額及び生産農業所得」には、その名の通り所得も載っているで、これを使う(同じ年の統計がないから使わなかったのかな?と思ったがそうでもない模様)。
米の産出額もあるので、その割合を出してみる。
2021年度だけだと比較できないので、10年前の2011年度と比較もしてみる。
また、農業予算の傾向を見るために、2011年度~2021年度の推移を見てみる(対象はコスパ上位・下位のそれぞれ5つと増加率・減少率上位・下位のそれぞれ5つを選択)。
※都道府県名の横にある数字は、農業予算増加率順位
上記から見て取れるもの
・米の比率を下げているところはコスパランクが上がっている
・農業予算の減る傾向があるところのコスパランクが上がっている
・「農業産出額÷農業予算」で見ても「生産農業所得÷農業予算」で見ても傾向はほとんど変わらない
・千葉県が結構いい順位にいると思っていたのだが、かなり順位を落としている。予算額の上昇が激しいのだが、なぜだろうか?
静岡県・徳島県・秋田県も予算額上昇により順位を落としている。
・埼玉県が順位を落としているのは、米比率の減りが悪いから?
・山梨県が激しいランクアップをしている。農業産出額上昇率トップなのだが、何が理由なのだろう?
・群馬県は富岡製糸場などで有名だが、昭和の初めは農家の7割が養蚕をしていて、畑の47%が桑畑だった。
・富山県は農地に占める水田の割合が2022年で95%。
2021年度の米産出額割合が65%なので、水田以外の面積5%で35%稼いでいるって驚異的ですね。
・水田が余っているので土地改良で排水機能を高めて水田・畑地の両方として使える「汎用化」の予算が沢山付いている。
「畑地化」には予算の0.2%、「汎用化」に60%が使われた。だが、「汎用化」されても畑作がされていないのが半数以上あり無駄である。
・土地改良事業は全部税金でやられていると勝手に思っていたのだが、土地改良後に地主から徴収するらしい。
新潟県内では賦課金が残っているので、他の県より米は相対的に高く売れるが利益はそう高くはないそうだ。
・沖縄のサトウキビは他県の米と同じ扱い。
農家7割、農地5割、農業産出額2割という低生産性。
・地域を引っ張っていく凄い農家ということで機関車農家の一つとして下村青果商会が紹介されている。
高知でハウス栽培をしているのだが、夏は暑くてハウスを空けているので、その期には間人を雇う必要はない。
だが、周年で雇用していて、その期間は給料を払って勉強させているそうだ。
すげー。
「おわりに」で次のように書いています。
以下の資料と矛盾しないので正しいように思えます。
※「全国農地ナビのデータ取得と圃場分散の状況分析への適用」より引用
片や東京大学農学部の鈴木宣弘教授は次のように言います。
肩書で判断してはいけないことがこれからよくわかりますね。
ちなみに、この「農業経済学者」には、上記のデマ教授は含まれません。
デマ教授は、「江戸時代が当然ながら自給率100%だったことを想起すれば、大きな要因は政策だとわかる」とアホなこと言っていますから。
佐賀県知事が「食料をどれだけ作り出しているかというカロリーベースで定数(※衆議院小選挙区の議員定数のこと)配分をしたらどうなるだろうか」と言った。
これに対して次のように書いている。
しかし、デマ教授は違います。喜んでツイートしているし、コラムにも書いています。
茨城県では、水田エリア・畑作エリアなどを決めて転換しようとしているそうだ。
レンコンは霞ヶ浦周辺にある低湿地帯のもろ水はけが悪い所で育てられているが、畑作不適地の典型だと思う。
■キューバの砂糖生産量
沖縄のサトウキビ(他の県の米に相当する作物)について触れているところで次のように書いている。
西側諸国への輸出を大幅に減らするのならばわかるが、本当にサトウキビの生産を減らすかな?と疑問に思った。
FAOSTATの「Production: Crops and livestock products」で、COUNTRIES=Cuba/ITEMS=Sugar cane/ELEMENTS=Production Quantity を条件に調べると1961年の5588万トンが1962年には3672万トンになり減ってはいる。
また輸出量を「Trade: Crops and livestock products」で、COUNTRIES=Cuba/ITEMS=Refined sugar/ELEMENTS=Export Quantity を条件に調べると、1961年:50万トン、1962年:52万トンと変わっていない。
