堤未果への違和感は9割正しい③ 数字・法律が出たらデマだと思え

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国民の違和感は9割正しい」(堤未果)を読みました。
この本へのツッコミ3回目は『第2章 「戦争と平和」の違和感〜お金は噓をつかない』が対象となります。

イスラエルに関するデマ

イスラエルのことはよくわからないので、簡単に事実関係を確認できるものだけにツッコみます。
世界有数のハイテク技術大国イスラエルは、その最新技術を駆使して、ガザ地区のパレスチナ人たちを監視してきました。
2014年以降、ハマスとの合意でガザ復興計画の中に導入した、〈GRM〉というデジタル管理システムでは、ガザ地区に入ってくる全ての建築資材が、どんな材料で、どこの誰に届けられ、どう使われるかまで、綿密にデジタルデータで記録されます。
丸っきりのデタラメですね。

GRMは「Gaza Reconstruction Mechanism」の略で、「ガザ復興支援メカニズム」と訳されています。
「デジタル管理システム」と書かれているがシステムではない。
JICAの「パレスチナガザ地区復興支援(電力・水)情報収集・確認調査ファイナルレポート」によると「ガザ地区の復興を目的とする場合において、軍事・民生の両方に利用可能な大規模な資機材について、ガザ地区への輸入を許可するため、2014 年のガザ侵攻後に、パレスチナ政府とイスラエル政府との間で結ばれた合意」という説明をしています。
JICAは、GRMではなくイスラエル民政官事務所(Coordination of Government Activities in the Territories: COGAT)を通して支援をしたそうです。
GRMが「ガザ地区に入ってくる全ての建築資材」に関する情報を記録しているそうですが、おかしいですね~。

上記のあとで「デジタル化はその精度が上がるほど、便利さと引きかえにアクセス権を持つ側の支配が強まるという厄介な特徴があるため、注意しなければいけません。」と書くが、何を寝ぼけたことを言っているのだ?となりますね。

2030年の完成を目指すと名付けられたこのプロジェクトに、多くの建築家やテック関係者、環境活動家や投資家たちが注目しています。
今の計画通りに進めば、ガザは世界トップのハイ通りに進めばテク技術を駆使した、スマートシティの実証実験場になるでしょう。〈デジタル植民地〉への問いが、答えられないままに。
素晴らしいですね。丸っきりのデタラメです。

これはイスラエルの不動産屋の広告です。
当の不動産屋は後に「キャンペーンは風刺を目的」だと言ったそうです。
詳細は↓を。
'Israeli real estate firm' sparks outrage with | Roya News

ロシアのウクライナ侵攻

一方で日本は、紛争当事国に殺傷能力のある武器を送ることを禁じる〈防衛装備移転三原則〉があり、他国のように「じゃあうちも」というわけにはいきません。
そこで、ウクライナは国連安保理の措置を受けている紛争当事国には当たらないからと三原則の指針を改定し、防弾チョッキとヘルメットをウクライナに送ったのでした。
鉛筆1本でも人は殺せるが、「防弾チョッキとヘルメット」を常識的には「殺傷能力がある武器」とは呼ばないですね。
自称国際ジャーナリストの堤未果先生レベルになると、「殺傷能力がある武器」というのですね。

「三原則の指針」とは「防衛装備移転三原則運用指針」のことなのですが、改定内容は「防弾チョッキのウクライナへの移転に係る審議について|外務省」で確認できます。その内容を引用します。
(オ) 国際法違反の侵略を受けているウクライナに対して自衛隊法第116条の3の規定に基づき防衛大臣が譲渡する装備品等に含まれる防衛装備の海外移転
このように海外移転の条件を1つ追加しています。
自衛隊法第116条の3が何なのかというと、開発途上国に「国際連合憲章の目的と両立」する目的において、武器以外の装備品を譲渡できる規定です。

法律にOKと書いてあるので、三原則やその運用指針など無視して提供することも可能ですが、ちゃんとした手続きをしたということですね。
なお、紛争当事国ではないという見解は「防衛省・自衛隊:防衛大臣臨時記者会見|令和4年3月4日(金)17:42~17:52」で示しています。

〈日本から武器を輸出するのか?>
政府の動きに違和感を覚えた国民の声が、ネット上にたくさん溢れ、朝日、毎日、東京新聞などが憲法違反やうやむやのままに拡大するリスクを社説で指摘し、一部野党からは批判が出ました。
日本で一番社説を見ているかもしれない私を騙せませんよ。
供与の対象が拡大することへの懸念を示していますが、朝日・毎日・東京とも「防弾チョッキとヘルメット」を供与することを憲法違反だとは言っていません。
デタラメを書かないでもらえますか。

