自壊する欧米 ガザ危機が問うダブルスタンダード

「自壊する欧米 ガザ危機が問うダブルスタンダード」(内藤正典、三牧聖子)を読みました。
と言いつつ、最後まで読む気にならず最初の50ページで終了。
イスラエルがあからさまな過剰防衛であることには同意するが内容が偏り過ぎでした。
少なくともアフガニスタンは安保理決議に基づく行動ですよ。
以下は、「外務省: 安保理決議1368(訳文)」より引用です。
マジで意味がわからないですか?
降伏したら、ハマスは殺してもそうでない人を殺さないとは思うので、命を得られますよ。
えらい無知ですね。
広島の原爆では投下当日に5万人の死者が出ているそうだ。
「快晴の朝がたちまち地獄に……リトルボーイとファットマンの投下から75年 - BBCニュース」
1945年3月9日夜から翌10日の明け方にかけての東京大空襲では10万人の死者が出たそうです。
「東京大空襲 | NHK for School」
両方とも1日の被害ですが、それよりも大分少ないガザは「現代史における最短のペースで最悪の破壊」なのですね。
『バイデン米大統領、パレスチナ発表の死者数に「確信ない」 | ロイター』
記事のタイトルだけでも誤りだとわかります。
「ガザ保健省が発表する犠牲者数は信用できない」ではなく「パレスチナ側が使っている数字に確信はない」と言っています。
信用と確信では全く意味が違いますよね。
動画では無理ですが、対談本ならば出版前にチェックをして修正することも可能だが、少なくともそれをやっていないということがわかります。
ということで、偏った主張でかつ信用ならない本であると認識したので読むことを途中で止めました。
自壊する欧米 ガザ危機が問うダブルスタンダード
集英社
2024/4/17
と言いつつ、最後まで読む気にならず最初の50ページで終了。
イスラエルがあからさまな過剰防衛であることには同意するが内容が偏り過ぎでした。
アフガン戦争はテロ?
アルカイダ殲滅作戦と同時に、アメリカ軍もNATO同盟国もタリバンと戦った。トルコは軍を派遣したが、偵察任務だけで戦闘には参加しなかった。意図的に無差別攻撃をしたのならば分からんでもないが、アフガニスタンはそうだったのですか?
タリバンにとって、アメリカもNATO同盟国も侵略者であり占領軍だった。そこで民間人に多数の犠牲者が出た。タリバンとは無関係の住民から見れば、アメリカがテロ国家であり、戦闘に従事した国も同様だった。
非戦闘員の中でも、子どもや赤ちゃんとその母親を殺害する行為は、テロ以外のなにものでもない。
少なくともアフガニスタンは安保理決議に基づく行動ですよ。
以下は、「外務省: 安保理決議1368(訳文)」より引用です。
2001年9月11日のテロ攻撃に対応するため、またあらゆる形態のテロリズムと闘うため、国連憲章のもとでの同理事会の責任に従い、あらゆる必要な手順をとる用意があることを表明する。
マジで意味がわからない?
ようやく今になって、「民間人への犠牲を最小にするような攻撃をしてほしい」ということは言っていますけれども、止めろとは言わない。停戦させようとして国連の安全保障理事会で協議したときも、シーズファイア(ceasefire:停戦)とは言わないわけですよね。「シーズファイアはダメだ」と。意味がわからないですよね、あの理屈は。ヒューマニタリアン・ポーズ(humanitarian pause:人道的一時停戦)ならいいと。意味がわからないそうなので、ChatGPTに「人道的一時停戦」と「停戦」の違いを聞いてみました。
Humanitarian Pause(人道的一時停戦)目的がまるっきり違うようですね。
目的: 主に人道的な理由で行われる一時的な停戦です。これは、戦闘地域での人道的な援助活動を可能にするために設けられます。
Ceasefire(停戦)
目的: より広範な政治的または軍事的合意に基づいて戦闘行為を停止するものです。これは、和平交渉や紛争の解決に向けたステップとして行われることが多いです。
マジで意味がわからないですか?
