ヤバい“食”のデマ屋に潰される“農”⑤エセ医療談義
「ヤバい“食” 潰される“農” 日本人の心と体を毒す犯人の正体」(堤未果、藤井聡)を読みました。
第5回は『第4章 食料「自決権」のヒントは地方にあり』がツッコミ対象です。
新潟の情報は見つけられなかったので東北地方のデータを見てみましょう。
農村におけるリウマチ性疾患の地域別統計調査成績
この統計で一番患者の多い昭和52年で、10万人あたり150人強がリウマチとなっています。
この統計は、対象が農村であって農業従事者ではない。
農村に農家が10万人あたり300人程度しかいなかったら藤井氏の言うことが正しくなる。
常識的にありえないので馬鹿らしいが、一応調べましょう。
東北農業の現状と課題
平成3年時点で、農家率 20.7%、専業農家率 8.3% なので、全体に占める専業農家は 1.7% です。
昭和52年時点で農家はより多かっただろうから、保守的にこの数字を使うのは問題ありませんね。
農村において「10万人あたり150人強がリウマチ」なので、0.15%がリウマチとなります。
専業農家の1/10以下であるので、「大半の農業従事者がリウマチになっていた」というのはデタラメであることが確認できました。
以下のとおり種子法は「品種の開発」とは関係ありません。
※農林水産省の資料を一部改変(赤枠をつけている)して以下引用
堤氏は「種の開発」と言っていますが「品種の開発」と書き換えて紹介しています。
「種の開発」など少なくとも農業に関係するところではやっていません。
種と品種の違いもいつになったら理解するのやら。
そして、種子法は、普及について触れていますが「安価」であることを求めていません。
高いと普及を妨げるだろうが適正価格であれば普及します。
8条2000文字に満たない条文をいつになったらこのデマ屋は読むのだろうか?
海外慣行農産物よりも国内有機で経費が下がって、しかもそれで農家が助かるそうです。
有機農業では慣行農業よりも収量は減るし、労働コストも上がるのに、原材料経費が下がるのですって。
農家はそれこそやっていられません。
これだけでも、この人の言うことに聞く価値がないと分かりますね。
「おいしい給食」と言うが、有機だとなぜおいしくなるのですか?
スキルの無い人が作ればファイトケミカル満載で子供が望まないもの(苦いとか)になると思うが。
有機がおいしいと錯覚される最大の原因は品種と鮮度(スーパーのはサイクルが悪いから微妙だが)でしょうね。
慣行農業でも同じ品種・鮮度だったら、差は感じられないと思う。
「健康になる」もダメですね。
こういうデタラメを言う人がいるから、有機農業が棄損されるのですよね。
そんな根拠があるのならば教えてください、著名な「国際ジャーナリスト」様よ。
間違っても「ゼン・ハニーカットさんが・・・」などと言わないでね。
『「農」の持続性を支えてゆく』もヒドイ。
輸入食材よりも「経費が下がる」のに、なぜ持続的なのですか?
補助金じゃぶじゃぶも全くもって「持続的」ではないですよ。
「農業を中心に、教育、医療、生産、流通、経済が回っていく」も何も理解していない。
農業は経費が抑えられるので廃業するしかないし、
こんなデタラメを教えたら「教育」は破綻するし、
「何より健康になる」ならば医療は回らないのでは?
それに、ローカル循環だと流通が減るのでは?
そもそも、ローカルで消費できないので、外に出しているので、ローカルで循環させるということは、
実入りが減るし、不作の時にはどうするのですかね?