(社説)武器の提供 なし崩し拡大を危ぶむ:朝日新聞デジタル
社説:ウクライナ侵攻 防衛装備品の提供 なし崩しにならぬ議論を | 毎日新聞
<社説>自民の安保提言 軍事大国化は許されぬ:東京新聞 TOKYO Web


アメリカでは、調子に乗って軍事予算の大盤振るまいを続ける一方で、実態経済がどんどん悪化し、野党共和党から〈ウクライナに金を出すのはいい加減やめろ〉と、大ブーイングが起こり始めます。
ほう、国際ジャーナリストの堤未果先生の目にはアメリカの「実態経済がどんどん悪化し」たと見えるのですね。
ロシアのウクライナ侵攻は2022年2月ですが、その年の半年は沈みました。
しかし、その後は回復していているようにド素人の私には見えますが違いますか?

アメリカの実質GDPの推移
アメリカの雇用者数前月差と失業率の推移
※「第1章 第1節 欧米の景気 : 世界経済の潮流 2023年 Ⅱ - 内閣府」より引用


アメリカ(イギリス、イタリアも)がライセンスを持つ武器を、日本で造るのです。そこで2023年12月に防衛装備移転三原則運用のガイドラインの見直しを、自民党・公明党合計12人の実務者協議で決定。
国会審議を経ることなく少数の与党議員だけで、あっという間に方針が決まりました。
防衛装備移転制度の概要と見直し議論」によると変更されるまでに1年、具体的な検討を始めて半年かかっていますが、これを「あっという間」と言うのですね。
以下は該当箇所の引用になります。
令和 4(2022)年 12 月 16 日に閣議決定された国家安全保障戦略(以下「国家安全保障戦略」という場合この文書を指す。)及び国家防衛戦略では、「防衛装備品の海外への移転は、特にインド太平洋地域における平和と安定のために、力による一方的な現状変更を抑止して、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出や、国際法に違反する侵略や武力の行使又は武力による威嚇を受けている国への支援等のための重要な政策的な手段となる。
・・・
三文書の記述を受けて、自由民主党及び公明党は、防衛装備移転制度の見直しに関して、令和5(2023)年 4 月 25 日に実務者協議(以下「与党実務者協議」という。)を開始し、同年 7 月5 日に論点整理を取りまとめた。


ソーセージと法律は、作っているところを見せてはいけない
・・・
アメリカの中央銀行である連邦準備制度が作られたのは、上院議員たちが皆里帰りしているクリスマスイブ前夜でした。
連邦準備制度と書いているが、「ソーセージと法律・・・」というサブタイトルを付けているのだから、何らかの法によって連邦準備制度が作られたということでしょう。
常識的に法なく連邦準備制度を作れるとは思えませんしね。
調べると連邦準備法を根拠として作られていることがわかります。

その上で「連邦準備制度が作られたのは、上院議員たちが皆里帰りしている」を読むと、大丈夫かこいつは?ってなりますよね。
「皆」と言っているので、上院議員が誰もいないのに法律が作られたということになります。
「違和感」どころか「噓をつくなボケ!」となりますわ。

投票結果を「Voteview | Plot Vote: 63rd Congress > Senate > 185」で見ると、
賛成:43、反対:25、欠席 OR 棄権:18
で可決しています。
欠席した人がどのくらい居たかは不明だが、「上院議員たちが皆里帰りしている」はてんでデタラメです。

上院議員が不在なのに法律ができたとぬかす「国際ジャーナリスト」の話に耳を傾ける必要ありますかね。
こんなゴミ本は捨ててしまえ!って感じです。

遺伝子組み換え種子メーカーのモンサント社に、作付けした畑に被害があっても企業責任が免責される〈モンサント法〉が通過したのは、アメリカ中のメディアが横並びに、同性婚の是非についての最高裁の判決を取り上げていたタイミング。
「モンサント保護法」と呼ばれていますが、法律の内容が全く違います。
免責されるのではなく、承認されたものに対して異議申し立てが出ても生産を継続できるようにするものです。
詳細は以下のファクトチェックを参照。
Monsanto Protection Act | Snopes.com