これからは、サトウキビの生産は減ったが、輸出は変わらずということしかわからない。
そこで、以下の別の資料を見る。
・日本キューバ貿易小史-通商協定締結の軌跡-
砂糖の国際価格、キューバからの輸入量の情報が載っている。
キューバ危機時に輸入量は減っているが、5年後には元に回復している。
・Foreign Relations of the United States, 1961–1963, American Republics; Cuba 1961–1962; Cuban Missile Crisis and Aftermath, Volumes X/XI/XII, Microfiche Supplement - Office of the Historian
・Ask the Analyst: Why Has Cuba’s Sugar Industry Declined? | Czapp
・Sugar industry of Cuba - Wikipedia
キューバ革命後の国有化にともなう収穫期における深刻な労働力不足とアメリカの対キューバ禁輸措置で製糖工場の機器輸入ストップのダブルパンチで生産が落ち込んだと書いてある。
キューバ危機にともない輸出先を東側諸国依存になっていくことも書かれている。
以上から「この年に砂糖を大幅に減産する」は間違いで、「この年以降の数年は砂糖生産が大幅に減少している」正しいですね。
「減産する」は意図的ですが、実際は意図しない減少です。
・新井祥穂/永田淳嗣『復帰後の沖縄農業―フィールドワークによる沖縄農政論』(農林統計協会、2013年)
・大泉一貫『希望の日本農業論』(NHK出版、2014年)
・大泉一貫『フードバリューチェーンが変える日本農業』(日本経済新聞出版社、2020年)
・奥原正明『農政改革 行政官の仕事と責任』(日本経済新聞出版社、2019年)
・川口祐男『富山県の水稲品質向上にむけた田植時期繰り下げの取り組みについて』月刊誌『農業および園芸』2011年4月
・川島博之『「食料自給率」の罠 輸出が日本の農業を強くする』(朝日新聞出版、2010年)
・窪田新之助『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』(講談社、2015年)
・窪田新之助『データ農業が日本を救う』(集英社インターナショナル、2020年)
・窪田新之助『農業法人で「高知県一」の給与を払える理由 高給を支える契約栽培と多収』マイナビ農業 2020年12月1日
・窪田新之助『平均年商5000万円をけん引する「渥美半島の伝説」 国内最高級の菊の生産と販売をする集団』マイナビ農業 2021年3月17日
・小林信一『酪農の役割と持続的発展の方向』季刊誌『農村計画学会誌』2019年9月
・斎藤功『小学校・中学校の農繁休暇の展開と地域性―松本盆地を事例として―』『地域調査報告』第17号1995年
・佐々田博教『農業保護政策の起源: 近代日本の農政1874~1945』(勁草書房、2018年)
・生源寺眞一『日本農業の真実』(筑摩書房、2011年)
・暉峻衆三『日本の農業150年―1850~2000年』(有斐閣、2003年)
・永田恵十郎(編著)『講座日本の社会と農業 3(関東・東山編) 空っ風農業の構造』(日本経済評論社、1985年)
・本間正義『農業問題: TPP後、農政はこう変わる』(筑摩書房、2014年)
・山口二郎『戦後政治における平等の終焉と今後の対立軸』日本政治学会編『年報政治学2006-Ⅱ政治学の新潮流』2007年
・渡辺好明『日本農業が生き抜くため必要な都道府県別自給率の見方』Wedge ONLINE 2022年9月20日
日本一の農業県はどこか:農業の通信簿
山口亮子
新潮社
2024/1/17
「誰が農業を殺すのか」という窪田新之助氏との共著は以前読みました。
この本は初の単著らしいです。どうでしょうか。
参考文献はこちら。
農政のコスパ
宮城大学の大泉一貫名誉教授に相談して「都道府県の農業産出額を農業関連の予算で割れば、どれだけ効率のいい農政をやっているかランク付けできる」というアドバイスからランクを出してみたそうです。群馬、茨城、栃木・・・富山、福井、石川というランクとのこと。
読み進めていって疑問に思ったことは次のこと。
・なぜ農業所得ではなく農業産出額を使うのか?
