食のデマの属国日本⑧:デマ屋は都合のよい古い情報を出す
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「食の属国日本」(鈴木宣弘)を読みました。
※既出のデマは基本的に細かく記載しません。過去ログのリンクかタグを見てください。
8回目は「第七章 田んぼ「潰し」に750億円」がツッコミ対象です。

※「国家戦略としての食料」より引用
この資料も本の「図1」も出所が「農林水産省」か「農林水産省ホームページ」としか書かれておらず、農林水産省の何の資料からかわからないというクズっぷり。
これで東大教授だというのだから笑ってしまいます。
仕方ないので探すと次の資料をもとにしているらしい。
「WTO農業交渉をめぐる最近の動き農業交渉をめぐる最近の動き 平成19年7月 農林水産省」
この表を見て日本は優等生か?と思うでしょう。アメリカと同等です。
この表を見ても時系列的なことはわからないので、上記農林水産省の資料から次を引用します。

2000年の約束に対してアメリカの削減率は低いが、もともと低い。
EUは結構削減したがまだ足りない。
日本は削減してアメリカと同じレベルになった。
ということが読み取れますね。
では、現状はどうなのか?という話だ。20年以上前の2003年の話をされてもねぇ~。
仕方がないので調べました。
「JOB/AG/219」からリンクされている「219-02.pdf」にネタがありました。
CTAMS(Current Total Aggregate Measurement of Support)がAMS、VOP(Value of production)が農業生産額。単位は百万米ドル。
CTAMS÷VOPで割合がでます。日米欧ともに2018年のデータが最新です。
日本:6060/84059 = 7.2%
EU:6044/461176 = 1.2%
アメリカ:13085/369293 = 3.5%
※理由はわからないが、アメリカのAMSは減少傾向なのだがこの年前年の3倍に増えている。
東大教授の農学教授によると、日本は日米欧の中で最もAMSが高いのに「過剰優等生」なんですって。
乾燥地域で水田耕作をやってみなさいな「連作障害、土壌流出や地下水枯渇、塩害」の全てが発生する。
※節水型水稲の連作障害については「エアロビック・ライスの連作による収量漸減現象に非生物的要因が関与する | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS」を参照のこと
日本において連作障害以外は通常該当しない。
台地の水がない場所で水をくみ上げて水田・畑作をやったとすると、水需要が多い水田の方が地下水枯渇を発生させるでしょう。
北海道の畑作地域で土壌流出が起きているが、そこで無理やり水田をやったらどうなりますかね?水田だろうと畑作だろうが乾季に被覆物がなければ流出する。
※「北海道の大規模丘陵畑における土壌流亡の実態」参照
参考までに日本とアメリカの水田における地下水利用について見てみましょう。
・Chamber Effects on Soil Moisture and Plant Productivity in Furrow-Irrigated Rice on a Silt-Loam Soil in Arkansas
アーカンソー州全体として83%が地下水依存していて、水田は大半が地下水
・FSA-51 Arkansas Irrigation
アーカンソー州全域で灌漑用水の80 %超を地下水が占める(うち大部分は稲作用)
・Water Use in California’s Agriculture - Public Policy Institute of California
カリフォルニア州全体の農業用水利用では、地下水が40 %超を占めるが、稲作では表流水優先のため地下水利用率はそれより低い(約20%)とされる
・Water Issues in Rice Production
ルイジアナ州全体では、約60%の稲作面積が地下水を利用
・Irrigation Methods and Scheduling in the Delta Region of Mississippi: Current Status and Strategies to Improve Irrigation Efficiency
ミシシッピデルタ地域では灌漑水の90%超が地下水
・Texas Water Resources Institute
テキサス州では40%が地下水
・「令和 4 年版 日本の水資源の現況」について
日本の水田における地下水の依存率は見つけられなかった(1973年の古いデータでは14.5%)。
農地全体での地下水依存率は5.8%。
日本では恒常的に地下水に依存する水田は少ないだろうと思われる。
上記から日本の水田は塩害にはならないだろうが、アメリカではその可能性は十分にあると言えるでしょう。
■既出デマ
・日本にも100haの稲作経営もあるが、水田が100か所以上に分散している
・20ha以上の場合、米生産費は上昇する
食の属国日本: 命を守る農業再生
鈴木宣弘
三和書籍
2025/3/5
※既出のデマは基本的に細かく記載しません。過去ログのリンクかタグを見てください。
8回目は「第七章 田んぼ「潰し」に750億円」がツッコミ対象です。
日本は農業保護解消の過剰優等生?
「政府が価格を決めて農産物を買い取る遅れた農業保護国」という日本農業批判があるが、実は、それを唯一やめたのが日本であって、他の国は自国の農業を徹底的に保護している。「148ページの図1」というのと同じ表が、鈴木教授が作り農林水産省のサイトに上がっているので、それより引用します。
・・・
国内政策は、貿易歪曲性の高さにより分類し、増産に結びつく価格支持政策などを「黄」の政策=削減対象、増産に結びつきにくい環境政策などを「緑」の政策=削減対象外、などと分類した。
・・・
日本だけが「黄」=「削減対象」を「撤廃」と捉え、直接支払いは不十分なまま、価格支持をやめてしまった。
・・・
こうした「過剰優等生」ぶりは、当時の農水省HPにも148ページの図1のように如実に示されていた。