その本を読みましたが、浅い知識と矛盾だらけの内容でした。
しかし、赤字の部分は凄いですね。
万葉集が残っている奈良時代より前の日本人がどんな感性を持っていたかは知るすべはないと思うのですが、国際ジャーナリスト様の手にかかれば、思い出せるそうです。
堤先生ならばアウストラロピテクスの感性も思い出せるでしょう。
「令和4年度 予算執行調査の結果を公表します(7月公表分) : 財務省」から、その
「高額医療費負担の廃止」なるものを確認できます。
「総括調査票 令和4年7月公表分(34事案)」で詳細は確認できますが、概要を以下にまとめます。
・レセプト1件当たり80万超の場合は、高額医療費負担金として国が1/4を出している
・負担する下限を平成18年に70万から80万に上げて以来変更していない
・行政側の負担額が増え続けている
これを
・国の負担率を減らし、都道府県側に移す
・下限を80万から上げる
このような方向性で検討していくという内容です。
ということで「高額医療費負担の廃止」では全くない。
前提が狂っているので、廃止の「先回りして対策を講じている」などはあり得ない。
佐久市を例に出しているが、佐久市の取り組みは2006年度から始まっています。
詳細は「第 2 次佐久市健康づくり 21 計画 最終評価報告書」を参照のこと。
「医療費が下がったんです」も事実に反します(寿命は延びたが、寿命と健康寿命の差は変わらず)。
「佐久市国民健康保険 第3期保健事業実施計画(データヘルス計画)第4期特定健康診査等実施計画【概要版】」を見ると、ひとり当たりの医療費は平成30年から令和4年にかけて一貫して増えています(年齢調整したら少しは変わるだろうが)。
ということで、嘘だらけです。
なお、佐久市のページで「健康指数」と検索しても1件もヒットしません。
ヤバい“食” 潰される“農” 日本人の心と体を毒す犯人の正体
堤未果、藤井聡
ビジネス社
2024/6/20
第5回は『第4章 食料「自決権」のヒントは地方にあり』がツッコミ対象です。
リウマチ
藤井聡:新潟の貧農の家に生まれた角栄は、豪雪地帯・新潟の冬がどれだけ厳しい環境か、農家にとって過酷な状況かというのをよく知っていました。嘘をつくな!
春になっても、雪解け水が冷たすぎて大半の農業従事者がリウマチになっていたというような厳しさです。
新潟の情報は見つけられなかったので東北地方のデータを見てみましょう。
農村におけるリウマチ性疾患の地域別統計調査成績
この統計で一番患者の多い昭和52年で、10万人あたり150人強がリウマチとなっています。
この統計は、対象が農村であって農業従事者ではない。
農村に農家が10万人あたり300人程度しかいなかったら藤井氏の言うことが正しくなる。
常識的にありえないので馬鹿らしいが、一応調べましょう。
東北農業の現状と課題
平成3年時点で、農家率 20.7%、専業農家率 8.3% なので、全体に占める専業農家は 1.7% です。
昭和52年時点で農家はより多かっただろうから、保守的にこの数字を使うのは問題ありませんね。
農村において「10万人あたり150人強がリウマチ」なので、0.15%がリウマチとなります。
専業農家の1/10以下であるので、「大半の農業従事者がリウマチになっていた」というのはデタラメであることが確認できました。
いつになったら種子法の条文を読みますか?
堤未果:お米や麦や大豆という主食の種の開発と安価な普及に行政が責任を持つ「主要農作物種子法」定番のデマですね。
以下のとおり種子法は「品種の開発」とは関係ありません。
※農林水産省の資料を一部改変(赤枠をつけている)して以下引用
堤氏は「種の開発」と言っていますが「品種の開発」と書き換えて紹介しています。
「種の開発」など少なくとも農業に関係するところではやっていません。
種と品種の違いもいつになったら理解するのやら。
そして、種子法は、普及について触れていますが「安価」であることを求めていません。
高いと普及を妨げるだろうが適正価格であれば普及します。
8条2000文字に満たない条文をいつになったらこのデマ屋は読むのだろうか?
低レベルさに読んでいるこちらが恥ずかしくなる
堤未果:それまでは冷凍品や加工品の、海外産が原料の安い食材を使っていたものが、地元産の有機材料が入ってくるでしょう?ひどいものですわ。
農業資材とエネルギー価格が高騰している今、経費が下がって農家が経済的に助かるのに加えて、学校で子供が、こうして作られたおいしい給食を食べることで、地元や農業に興味を持つようになりますし、何より健康になる。
食べ残しが減るので、フードロスも減る。
すると各家庭でも「それならうちもその食材を使おうか」と輪が広がってゆく。結果的に、地域みんなでいろいろな角度から、「農」の持続性を支えてゆくことになるんです。
・・・
農業を中心に、教育、医療、生産、流通、経済が回っていく。
海外慣行農産物よりも国内有機で経費が下がって、しかもそれで農家が助かるそうです。
有機農業では慣行農業よりも収量は減るし、労働コストも上がるのに、原材料経費が下がるのですって。
農家はそれこそやっていられません。
これだけでも、この人の言うことに聞く価値がないと分かりますね。
「おいしい給食」と言うが、有機だとなぜおいしくなるのですか?