農業単独ではなくそれに関係する産業も含めて見たいからかな?と思った。
だが、P86に「重要なのは産出額よりも所得の多寡のはず」とあるが、よくわからず。
・農業産出額は豊作/不作である程度ブレるだろうが、農業予算のブレ幅が大きいだろうから、どこかの1点だけみてもわからないのでは?と思った。
また過去の資本蓄積が多い所は、多大な投資は不要だろうし。
・米の生産性が低いため、米の比率が高い地域はコスパが悪いという話が本文中によく出てきますが、実際はどうなのだろうか?と思った。
・米の生産性が低いので、米の比率が高いところはコスパが悪いという話が本文中によく出てくるが、実際はどうなのだろうか?と思った。
コスパ上位は低く、下位は低いと書かれているが、全体がわからない。
このことから、元ネタのデータを見てみることにした。
資料:総務省「令和3年度都道府県決算状況調」農林水産省「令和3年生産農業所得統計」と書いてあった。
注:対象は一般会計と特別会計
ただし、施設を対象とする災害復旧費は含まない。
「総務省|地方財政状況調査関係資料|都道府県決算状況調」
「生産農業所得統計:農林水産省」
これがネタ。
■農業予算
「都道府県決算状況調」のページにある「目的別歳出内訳」の「都道府県別内訳」を開く。
その中の「農林水産業費」から「林業費」と「水産業費」を差し引いたものが、本書での農業予算となっている。
■農業産出額
「生産農業所得統計」のページにある「都道府県別農業産出額及び生産農業所得」の「実額」を開く。
その中の「計」が、本書での農業産出額となっている。
上記のような細かいことは書かれていないが、1位の群馬県で検算すると値が一致したので、正しいはず。
本の中では2021年度の「農業産出額÷農業予算」だけあったが、「生産農業所得÷農業予算」も出してみた。
「都道府県別農業産出額及び生産農業所得」には、その名の通り所得も載っているで、これを使う(同じ年の統計がないから使わなかったのかな?と思ったがそうでもない模様)。
米の産出額もあるので、その割合を出してみる。
2021年度だけだと比較できないので、10年前の2011年度と比較もしてみる。
また、農業予算の傾向を見るために、2011年度~2021年度の推移を見てみる(対象はコスパ上位・下位のそれぞれ5つと増加率・減少率上位・下位のそれぞれ5つを選択)。
※都道府県名の横にある数字は、農業予算増加率順位
上記から見て取れるもの
・米の比率を下げているところはコスパランクが上がっている
・農業予算の減る傾向があるところのコスパランクが上がっている
・「農業産出額÷農業予算」で見ても「生産農業所得÷農業予算」で見ても傾向はほとんど変わらない
・千葉県が結構いい順位にいると思っていたのだが、かなり順位を落としている。予算額の上昇が激しいのだが、なぜだろうか?
静岡県・徳島県・秋田県も予算額上昇により順位を落としている。
・埼玉県が順位を落としているのは、米比率の減りが悪いから?
・山梨県が激しいランクアップをしている。農業産出額上昇率トップなのだが、何が理由なのだろう?