「最高裁の判決を取り上げていたタイミング」を読んで、それがどの様なタイミングであるかを理解できる人はいますかね?
「モンサント保護法」が上院を通過したのは2013年3月20日です。
そのころの同性婚関連の最高裁判決を調べると2013年6月26日に判決が出た「United States v. Windsor - Wikipedia」が見つかりました。
理解できない表現をしていたのはこういうことですね。
関係ないことはわかっていたが、無理やり関係があるように書いたってことですな。

この後に「災害や芸能ニュース、政治家のスキャンダルなどでニュースが一色になった時は、あれ?と違和感を持って下さい。」などと書いているが、アホか!
こんなデマ屋のいうことは聞く必要ありません。
デマ屋のいうことは無視して、論理的矛盾があったら「違和感」を持ちましょう。

2023年6月16日。
人気俳優の永山絢斗容疑者が、大麻を所持した疑いで警視庁に逮捕されました。
・・・
しかし永山容疑者の逮捕と同じ日に、あるトンデモ法案が参議院で可決していたことを、知っている人はどれほどいるでしょう?
その名も、〈防衛財源確保法〉。
・・・
この法案で防衛費に回される、3つの財源を見てみましょう。
①歳出改革。
 →いろいろなところをカットして浮かせたお金を防衛費へ。例:児童手当など。
②決算剰余金
 →予算の余りを防衛費へ。例えば、コロナ禍の雇用対策のために確保した予算のうち余った分から防衛費に回す。
③国有財産の売却
 →NTT株や東京メトロなど、政府が保有する日本国内の資産をどんどん民間に売って、そのお金を防衛費に回す。
「防衛財源確保法」、正式名「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法」のことに触れています。
珍しく法律名は正しいですが、「3つの財源」とある中の2つである①③はこの法律とは関係ありません。

②も正確ではなく、予算ではなく基金からの繰り入れです。予算は憲法の規定で単年度執行であり繰り越しできません。
また、コロナ禍に関する基金だが雇用対策のものではない。

詳細は「防衛財源確保法に係る国会論議-防衛力強化資金の創設-」に詳しいですが、①③が間違いであることだけであれば「税外収入4.6兆円を確保、防衛財源の確保法が成立 - 日本経済新聞」だけで十分に理解できます。

法律に触れていたらデマだと思え!が堤氏の本を読むときの鉄則です。

人気俳優二人の不倫と大麻のダブルスキャンダルに気を取られているうちに、いつの間にか通過したこの法案、野党もびっくり仰天し、共産党の宮本徹議員は国会で政府をこう追及しました。
「予算を見て驚きました。コロナの雇用調整助成金1964億円を、一般会計に戻して、一体何に使うんです?
・・・
宮本議員の部分の引用は発言そのままではないが、要旨としては間違っていない。
法律が成立したのは2023年6月16日なのですが、宮本議員の発言は2024年2月6日です。

ここまで書いて「違和感」を持った人はデマ屋に対する耐性があるでしょう。
そうです。防衛財源確保法とコロナ雇用調整助成金は関係ありません。
半年以上経った後に聞いていたとしたらアホだと言われてしまいますね。

防衛財源確保法で一般会計に繰り入れるのは令和5年(2023年)度であって、令和6年(2024年)度ではないのです。
「政府は、令和五年度において、特別会計に関するXXXからの一般会計の歳入への繰入れをする」と法律にありますから。

私が以前取材したフィリピンでは、唯一の電装会社の株式の40%を中国企業に買われてしまい、電気という主要インフラを北京に握られたことに気づいた議員たちが真っ青になりました。
その取材は、さぞかし大変だったでしょうね。

2021年に出された堤氏のデマ本「デジタル・ファシズム」でこのことを触れていましたね。
その会社はNGCPという名前なのですが、その時には「電力会社」と呼んでいましたが、実際は「送電会社」です。
「送電会社」はNGCPだけでなく、National Transmission Corporationという国営送電公社もあります。

ちなみに、フィリピンには電装会社はもちろん複数あり、日系企業だけでもデンソー・住友電工の子会社があり、唯一ではありません。

セキュリティがまだこの状態の中で通信インフラを売ることで、データが筒抜けになることや、日本法人を迂回して外国に株式を買い占められることのリスクが、安全保障の議論のテーブルに上がらないのはなぜでしょう?
それは、あなたが知らないだけですね。
総務省|情報通信審議会|経済安全保障ワーキンググループ」で2024/2/14(このデマ本出版1か月以上前)から始まっています。