スキルの無い人が作ればファイトケミカル満載で子供が望まないもの(苦いとか)になると思うが。
有機がおいしいと錯覚される最大の原因は品種と鮮度(スーパーのはサイクルが悪いから微妙だが)でしょうね。
慣行農業でも同じ品種・鮮度だったら、差は感じられないと思う。
「健康になる」もダメですね。
こういうデタラメを言う人がいるから、有機農業が棄損されるのですよね。
そんな根拠があるのならば教えてください、著名な「国際ジャーナリスト」様よ。
間違っても「ゼン・ハニーカットさんが・・・」などと言わないでね。
『「農」の持続性を支えてゆく』もヒドイ。
輸入食材よりも「経費が下がる」のに、なぜ持続的なのですか?
補助金じゃぶじゃぶも全くもって「持続的」ではないですよ。
「農業を中心に、教育、医療、生産、流通、経済が回っていく」も何も理解していない。
農業は経費が抑えられるので廃業するしかないし、
こんなデタラメを教えたら「教育」は破綻するし、
「何より健康になる」ならば医療は回らないのでは?
それに、ローカル循環だと流通が減るのでは?
そもそも、ローカルで消費できないので、外に出しているので、ローカルで循環させるということは、
実入りが減るし、不作の時にはどうするのですかね?
それはすごいですね~
堤未果:菌ちゃん先生こと、長崎の吉田俊道さんが指導している「菌ちゃん農法」。実は菌ちゃん先生は、私が「食が壊れる」で取材して、その考え方にとても感動した方の一人なんです。菌ちゃん農法ね~。
・・・まさに縄文時代の日本人が持っていた感性を思い出すことになる不思議な農法です。
その本を読みましたが、浅い知識と矛盾だらけの内容でした。
しかし、赤字の部分は凄いですね。
万葉集が残っている奈良時代より前の日本人がどんな感性を持っていたかは知るすべはないと思うのですが、国際ジャーナリスト様の手にかかれば、思い出せるそうです。
堤先生ならばアウストラロピテクスの感性も思い出せるでしょう。
高額医療費負担金
堤未果:2022年7月に、財務省が「国民健康保険の高額医療費負担の廃止を検討します」と発表したのを覚えていますか?毎度のことですがデマです。
SNSでは「とんでもない!」「弱者切り捨てか!」と怒りの投稿が拡散されていましたが、地方の反応はもっとシビアです。
反対しても国はこれをゴリ押ししてくるだろう、と踏んで、先回りして対策を講じている地域もあるんですよ。
例を挙げましょう。例えば長野県佐久市では、住民たちが自前で考えた、「病院にかからなくてもいいように、健康指数を底上げする」プロジェクトを実施しています。
・・・
これによって、地域全体の健康指数が底上げされ、医療費が下がったんです。
「令和4年度 予算執行調査の結果を公表します(7月公表分) : 財務省」から、その
「高額医療費負担の廃止」なるものを確認できます。
「総括調査票 令和4年7月公表分(34事案)」で詳細は確認できますが、概要を以下にまとめます。
・レセプト1件当たり80万超の場合は、高額医療費負担金として国が1/4を出している
・負担する下限を平成18年に70万から80万に上げて以来変更していない
・行政側の負担額が増え続けている
これを
・国の負担率を減らし、都道府県側に移す
・下限を80万から上げる
このような方向性で検討していくという内容です。
ということで「高額医療費負担の廃止」では全くない。
前提が狂っているので、廃止の「先回りして対策を講じている」などはあり得ない。
佐久市を例に出しているが、佐久市の取り組みは2006年度から始まっています。
詳細は「第 2 次佐久市健康づくり 21 計画 最終評価報告書」を参照のこと。
「医療費が下がったんです」も事実に反します(寿命は延びたが、寿命と健康寿命の差は変わらず)。
「佐久市国民健康保険 第3期保健事業実施計画(データヘルス計画)第4期特定健康診査等実施計画【概要版】」を見ると、ひとり当たりの医療費は平成30年から令和4年にかけて一貫して増えています(年齢調整したら少しは変わるだろうが)。
ということで、嘘だらけです。
なお、佐久市のページで「健康指数」と検索しても1件もヒットしません。
ヤバい“食” 潰される“農” 日本人の心と体を毒す犯人の正体
堤未果、藤井聡
ビジネス社
2024/6/20
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