驚きの事実
読んでいて、えっそうなんだ!って思ったことを箇条書きします。・群馬県は富岡製糸場などで有名だが、昭和の初めは農家の7割が養蚕をしていて、畑の47%が桑畑だった。
・富山県は農地に占める水田の割合が2022年で95%。
2021年度の米産出額割合が65%なので、水田以外の面積5%で35%稼いでいるって驚異的ですね。
・水田が余っているので土地改良で排水機能を高めて水田・畑地の両方として使える「汎用化」の予算が沢山付いている。
「畑地化」には予算の0.2%、「汎用化」に60%が使われた。だが、「汎用化」されても畑作がされていないのが半数以上あり無駄である。
・土地改良事業は全部税金でやられていると勝手に思っていたのだが、土地改良後に地主から徴収するらしい。
新潟県内では賦課金が残っているので、他の県より米は相対的に高く売れるが利益はそう高くはないそうだ。
・沖縄のサトウキビは他県の米と同じ扱い。
農家7割、農地5割、農業産出額2割という低生産性。
・地域を引っ張っていく凄い農家ということで機関車農家の一つとして下村青果商会が紹介されている。
高知でハウス栽培をしているのだが、夏は暑くてハウスを空けているので、その期には間人を雇う必要はない。
だが、周年で雇用していて、その期間は給料を払って勉強させているそうだ。
すげー。
「おわりに」で次のように書いています。
農業が政治力を借りずとも自ら走っていける。そういう環境にある都道府県こそが、これからも成長を続けて行くだろう。どんな産業も補助金をあてにしていくようではダメですからね。
さすがデマ屋とは違いますね
数十ヘクタールを生産する農業法人が田んぼを数百枚管理していることはザラにある。これでは、規模を拡大するほど単位当たりの生産費が減る「規模の経済」が働かない。ですよね~。
以下の資料と矛盾しないので正しいように思えます。
※「全国農地ナビのデータ取得と圃場分散の状況分析への適用」より引用
片や東京大学農学部の鈴木宣弘教授は次のように言います。
日本でも、一軒あたりの耕地面積が50~100ヘクタール程度というケースもあるが、その場合の田んぼは、1000ヶ所以上に点在しているのが普通だ。1000ヶ所以上ですからね。
肩書で判断してはいけないことがこれからよくわかりますね。
カロリーベースの自給率を国家目標にすることが、農業の過剰な保護につながり、あるべき姿から遠ざけてしまうのではないか。そんな指摘は、農業経済学者からもしばしばなされている。過剰な保護かどうかはわからないが、農政をゆがめてしまっているのは確かですね。
ちなみに、この「農業経済学者」には、上記のデマ教授は含まれません。
デマ教授は、「江戸時代が当然ながら自給率100%だったことを想起すれば、大きな要因は政策だとわかる」とアホなこと言っていますから。
佐賀県知事が「食料をどれだけ作り出しているかというカロリーベースで定数(※衆議院小選挙区の議員定数のこと)配分をしたらどうなるだろうか」と言った。
これに対して次のように書いている。
私は知事会見の動画をここまで見て、「何考えてるんだ」と当惑した。まあ、普通そうなりますね。
しかし、デマ教授は違います。喜んでツイートしているし、コラムにも書いています。
疑問符が付く記述
■畑作に適した作物茨城県では、水田エリア・畑作エリアなどを決めて転換しようとしているそうだ。
P74:対する畑地化エリアは、「ポンプで水を汲み上げて水稲を栽培している陸田のような畑作に転換しやすいところ。サツマイモやレンコン、ムギ、ダイズなどの高収益作物の作付けを推進する」(水野さん)。このように茨城県産地振興課の人が言ったらしいが、これは本当かな?
