トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』(藤原辰史)を読みました。

■この本の残念な点
・図解が少ない。
 トラクターの構造を説明されても、じっくり見たことも触ったこともない人(私)には理解できない。
 トラクターメーカーの資本関係(買収・合併・出資など)の説明があるが、関係性が図示されていないのでぱっとわからない。
 シェアの変遷をグラフ化してあったらうれしかったが、なかった。
・いろいろな人が登場するが、その人がどのメーカーなどに繋がる人か最初に書かれていないので、何の話をしているのだろう?と今一ピンとこない。
・学校の歴史の授業と同じで近現代史については説明がほとんどない(トラクターの歴史は1892年からの100年ちょっと)

■この本の良い点
・巻末にトラクターの年表がある
・巻末に索引があって、この言葉なんだっけ?という時に役に立つ
・本文で、どの参考文献から引用しているかが分かり易く明示されている

以下、目に付いた点を書きます。

・昔フォードもトラクターを作っていた。大量生産で安かったが馬力がない・すぐ転倒するなど評判は良くなかった。
・1930年代に既にアメリカではトラクターの耕起による土壌流出が問題になっていた。
 これがスタインベックの「怒りの葡萄」の下地になったそうです(銀行による農地の収奪も)。
 中学か高校の時に読んだけど、内容を全く覚えていないな。今度読み直してみるかな?
・2000年時点のトラクター利用台数の統計が載っている。
 1位アメリカ、2位インド、3位日本、4位イタリア、5位ポーランド、6位フランス、7位ドイツ、8位中国、9位トルコ、10位スペイン
 FAOSTATのデータとのことで見ると、現在は更新されていない統計として存在した。知らなかったわ。
 ちなみに2009年時点における直近のデータでは次の順になっている。
 1位アメリカ、2位中国、3位インド、4位日本、5位イタリア、6位ポーランド、7位フランス、8位トルコ、9位スペイン、10位ドイツ
 2000年と比べると、中国が上がって、ドイツが下がっている。
・ロシア、中国はトラクターの運転を重労働だということで女性禁止としているらしい。
 トラクターは騒音、振動が特にキツイらしい。
・ランボルギーニもトラクターを作っていた。というかトラクターの方が先で、自動車の方が後。
・日本では歩行型のトラクターが先行し、1966年が歩行の最盛期で、1995年には乗用型に抜かれる。
 2000年時点では数的には、歩行型・乗用型のどちらかが各農家に1台ある計算となる。
・「ヤンマー」に繋がる藤井康弘という人の話が書かれていた。
 岡山県興除村の土谷という資産家が藤井に現金通帳と実印を預けて「好きなだけ使え」と言われ研究資金にしたそうです。
 剛毅だね~

トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち
藤原辰史
中央公論新社
2017/9/20

この記事へのコメント

零細農家より
2024年03月11日 21:37
リンク先のサンプルを読みましたが、とても面白い本ですね。