命は不要?
当初、戦争が始まる前の段階では、ガザ市民は必ずしもハマスを支持していなかった。しかし、戦争が始まって日が経つにつれて、ガザの人は、これ以上失うものがないところまで追いつめられてしまいました。序章でも言及したとおり、この状況下で、イスラエルに対して何らかの妥協をする、あるいは、ハマスに降伏してほしいとかいうことは、まったく考えてないだろうと思うのです。今、降伏しても、何も得られないわけですから。命を失うことは問題ではないのですか?
降伏したら、ハマスは殺してもそうでない人を殺さないとは思うので、命を得られますよ。
現代史における最短のペースの死者数?
このお話をしている本日、2023年12月22日の時点でガザ市民の犠牲は2万人超、さらには220万人のうちほとんどの住民が強制移住(国内避難民の)状態にあります。ただ、瓦礫の下にも相当な数の方が亡くなっているだろうということで、犠牲者の数は、2万人でも少な過ぎるのではないかというような見方もあります。ふ~ん。
イスラエルのガザにおける軍事作戦は、現代史における最短のペースで最悪の破壊をもたらしつつあります。AP通信によれば、ガザでは戦闘開始から2ヵ月あまりで、2012年から2016年にかけてシリアのアレッポで行なわれた破壊、2022年にウクライナに侵攻したロシア軍によって包囲されたマリウポリの破壊、第二次世界大戦中の連合国によるドイツ空襲以上の烈度の破壊がもたらされたといいます。
えらい無知ですね。
広島の原爆では投下当日に5万人の死者が出ているそうだ。
「快晴の朝がたちまち地獄に……リトルボーイとファットマンの投下から75年 - BBCニュース」
1945年3月9日夜から翌10日の明け方にかけての東京大空襲では10万人の死者が出たそうです。
「東京大空襲 | NHK for School」
両方とも1日の被害ですが、それよりも大分少ないガザは「現代史における最短のペースで最悪の破壊」なのですね。
捏造はダメですね
これらのガザ保健省が出す犠牲者数については、世界保健機関(WHO)などによっても信頼に足るものと認められています。ヨーロッパの人権団体が出している数字も、ガザの保健省が出している数字と、おおむね合致しています。しかしバイデン大統領は「パレスチナ側が出してきた数字は信用できない」と、これまでに複数回、ガザ保健省が出した犠牲者数に疑いを投げかけてきました。これがユダヤ人の死者であった場合、死者の数に疑問を呈することなど許されないはずでしょう。ホロコーストを否定することになってしまいかねない。でもパレスチナ人に対してはそれを平気でやってしまうわけです。10月下旬、バイデン大統領が「ガザ保健省が発表する犠牲者数は信用できない」と発言した際には、ガザ保健省が抗議の意味を込めて、数千人の犠牲者の氏名一覧を公表したこともありました。バイデン大統領はそんなことを言っていません。
『バイデン米大統領、パレスチナ発表の死者数に「確信ない」 | ロイター』
記事のタイトルだけでも誤りだとわかります。
「ガザ保健省が発表する犠牲者数は信用できない」ではなく「パレスチナ側が使っている数字に確信はない」と言っています。
信用と確信では全く意味が違いますよね。
動画では無理ですが、対談本ならば出版前にチェックをして修正することも可能だが、少なくともそれをやっていないということがわかります。
ということで、偏った主張でかつ信用ならない本であると認識したので読むことを途中で止めました。

集英社
2024/4/17
この記事へのコメント
それは日本史においての話ですよね。
世界史においては、第二次世界大戦を含んだり、第一次世界大戦後だったりもしますよね。
https://kotobank.jp/word/%E7%8F%BE%E4%BB%A3-60822
ナイジェリア内戦では比較にならないほどの死者が出ています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Nigerian_Civil_War