レンコンは霞ヶ浦周辺にある低湿地帯のもろ水はけが悪い所で育てられているが、畑作不適地の典型だと思う。
■キューバの砂糖生産量
沖縄のサトウキビ(他の県の米に相当する作物)について触れているところで次のように書いている。
P111-112:ブームの要因の一つが、62年に米ソ核戦争の寸前まで対立を深めたキューバ危機。キューバにソ連のミサイル基地が建設されていることにアメリカが反発し、ミサイルのさらなる搬入を阻止するために海上封鎖を行った。キューバ危機の1962年にキューバが「砂糖を大幅に減産する」と書いている。
世界中が核戦争の恐怖におののいた事件の震源地であるキューバは、世界最大の砂糖輸出国で、この年に砂糖を大幅に減産する。砂糖の国際相場が急騰し、沖縄の農家が受け取る原料代は上がった。
西側諸国への輸出を大幅に減らするのならばわかるが、本当にサトウキビの生産を減らすかな?と疑問に思った。
FAOSTATの「Production: Crops and livestock products」で、COUNTRIES=Cuba/ITEMS=Sugar cane/ELEMENTS=Production Quantity を条件に調べると1961年の5588万トンが1962年には3672万トンになり減ってはいる。
また輸出量を「Trade: Crops and livestock products」で、COUNTRIES=Cuba/ITEMS=Refined sugar/ELEMENTS=Export Quantity を条件に調べると、1961年:50万トン、1962年:52万トンと変わっていない。
これからは、サトウキビの生産は減ったが、輸出は変わらずということしかわからない。
そこで、以下の別の資料を見る。
・日本キューバ貿易小史-通商協定締結の軌跡-
砂糖の国際価格、キューバからの輸入量の情報が載っている。
キューバ危機時に輸入量は減っているが、5年後には元に回復している。
・Foreign Relations of the United States, 1961–1963, American Republics; Cuba 1961–1962; Cuban Missile Crisis and Aftermath, Volumes X/XI/XII, Microfiche Supplement - Office of the Historian
・Ask the Analyst: Why Has Cuba’s Sugar Industry Declined? | Czapp
・Sugar industry of Cuba - Wikipedia
キューバ革命後の国有化にともなう収穫期における深刻な労働力不足とアメリカの対キューバ禁輸措置で製糖工場の機器輸入ストップのダブルパンチで生産が落ち込んだと書いてある。
キューバ危機にともない輸出先を東側諸国依存になっていくことも書かれている。
以上から「この年に砂糖を大幅に減産する」は間違いで、「この年以降の数年は砂糖生産が大幅に減少している」正しいですね。
「減産する」は意図的ですが、実際は意図しない減少です。
主要参考文献
・新井祥穂/永田淳嗣『復帰後の沖縄農業―フィールドワークによる沖縄農政論』(農林統計協会、2013年)
・大泉一貫『希望の日本農業論』(NHK出版、2014年)
・大泉一貫『フードバリューチェーンが変える日本農業』(日本経済新聞出版社、2020年)
・奥原正明『農政改革 行政官の仕事と責任』(日本経済新聞出版社、2019年)
・川口祐男『富山県の水稲品質向上にむけた田植時期繰り下げの取り組みについて』月刊誌『農業および園芸』2011年4月
・川島博之『「食料自給率」の罠 輸出が日本の農業を強くする』(朝日新聞出版、2010年)
・窪田新之助『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』(講談社、2015年)
・窪田新之助『データ農業が日本を救う』(集英社インターナショナル、2020年)
・窪田新之助『農業法人で「高知県一」の給与を払える理由 高給を支える契約栽培と多収』マイナビ農業 2020年12月1日
・窪田新之助『平均年商5000万円をけん引する「渥美半島の伝説」 国内最高級の菊の生産と販売をする集団』マイナビ農業 2021年3月17日
・小林信一『酪農の役割と持続的発展の方向』季刊誌『農村計画学会誌』2019年9月
・斎藤功『小学校・中学校の農繁休暇の展開と地域性―松本盆地を事例として―』『地域調査報告』第17号1995年
・佐々田博教『農業保護政策の起源: 近代日本の農政1874~1945』(勁草書房、2018年)
・生源寺眞一『日本農業の真実』(筑摩書房、2011年)
・暉峻衆三『日本の農業150年―1850~2000年』(有斐閣、2003年)
・永田恵十郎(編著)『講座日本の社会と農業 3(関東・東山編) 空っ風農業の構造』(日本経済評論社、1985年)
・本間正義『農業問題: TPP後、農政はこう変わる』(筑摩書房、2014年)
・山口二郎『戦後政治における平等の終焉と今後の対立軸』日本政治学会編『年報政治学2006-Ⅱ政治学の新潮流』2007年
・渡辺好明『日本農業が生き抜くため必要な都道府県別自給率の見方』Wedge ONLINE 2022年9月20日
日本一の農業県はどこか:農業の通信簿
山口亮子
新潮社
2024/1/17
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