食のデマの属国日本③:少しは国の資料を見たらどうですか?
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「食の属国日本」(鈴木宣弘)を読みました。
※既出のデマは基本的に細かく記載しません。過去ログのリンクかタグを見てください。
三回目は「第二章 なぜ、自給率を重視せず「有事立法」なのか」がツッコミ対象です。
食料自給率に関する改正内容を見てもらえば、元々あるので、仮に削除されていたのならば「復活した」と書くべきだ。

※「食料・農業・農村基本法 | e-Gov 法令検索」より引用
左が新しい、右が古い条文
「中間取りまとめ」の内容を「基本法検証部会(令和5年5月29日)配布資料:農林水産省」から見てみましょう。
「国内農業生産の増大を基本としつつ、輸入の安定確保や備蓄の有効活用等も一層重視」
とあり、自給率向上が書かれています。
世界で自国だけですべてをまかなうことなどできない。
現代農業では石油が必要だが、その自給がほぼゼロである日本は食料自給率がゼロなのか?
そのような非合理的な算出方法を採用している国があるなら、教えてもらいたいですね。
この根本がくるっているので、この人の言うことは一切聞く必要がないのだよ。中には良い意見もあるかもしれないが、砂漠の砂からダイヤモンドを探すのは不毛だ。
正しい定義は以下です。
食料自給率 = 国内生産量/(国内生産量 + 輸入量 - 輸出量 + 在庫変動量)
※「食料自給率とは:農林水産省」参照のこと
在庫分を省略するのはまあよいとして、輸出量を無視しています。
例えば、国内生産=100、輸入量=50、輸出量=50とした時に、鈴木氏の定義では 67% = 100/(100 + 50) ですが、実際は 100% = 100/(100 + 50 - 50) です。
「はじめに」で触れた「海外への輸出を図る」部分を無視していることに通じるのでしょう。
具体的に何が特定食料に含まれるかは、「食料供給困難事態対策法施行令」という政令で規定されています。
政令にサツマイモが無いのは確かですが『サツマイモを消しても「悪法」の本質が変わるわけではない』とは、ちゃんと法律を読んだか疑わしい記述ですね。
ちゃんと読んでいれば「法からサツマイモを消した」のではなく、「政令にサツマイモを含めなかった」というのが正しいでしょう。
制定される順番は、法律⇒政令なのだが、国会の時点でどのように言及されていたか国会議事録を見てみました。
まとめると次になります。リンクは関係する議事録へのものです。
・特定食料で想定しているのは「米、小麦、大豆、その他の油糧種子、畜産物、砂糖」
・野菜は「供給熱量に占める割合が三%にすぎないこと、あと、種類間の代替性が高く、特定の野菜の供給減少に対してもほかの野菜により代替が可能である」ため特定食料に含めることは想定していない
・イモは「種芋の生産、そして育苗等、種苗の確保のための期間を含めれば一年から二年の期間を要する」のですぐには増産できない
そもそも、「不測時における食料安全保障に関する検討会:農林水産省」にある「取りまとめ(案)概要」では「米、小麦、大豆(食用・油糧用)、その他の植物油脂原料(なたね、パーム油)、畜産物(鶏卵、食肉、乳製品)、砂糖」とあり、検討段階からサツマイモは含まれていない。
上記から、法制定前からサツマイモを入れることを想定しておらず、「増産要請品目からサツマイモを消しておけばよいだろうと、農水省はサツマイモを消した」という主張はあからさまにおかしい。
比較するならば韓国・台湾でしょうに。なぜこういうかは以下のグラフを見てもらえば理解できると思います。

※FAOの2018年データより作図
アメリカは一人当たりの耕地が日本の14倍あるのに穀物自給率は4倍しかないのに「日本との差は歴然としている」らしいですよ。
平成17年の『「食料・農業・農村基本計画工程表」について』に食料自給率に関する工程表が示されています。
以下はその資料からの引用です。

■既出デマ
・生産能力のないひとに増産させる
・米を食うとバカになると言った人がいる
・農林水産省の食生活を和食中心にすると食料自給率が改善されるというレポートにアクセスできなくなっている
食の属国日本: 命を守る農業再生
鈴木宣弘
三和書籍
2025/3/5
※既出のデマは基本的に細かく記載しません。過去ログのリンクかタグを見てください。
三回目は「第二章 なぜ、自給率を重視せず「有事立法」なのか」がツッコミ対象です。
もともと記載があります
驚くべきことに、現行基本法の検証時における「中間取りまとめ」の段階から、食料自給率は、「国内生産と消費に関する目標の一つ」と、その位置づけはむしろ低下させられていた。またデタラメを書いているよ。
・・・
肝心の食料自給率については、与党からの要請を受け、「食料自給率向上」という文言が加えられはしたものの、なぜ自給率向上が必要で、そのためにどんな抜本的な施策を講じるべきという提言は、一切なされないままだ。
食料自給率に関する改正内容を見てもらえば、元々あるので、仮に削除されていたのならば「復活した」と書くべきだ。