※「国家戦略としての食料」より引用
この資料も本の「図1」も出所が「農林水産省」か「農林水産省ホームページ」としか書かれておらず、農林水産省の何の資料からかわからないというクズっぷり。
これで東大教授だというのだから笑ってしまいます。
仕方ないので探すと次の資料をもとにしているらしい。
「WTO農業交渉をめぐる最近の動き農業交渉をめぐる最近の動き 平成19年7月 農林水産省」
この表を見て日本は優等生か?と思うでしょう。アメリカと同等です。
この表を見ても時系列的なことはわからないので、上記農林水産省の資料から次を引用します。

2000年の約束に対してアメリカの削減率は低いが、もともと低い。
EUは結構削減したがまだ足りない。
日本は削減してアメリカと同じレベルになった。
ということが読み取れますね。
では、現状はどうなのか?という話だ。20年以上前の2003年の話をされてもねぇ~。
仕方がないので調べました。
「JOB/AG/219」からリンクされている「219-02.pdf」にネタがありました。
CTAMS(Current Total Aggregate Measurement of Support)がAMS、VOP(Value of production)が農業生産額。単位は百万米ドル。
CTAMS÷VOPで割合がでます。日米欧ともに2018年のデータが最新です。
日本:6060/84059 = 7.2%
EU:6044/461176 = 1.2%
アメリカ:13085/369293 = 3.5%
※理由はわからないが、アメリカのAMSは減少傾向なのだがこの年前年の3倍に増えている。
東大教授の農学教授によると、日本は日米欧の中で最もAMSが高いのに「過剰優等生」なんですって。
水田耕作が塩害を起さないのではない
20世紀初頭の米国に限らず、現代の米国、オーストラリアなど、世界の畑作地域において、土壌流出や地下水枯渇、塩害といったさまざまな問題が生じることがわかっており、それが継続的な生産の大きな障害となっている。これで農学教授だというのだから、笑ってしまいますね。
すでに第三章でも見てきたとおり、緑の革命以降の農業技術(化学肥料の大量消費)の進展によって、土地の荒廃はさらに凄まじいことになっている。
こうした畑作農業に対して、水田耕作は、連作障害、土壌流出や地下水枯渇、塩害といった問題を持続的に解決してきたのである。しかも、それを4000年の長きにわたって行ってきたのだ。
水田耕作はキング教授が驚嘆したとおり、連作障害やさまざまな畑作の問題も解決できる、極めて持続的な農業なのである。
乾燥地域で水田耕作をやってみなさいな「連作障害、土壌流出や地下水枯渇、塩害」の全てが発生する。
※節水型水稲の連作障害については「エアロビック・ライスの連作による収量漸減現象に非生物的要因が関与する | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS」を参照のこと
日本において連作障害以外は通常該当しない。
台地の水がない場所で水をくみ上げて水田・畑作をやったとすると、水需要が多い水田の方が地下水枯渇を発生させるでしょう。
北海道の畑作地域で土壌流出が起きているが、そこで無理やり水田をやったらどうなりますかね?水田だろうと畑作だろうが乾季に被覆物がなければ流出する。
※「北海道の大規模丘陵畑における土壌流亡の実態」参照
参考までに日本とアメリカの水田における地下水利用について見てみましょう。
・Chamber Effects on Soil Moisture and Plant Productivity in Furrow-Irrigated Rice on a Silt-Loam Soil in Arkansas
アーカンソー州全体として83%が地下水依存していて、水田は大半が地下水
・FSA-51 Arkansas Irrigation
アーカンソー州全域で灌漑用水の80 %超を地下水が占める(うち大部分は稲作用)
・Water Use in California’s Agriculture - Public Policy Institute of California
カリフォルニア州全体の農業用水利用では、地下水が40 %超を占めるが、稲作では表流水優先のため地下水利用率はそれより低い(約20%)とされる
・Water Issues in Rice Production
ルイジアナ州全体では、約60%の稲作面積が地下水を利用
・Irrigation Methods and Scheduling in the Delta Region of Mississippi: Current Status and Strategies to Improve Irrigation Efficiency
ミシシッピデルタ地域では灌漑水の90%超が地下水
・Texas Water Resources Institute
テキサス州では40%が地下水
・「令和 4 年版 日本の水資源の現況」について
日本の水田における地下水の依存率は見つけられなかった(1973年の古いデータでは14.5%)。
農地全体での地下水依存率は5.8%。
日本では恒常的に地下水に依存する水田は少ないだろうと思われる。
上記から日本の水田は塩害にはならないだろうが、アメリカではその可能性は十分にあると言えるでしょう。
■既出デマ
・日本にも100haの稲作経営もあるが、水田が100か所以上に分散している
・20ha以上の場合、米生産費は上昇する
食の属国日本: 命を守る農業再生鈴木宣弘
三和書籍
2025/3/5
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