2023年4月7日。
ウクライナが、国際復興開発銀行から借りた復興資金を返せなかった時、日本が拠出国債という特殊な国債を発行し、連帯保証人国の一つとして利子も含めて肩代わりする法律が、参議院本会議で成立していたことをご存知ですか?
さすがエセ国際ジャーナリストですね。
噓ニュースで有名なロシアのスプートニクの受け売りですね。
ウクライナが債務不履行に陥った場合、「保証人」の日本が世界銀行の損失を負担=消息筋 - 2023年7月1日, Sputnik 日本

参政党の神谷宗幣議員が国会で質問しています。
【国会 5/9】 インフル等対策行動計画案はパブコメ反映を、ウクライナ支援予算は国防へ、NTT法は廃止するな | 参政党
参議院インターネット審議中継

出資額までしか信用補完しないので「利子も含めて肩代わりする」というのは誤りです。

詳細は以下で見てもらうとよいでしょう。
第211回国会における財務省関連法律 : 財務省
国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律 | e-Gov法令検索

併せて、ウクライナのインフラを受注する外資への融資を保証する「国際協力銀行(JBIC)法改正案」も成立しました。
少なくとも「融資の保証」というのは間違いで、単なる出資です。
新たに外資が対象になったように書いていますが、それも間違いです。

これは株式会社国際協力銀行法の第十一条に関する話です。
条文には「外国の法人等」とあり、何の制限もないように読めるが(例えば、日本の出資率0%の法人にも可能であるようにも読める)、改正前後で実質差は無く制限があると国会答弁しています。
新旧対照表を見ても、改正前後で制限がないように読めるのでよくわからないが、少なくとも堤氏の記述には間違いがあるということです。

2024年2月1日に東京で開催された「日・ウクライナ経済復興推進会議」に参加したのは、日本から80社、ウクライナから50社程度。
なにせ今回の復興ビジネスは、桁が違うのです。
日本が表明した支援額は、手始めに1.1兆円、エネルギーなどのインフラに、住宅、経済や地雷撤去などを含めると、今後10年で拡大する見込み予算は58兆円。
ミスリードの嵐ですね。

「日・ウクライナ経済復興推進会議」で1.1兆円の支援を発表したように読めますが、遅くても2023年6月21日時点で発表済みです。
そして、今後58兆円を日本が出すように読めますが、この数字は世界銀行などが試算した額であり、日本が全部出すわけではありません。

騙されてはいけませんよ。

セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は、かつて関東大震災の復興に尽力した後藤新平の存在や、自然災害大国の日本が持つ知見や技術力に期待しています。
文章能力がないですね。校正くらいはしましょうよ。
この記述では、「後藤新平の存在に期待しています」となってしまう。当たり前のようにもう亡くなっているので、存在しないし期待しても意味はない。
ただし、後藤新平の話を出したのは事実です。

2022年のロシア侵攻の前から、ウクライナは世界銀行やIMF(国際通貨基金)、欧米の銀行やヘッジファンドなどから多額の融資を受けている借金大国でした。
その額にして6.7兆円。2020年にはGDPの65.4%が借金という、凄まじい状態に陥っているので、例えば日本のような国から支援金が届いても、まずは借金の返済に回さなければいけません。
ウクライナにヘッジファンドが融資しますかね?調べた限り見つかりませんでしたが。

「GDPの65.4%が借金」ってGDPが何なのかわかっていないか、文章能力がないのか知らないがダメダメですね。
「GDPの65.4%が借金」が正しいとすると、GDPの65.4%が政府支出(しかも、それは政府借入金)でなければならない。
そんなことは常識的にあり得ない。
ウクライナの政府債務残高の推移 - 世界経済のネタ帳」を見ると政府の債務残高が対GDP比6割であることがわかる。
こんなゴミ本を読むと馬鹿になりますね。

さらに悪いことに、2014年にマイダン革命というクーデターが起きて国がボロボロになった時、ウクライナ政府は、消費者金融もびっくりの悪条件で有名な、IMFから、借金をしてしまったのです。
利子25%というだけで、どれほどブラックな契約か、想像がつくでしょう。
はぁ?何を言っているんだこのボケは。
2022年のウクライナ中銀の政策金利が25%という記事は見つかるが、そんな話はない。

Modern Cooperation Between Ukraine and the IMF」によると、2014年のIMFからの融資利率は3.25%とのことです。

