野菜ビジネス: 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める野菜の教養
「野菜ビジネス: 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める野菜の教養」(梅田みどり)を読みました。
本をぺらっとめくって変なことが書いてあると思ったので読んでみると勘違いでした。
特段興味があるわけではないので、品種・食の安全関連の部分をピックアップして読んでみました。
この記述からまともな本であるだろうことが想像されます。
ただし逆のとらえ方をすると、悲しいことにこれで話が済んでしまうのですよね。
しかし、名前の由来は間違っています。
青果業者の「プリンスの会」というのが評価したので「プリンス」とついたそうです。
そして、プリンスメロンはかの有名なサカタのタネが作ったそうです。
・【サカタのタネ(2)】「プリンス」メロン誕生秘話 No.1の品種開発 - YouTube
・プリンスメロン - Wikipedia
「作物研究部門:依頼照射の案内 | 農研機構」
他のは私が知らないだけかもしれないが。
現在は重イオンビーム照射じゃないですかね?
「イオン照射研究施設(TIARA)概要 - 量子科学技術研究開発機構」
「ゲノム編集技術により開発したGABA含有量を高めたトマトの2例目の届出提出について - サナテックライフサイエンス株式会社」
「F1品種は種を取ることが難しい」というのは大きな誤解がありませんかね?
種自体は普通に取れるが、F2でF1と同じようにきれいに性質が発現しないという話なのでは?
「Lecture Note」
これはよくわかっていないからでしょうね。
日本の在来種の野菜は全く消えていません。
日本の在来種にはウド、サンショウ、フキ、ミョウガ、ミツバ、ジュンサイ、セリなどがあり、昔のまま消えていません。
「伝統野菜といわれるもの」
在来品種の野菜はかなり減りましたけどね。
品種と種は全く別の分類です。各品種は同じ種です。
ちゃんと言葉を使い分けましょう。
このように品種についての知識は浅いようです。
「有機」は「有機JAS」でないとそう表示してはいけないこと、「無農薬」と表示してはいけないことはちゃんと書いているのでこの点はよいです。
農薬について気にすることはないという主旨のことを書かれていてよいのですが、残留農薬基準値とADIを混同しているようです。
方向性としては問題ないですが、もう少し調べてから本を書く方がよいでしょう。
野菜ビジネス: 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める野菜の教養
梅田みどり
インプレス
2024/5/17
本をぺらっとめくって変なことが書いてあると思ったので読んでみると勘違いでした。
特段興味があるわけではないので、品種・食の安全関連の部分をピックアップして読んでみました。
私がよく受ける質問に、「どんな野菜を食べたら良いのか」「栄養が豊富な野菜は何か」「どのような調理法で食べるのが効果的か」というものがあります。本の最初にこれが書かれていました。
これらに対する答えはただ1つ、「できるだけ多種多様な野菜を、様々な調理法で食べること」です。
この記述からまともな本であるだろうことが想像されます。
ただし逆のとらえ方をすると、悲しいことにこれで話が済んでしまうのですよね。
収穫量や病気に強い特性に改良した品種がたくさん育てられ、新品種も多く誕生しました。例えば、「プリンスメロン」は、マクワウリとヨーロッパのメロンを交配して生み出された品種で、当時の皇太子殿下(現上皇)の結婚を記念して名付けられました。マジで?と思って調べ得ると「マクワウリとヨーロッパのメロンを交配」したは正しいことがわかりました。
しかし、名前の由来は間違っています。
青果業者の「プリンスの会」というのが評価したので「プリンス」とついたそうです。
そして、プリンスメロンはかの有名なサカタのタネが作ったそうです。
・【サカタのタネ(2)】「プリンス」メロン誕生秘話 No.1の品種開発 - YouTube
・プリンスメロン - Wikipedia
・放射線育種(現在はガンマ線照射)ガンマフィールドは廃止しているが、今でもガンマ線照射をやっているのですかね?
人工的に突然変異を起す品種改良の方法です。野菜では、トマトやレタスなどが品種改良に成功しています。
「作物研究部門:依頼照射の案内 | 農研機構」
他のは私が知らないだけかもしれないが。
現在は重イオンビーム照射じゃないですかね?
「イオン照射研究施設(TIARA)概要 - 量子科学技術研究開発機構」
・ゲノム編集技術GAVAではなくGABAです。
野菜の特定のDNA配列を切り取り、修復することで遺伝子を変更できる品種改良の技術です。これまでに、GAVA増量トマトや変色しにくいレタス、種のないピーマンなどが開発されています。
「ゲノム編集技術により開発したGABA含有量を高めたトマトの2例目の届出提出について - サナテックライフサイエンス株式会社」
戦後に開発されたF1品種は、形や味がよく栽培しやすい野菜を作り出すという点で、大きな進歩で↓。ただし、F1品種は種を取ることが難しいという課題もあります。「形や味がよく」というのはF1品種であることが理由ではなく、栽培技術の話だと思います。
「F1品種は種を取ることが難しい」というのは大きな誤解がありませんかね?
種自体は普通に取れるが、F2でF1と同じようにきれいに性質が発現しないという話なのでは?
「Lecture Note」
約50年間、日本の野菜の在来種は、市場からほぼ姿を消しました。間違っています。
これはよくわかっていないからでしょうね。
日本の在来種の野菜は全く消えていません。
日本の在来種にはウド、サンショウ、フキ、ミョウガ、ミツバ、ジュンサイ、セリなどがあり、昔のまま消えていません。
「伝統野菜といわれるもの」
在来品種の野菜はかなり減りましたけどね。
品種と種は全く別の分類です。各品種は同じ種です。
ちゃんと言葉を使い分けましょう。
このように品種についての知識は浅いようです。
「有機」は「有機JAS」でないとそう表示してはいけないこと、「無農薬」と表示してはいけないことはちゃんと書いているのでこの点はよいです。
農薬について気にすることはないという主旨のことを書かれていてよいのですが、残留農薬基準値とADIを混同しているようです。
方向性としては問題ないですが、もう少し調べてから本を書く方がよいでしょう。
野菜ビジネス: 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める野菜の教養
梅田みどり
インプレス
2024/5/17
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