東大教授はグリホサートの使い方を知らずに叩いている?

東京大学山室真澄教授がまたおかしなツイートをしていたのでブログ記事ともどもツッコミます。
よくもまぁ東大教授という肩書の人間が、簡単に調べれば間違いであるとわかることを書くなぁ。
そのため、それなりの残留量があります。

※農林水産省の「輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の分析結果」をもとに作図
しかし、稲にはプレハーベストは認められていないので、その濃度も少ないです。

※農林水産省の「輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の分析結果」をもとに作図
輸入小麦と輸入米を比べると格段に輸入米の方が残留量・検出割合が低いですね。
稲にはプレハーベストは認められていないのに、なぜ残留しているのでしょうか?
「Glyphosate drift to rice a problem for all of us」
によると、空中散布によるドリフト(水田以外の所に散布したものが稲にかかってしまった)が原因とのこと。
小麦に比べて検出率・検出濃度が低いことからも、ドリフトであることは想像はできますね。
・国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について:農林水産省
・米麦の残留農薬等の調査結果:農林水産省
グリホサートが水田でどのように使われるか
「農薬登録情報提供システム」で調べました。

グリホサートは、非選択性除草剤であり稲に沢山かけてしまうと枯れてしまうので、そのような使い方は当たり前ですが認められていません(そもそも農薬メーカーはそのような無意味な申請はしない)。
稲の芽が出る時に認められるのは畔だけ。
収穫前日まで畔に散布できるのだから残留するだろうが!と思う人がいるかもしれない。
しかし、稲刈りの10日前に田んぼの水を抜くので、畔⇒水⇒稲⇒種子(米)という移行ができません。
※ある研究では、畔で散布して、水を張った水田の3m離れた場所で 0.000076 ppmだったという報告があります。
なお、翌日測定したら不検出。
「無人ヘリコプターによる雑草茎葉散布」とありますが、休耕田が対象なのと、東日本大震災の時の例外的使用方法で通常では使えません。
「東日本大震災により津波被害を受けた農地専用ラウンドアップマックスロード | 農薬登録情報提供システム」
アメリカの場合、稲以外でグリホサートを空中散布できるが、日本では空中散布できるのは他の作物も含め、上記のみなので、空中散布によるドリフトも発生しません。
※日本で空中散布できる農薬の探し方は、こちら参照。
ラウンドアップの農薬抄録では不検出、農薬評価書では、ほとんど不検出で一部 0.02ppm となっている。
上記から、日本の米ではグリホサートはほとんど不検出か極低濃度であることが推察されます。
グリホサートの残留濃度は、
輸入小麦 >>> 輸入米 > 国産米
となります。
このことから、山室教授の言う「もしかしたら国産米の方が高いかもしれないと思ったりします」というのはあり得ない話だというのがわかります。
そもそも、作物に直接散布しないのだから、小麦が米より濃度が高いのは自明なのですけどね。
なお、山室教授のブログ記事「草1本生えない畦 - Limnology 水から環境を考える」を見ると面白いです。
グリホサート(商品名はラウンドアップなど)の話をしているのに、バスタ(有効成分はグルホシネート)の絵を貼り付けてあります。
作用機序もまるで違うのです。
ツイッター上でツッコミがあったからか追記をしているが、グルホシネートではなくグリホシネートと間違えています。
何重にも恥ずかしいですね。
「草1本生えない畦 - Limnology 水から環境を考える」輸入小麦のグリホサートを懸念する情報をよく見ますけど、もしかしたら国産米の方が高いかもしれないと思ったりします。https://t.co/MEBfIfilrS
— 山室真澄 (@YamamuroMasumi) June 3, 2025
よくもまぁ東大教授という肩書の人間が、簡単に調べれば間違いであるとわかることを書くなぁ。
輸入小麦・輸入米のグリホサート残留濃度
アメリカの小麦はプレハーベストといって収穫前にグリホサートを散布することがあります。そのため、それなりの残留量があります。

※農林水産省の「輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の分析結果」をもとに作図
しかし、稲にはプレハーベストは認められていないので、その濃度も少ないです。

※農林水産省の「輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の分析結果」をもとに作図
輸入小麦と輸入米を比べると格段に輸入米の方が残留量・検出割合が低いですね。
稲にはプレハーベストは認められていないのに、なぜ残留しているのでしょうか?
「Glyphosate drift to rice a problem for all of us」
によると、空中散布によるドリフト(水田以外の所に散布したものが稲にかかってしまった)が原因とのこと。
小麦に比べて検出率・検出濃度が低いことからも、ドリフトであることは想像はできますね。
国内米のグリホサート残留濃度
以下に農薬の残留調査の結果が載っていますが、グリホサートは調査対象になっていません。・国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について:農林水産省
・米麦の残留農薬等の調査結果:農林水産省
グリホサートが水田でどのように使われるか
「農薬登録情報提供システム」で調べました。
作物:この条件で検索した結果を以下にまとめました。
水田作物、畑作物等、水田作物、水田作物(水田畦畔)、水田作物、畑作物(休耕田)、水田作物(水稲刈取跡)、水田作物(水田刈跡)、水稲、水稲(水田畦畔)、水稲(水稲刈取跡)、水稲(刈取跡)、移植水稲、水稲(箱育苗)、稲(乾田直播水稲を除く)、直播水稲、湛水直播水稲、乾田直播水稲
有効成分名称:
グリホサート

グリホサートは、非選択性除草剤であり稲に沢山かけてしまうと枯れてしまうので、そのような使い方は当たり前ですが認められていません(そもそも農薬メーカーはそのような無意味な申請はしない)。
稲の芽が出る時に認められるのは畔だけ。
収穫前日まで畔に散布できるのだから残留するだろうが!と思う人がいるかもしれない。
しかし、稲刈りの10日前に田んぼの水を抜くので、畔⇒水⇒稲⇒種子(米)という移行ができません。
※ある研究では、畔で散布して、水を張った水田の3m離れた場所で 0.000076 ppmだったという報告があります。
なお、翌日測定したら不検出。
「無人ヘリコプターによる雑草茎葉散布」とありますが、休耕田が対象なのと、東日本大震災の時の例外的使用方法で通常では使えません。
「東日本大震災により津波被害を受けた農地専用ラウンドアップマックスロード | 農薬登録情報提供システム」
アメリカの場合、稲以外でグリホサートを空中散布できるが、日本では空中散布できるのは他の作物も含め、上記のみなので、空中散布によるドリフトも発生しません。
※日本で空中散布できる農薬の探し方は、こちら参照。
ラウンドアップの農薬抄録では不検出、農薬評価書では、ほとんど不検出で一部 0.02ppm となっている。
上記から、日本の米ではグリホサートはほとんど不検出か極低濃度であることが推察されます。
グリホサートの残留濃度は、
輸入小麦 >>> 輸入米 > 国産米
となります。
このことから、山室教授の言う「もしかしたら国産米の方が高いかもしれないと思ったりします」というのはあり得ない話だというのがわかります。
そもそも、作物に直接散布しないのだから、小麦が米より濃度が高いのは自明なのですけどね。
なお、山室教授のブログ記事「草1本生えない畦 - Limnology 水から環境を考える」を見ると面白いです。
グリホサート(商品名はラウンドアップなど)の話をしているのに、バスタ(有効成分はグルホシネート)の絵を貼り付けてあります。
作用機序もまるで違うのです。
ツイッター上でツッコミがあったからか追記をしているが、グルホシネートではなくグリホシネートと間違えています。
何重にも恥ずかしいですね。
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