過去に金融機関に勤めていたはずだが

岸田総理は、2023年4月の経済財政諮問会議で、こんな発言をしていました。
〈家計金融資産2100兆円を解放し、成長し続ける「資産運用立国」を実現します>2100兆円のうち約半分の1100兆円は、私たち国民の預貯金です。
この話をした時、前述したロンドンの金融アナリストが、ヒューッと口笛を吹いたことが忘れられません。
「ゆうちょ、年金ときて、次は1100兆円という巨大な預貯金が市場に流れてくるわけか。1%でも110兆円、外国人投資家連中は、聞いただけで目がギラギラ輝くな」
堤氏の本には存在するかわからない人がよく登場します。
この金融アナリスト・堤氏のどちらが間違っているかわからないが、超簡単な計算すらできないようです(編集者も含めて)。
1100兆円の1%が110兆円だって。
2013年の本「(株)貧困大国アメリカ」では12億の0.1%が100だと書いていました(120万なのですけどね)。

東京、大阪、福岡、札幌の4都市を「金融・資産運用特区」にし、海外からアセットマネージャーや金融のプロをどんどん呼び込み、彼らの家族の住居や子供の学校を準備し、短期滞在ですぐ永住権が取れるよう、法律をゆるめるというおもてなしぶりでした。
すべて決定事項のように書いているがデタラメです。

東京など4都市は金融庁の公募に申し込んだだけで、どこが特区になるかも決まっていないし、どのような規制緩和がされるかも決まっていない。
金融庁によると今年の夏にどんな内容とするかを公表する予定とのことなので、その後に法改正の手続きをするのでしょう。

永住権がどうのと書いてあるのは、大阪市が提案した内容であって何も決まっていない。
そもそも「永住権」という権利は日本には存在せず「永住許可」があるだけです。

まあ、よくもこんなデタラメをサラッと書きますね。

また、銀行や金融機関には、お客様に新NISAの良さをどんどん宣伝してもらわねばなりません。
ほう。銀行は金融機関ではないのですね。知りませんでしたわ。

なんてアホなことがあるか!
銀行と金融機関を並列で書いているので、銀行は金融機関に含まれない記述になっています。
校正すると「銀行などの金融機関」でしょうね。
低レベルさに頭が痛くなりますわ。
この人は証券会社に勤めていたのだけどね。

開始から1ヶ月で、新NISA口座は全国で2136万口座と、20%増加、買われた株は1位が米国株、2位が世界株(6割は米国株)の投資信託、日本株は3位という、アメリカ万歳の結果でした。
文章もわけが分からないし、内容もデタラメですね。

当たり前ですが、開始時点における新NISA口座はゼロです。
1か月でどのくらいの口座が増えたかはわからないが、ゼロとの比較なのでパーセンテージは出せません。
そのため「20%増加」と書いている時点で文章として成り立っていない。

「新NISAの開始から1ヶ月で、NISA口座は全国で2136万口座と、20%増加」なら文章としては成立していますが、そもそも数字が違うのですよね。

NISA口座数推移
※金融庁の「資産運用立国の実現」より引用

「2136万口座」は、2023年12月末時点の数字なので、新NISA開始は2023年12月だと思いますね。
ところがどっこい、新NISA開始は2024年1月なのですよ。
開始前の数字を持ち出して20%増加と言っているのです。
しかも、その20%というのは、2022年12月⇒2023年12月の増加率なのです。
ほれぼれするほどのデタラメさですね。

何が本当か嘘かわからないので、全て嘘であると思った方が良いでしょうね。
全て嘘であると思って読む本に意味があるのか?

2023年の国内企業倒産件数は、金融危機の余波を受けた2010年に次ぐ高水準、大手銀行も次々に消えています。
・・・まるで泥舟からいち早く逃げ出すかのように、今、みなさん揃って何十兆円相当もの株を大量に手放しています。
特に、1年間一度も自社株を売らなかったJPモルガンのCEOジェイミー・ダイモン氏までが、ついに1億5000万ドルの株式を手放した時には業界に激震が走り、不穏な噂は止まる気配がありません。
2023年には2010年に次ぐ規模で銀行が倒産したのですか。

2011年2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年
92512418858044005
※「米国金融機関の破綻件数(2023年) | 預金保険機構」のデータより

そのようには全く見えませんが。

ジェイミー・ダイモン氏の件も「JPモルガンCEO、1.5億ドルの持ち株を売却-トップ就任後で初 - Bloomberg」と受ける印象がまるで違いますね。
誰を信用しますか?

国民の違和感は9割正しい
堤未果
PHP研究所
2024/3/27

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