※「食料・農業・農村基本法 | e-Gov 法令検索」より引用
左が新しい、右が古い条文
「中間取りまとめ」の内容を「基本法検証部会(令和5年5月29日)配布資料:農林水産省」から見てみましょう。
「国内農業生産の増大を基本としつつ、輸入の安定確保や備蓄の有効活用等も一層重視」
とあり、自給率向上が書かれています。
食料自給率は生産要素・資材と一体的な指標である。いつものことだが、根本から間違っているのですよ。
なぜなら、生産要素・資材がなく、食料生産ができなければ、食料自給率は実質ゼロになる。これは、今も、飼料の自給率が勘案された結果、三八%という自給率が計算されていることからもわかる。
世界で自国だけですべてをまかなうことなどできない。
現代農業では石油が必要だが、その自給がほぼゼロである日本は食料自給率がゼロなのか?
そのような非合理的な算出方法を採用している国があるなら、教えてもらいたいですね。
この根本がくるっているので、この人の言うことは一切聞く必要がないのだよ。中には良い意見もあるかもしれないが、砂漠の砂からダイヤモンドを探すのは不毛だ。
食料自給率の定義が間違っている
"カロリーベース"と"生産額ベース"という二つの自給率の指標の扱いについても触れておく。見事に自給率の定義が間違っています。
なお、カロリーベースは、食料をエネルギー(カロリー)に換算し、全体のうち国内生産で賄っている割り合い。生産額ベースは、食料全体を生産額に置き換え、そのうち国内生産で賄われている額の割り合いをさす。
正しい定義は以下です。
食料自給率 = 国内生産量/(国内生産量 + 輸入量 - 輸出量 + 在庫変動量)
※「食料自給率とは:農林水産省」参照のこと
在庫分を省略するのはまあよいとして、輸出量を無視しています。
例えば、国内生産=100、輸入量=50、輸出量=50とした時に、鈴木氏の定義では 67% = 100/(100 + 50) ですが、実際は 100% = 100/(100 + 50 - 50) です。
「はじめに」で触れた「海外への輸出を図る」部分を無視していることに通じるのでしょう。
サツマイモは最初から特定食料ではない
現場では、この「支援はせずに罰則で脅す」強制増産命令の有事立法(食料供給困難事対策法)に対して、批判が巻き起こっていると聞く。ちなみに、サツマイモを増産要請品目から消したといっていますが、食料供給困難事対策法では「増産要請品目」という言葉はなく「特定食料」と言います。
・・・
実際にいきなりイモを作る難しさについて、その法律の立案者は考えたことすらないのだろう。
・・・
しかも、サツマイモが象徴的に取り上げられて世論の批判を浴びたから、増産要請品目からサツマイモを消しておけばよいだろうと、農水省はサツマイモを消した。サツマイモを消しても「悪法」の本質が変わるわけではないのに、なんと姑息でお粗末な発想だろうか。
具体的に何が特定食料に含まれるかは、「食料供給困難事態対策法施行令」という政令で規定されています。
政令にサツマイモが無いのは確かですが『サツマイモを消しても「悪法」の本質が変わるわけではない』とは、ちゃんと法律を読んだか疑わしい記述ですね。
ちゃんと読んでいれば「法からサツマイモを消した」のではなく、「政令にサツマイモを含めなかった」というのが正しいでしょう。
制定される順番は、法律⇒政令なのだが、国会の時点でどのように言及されていたか国会議事録を見てみました。
まとめると次になります。リンクは関係する議事録へのものです。
・特定食料で想定しているのは「米、小麦、大豆、その他の油糧種子、畜産物、砂糖」
・野菜は「供給熱量に占める割合が三%にすぎないこと、あと、種類間の代替性が高く、特定の野菜の供給減少に対してもほかの野菜により代替が可能である」ため特定食料に含めることは想定していない
・イモは「種芋の生産、そして育苗等、種苗の確保のための期間を含めれば一年から二年の期間を要する」のですぐには増産できない
そもそも、「不測時における食料安全保障に関する検討会:農林水産省」にある「取りまとめ(案)概要」では「米、小麦、大豆(食用・油糧用)、その他の植物油脂原料(なたね、パーム油)、畜産物(鶏卵、食肉、乳製品)、砂糖」とあり、検討段階からサツマイモは含まれていない。
上記から、法制定前からサツマイモを入れることを想定しておらず、「増産要請品目からサツマイモを消しておけばよいだろうと、農水省はサツマイモを消した」という主張はあからさまにおかしい。
比較対象の選択がアホすぎる
1965年度に73%の水準を記録して以降、緩やかに下がり続けた。2000年度以降は、40%前後からじわじわと下がりつつある。とうとう比較対象すらまともに選べなくなりましたか。
海外に目を転じてみると、カナダは264%、オーストラリア224%、米国130%、フランス127%(2013年度、農水省試算)などとなっており、日本との差は歴然としている。
比較するならば韓国・台湾でしょうに。なぜこういうかは以下のグラフを見てもらえば理解できると思います。

※FAOの2018年データより作図
アメリカは一人当たりの耕地が日本の14倍あるのに穀物自給率は4倍しかないのに「日本との差は歴然としている」らしいですよ。
無知なのがバレバレ
戦後の米国の占領政策により米国の余剰農産物の処分場として食料自給率を下げていくことを宿命づけられた我が国は、これまでも「基本計画」に基づき自給率目標を五年ごとに定めても、一度もその実現のための行程表も、予算も付いたことがなかった。また嘘八百ですね。
平成17年の『「食料・農業・農村基本計画工程表」について』に食料自給率に関する工程表が示されています。
以下はその資料からの引用です。

■既出デマ
・生産能力のないひとに増産させる
・米を食うとバカになると言った人がいる
・農林水産省の食生活を和食中心にすると食料自給率が改善されるというレポートにアクセスできなくなっている
食の属国日本: 命を守る農業再生鈴木宣弘
三和書籍
2025/3/5
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