東京オリンピック開会式の日の社説、何を主張する?
今日2021年7月23日は東京オリンピックの開会式です。
オリンピックについてどのような社説を書いているかまとめました。

※共同通信のは、佐賀新聞・山陰中央新報・東奥日報の社説を見て下さい
■東京新聞
■神戸新聞
オリンピックについてどのような社説を書いているかまとめました。

※共同通信のは、佐賀新聞・山陰中央新報・東奥日報の社説を見て下さい
分断のもと
■朝日新聞社説はパンデミック下で五輪を強行する意義を繰り返し問うてきた。だが主催する側から返ってくるのは中身のない美辞麗句ばかりで、人々の間に理解と共感はついに広がらなかった。「分断と不信」を国民に植え付けることに専念した新聞が何を言うか!
分断と不信のなかで幕を開ける、異例で異様な五輪である。
■東京新聞
憂えるのは大会が人々の間に対立や分断をもたらしたことです。最近の世論調査では、無観客開催を適切だとする人が四割超、なお中止を求める人が三割超と、「国論」が二分されています。国論を無事二分できてよかったですね。
■神戸新聞
首相の発言も「世界が一つになり、難局を乗り越えていけることを発信したい」と変わった。しかし実態は、五輪への賛否を巡って国民が分断しかねない状況にある。では、現在進行中のホロコーストの北京オリンピックはもちろん反対ですよね。
大会は準備段階から、新国立競技場計画の白紙撤回や、盗用疑惑による公式エンブレム再公募などの問題が相次いだ。さらに、組織委会長だった森喜朗元首相の女性蔑視発言による辞任、容姿を侮辱する演出を発案した開閉会式演出の統括役の辞任-と不祥事にまみれた。
五輪憲章は「人間の尊厳」を掲げ、いかなる差別も禁じている。ホロコーストの犠牲者を侮辱するようなせりふを書いた小林氏、障害のある生徒へのいじめを反省なく語った小山田氏の起用を含め、日本の人権意識の低さを世界中にさらけ出した。組織委などの責任は重大である。
社説一覧
新聞 | 社説 |
---|---|
要約 | |
朝日新聞 | 五輪きょう開会式 分断と不信、漂流する祭典 |
東京五輪の開会式の日を迎えた。鍛え抜かれたアスリートたちがどんな力と技を披露してくれるか。 躍動する選手の姿を通じてスポーツのもつ力と人間の可能性を認識し、より良い世界をともに築く決意を新たにする。主催者側が具体性をもって示すことのできなかった大会の意義を、私たち一人ひとりが独自の視点で見いだすようにしたい。 | |
毎日新聞 | 開会式演出者の解任 五輪の理念踏みにじった |
平和を希求し、あらゆる差別を禁じる五輪憲章の理念を踏みにじるものだ。東京オリンピックの大会ビジョンにも反する。 世界中の視聴者は今夜の開会式をどんな思いで見るだろうか。組織委はこのような事態を招いた経緯を明らかにしなければならない。 | |
東京新聞 | 東京五輪きょう開会 対立と分断を憂える |
東京・神宮外苑にある国立競技場のスタンドは白、黄緑、灰、深緑、濃茶と五色に塗装された六万八千の座席がランダムに配置されています=写真。まるで、美しいモザイク画のよう。 同じ一人の人間として共感し、連帯する。混乱する大会が、その機会であることを忘れたくはありません。 | |
読売新聞 | 東京五輪開幕へ コロナ禍に希望と力届けたい |
新型コロナウイルスの流行に伴う緊急事態宣言が発令された中で、約半世紀ぶりの東京五輪が開幕する。困難に立ち向かう努力の大切さや尊さを世界に伝えたい。 苦難に直面した時、奮闘する選手の姿に勇気づけられた人は多いだろう。今大会でも、コロナ禍に苦しむ世界の人々に希望が届くといい。 | |
日本経済新聞 | 東京での開催を五輪再生の出発点に |
東京の聖火台に57年ぶり2度目の炎が燃え立つ。だが、その輝きに向ける人々のまなざしは、必ずしも期待や希望に満ちたものばかりではないはずだ。 スポーツの持つ力に改めて気付き、世界の人々が競技界最大の舞台である五輪の価値を実感することを期待したい。東京の聖火が消える8月8日夜、多くの人が「開催してよかった」と振り返られるよう、アスリートらの奮闘を望むとともに、組織委や国、東京都には、これまでの反省を踏まえた適切な大会運営を切に求めたい。 | |
産経新聞 | 東京五輪開幕 明日につながる熱戦望む 歴史的大会へ悪い流れを断て |
わが国は新型コロナウイルス禍の中でも聖火を消すことなく、熱戦の舞台を整えた。「五輪開催」という最後の一線を守り抜いたことは、日本のみならず世界と五輪史にとって大きな意義がある。 私たちも開催意義を自らに問い、答えを探す17日間にしたい。必ず、意義のある東京五輪にできるはずである。 | |
琉球新報 | コロナ下の五輪開幕 一人一人の命を最優先に |
新型コロナウイルスが世界的に大流行し、緊急事態宣言下の東京で23日、五輪が開幕する。しかし、開会式前日に演出の統括役が解任される異常事態になっている。 楽曲を手掛けた小山田圭吾氏も過去のいじめ告白で辞任した。東京五輪が、五輪本来の理念や目的とは何かを見つめ直す機会になってほしい。 | |
しんぶん赤旗 | 東京五輪の強行/人間の尊厳守る理念も失った |
東京オリンピック開幕前日に、開閉会式のショーディレクターを務める小林賢太郎氏が解任されました。過去につくったコントでユダヤ人虐殺をやゆしていたことが発覚したためです。 五輪の犠牲になる人が一人もいてはなりません。あくまでも中止を求めます。 | |
信濃毎日新聞 | 東京五輪開幕 虚構の舞台に成功はない |
東京五輪が開幕する。安全、安心の大会を実現すると菅義偉首相は繰り返す。 菅政権は、国内はもとより、海外の人々の命と健康をも政略に利用した。責任を厳しく問わなければならない。 | |
京都新聞 | 東京五輪開幕 何のための大会、問い続けて |
新型コロナウイルス感染拡大のため1年延期されていた2度目の東京五輪が、きょう開幕する。1964(昭和39)年に行われた前回の開会式は、抜けるような青空の下で催された。 競技に臨む選手らの純粋さが高い評価を得られるなら、それこそが五輪本来の値打ちではないか。大会のレガシー(遺産)が、インフラでも政治的成果でもないことを再認識させるに違いない。 | |
新潟日報 | 東京五輪開幕 「何のため」問い続けねば |
新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京五輪がきょう23日開幕する。4度目の緊急事態宣言下にある東京は、感染「第5波」が急拡大している。 セーリングで4度目出場となる富澤慎(柏崎市出身)、バスケットボールの富樫勇樹(新発田市出身)、競泳の水沼尚輝(新潟医療福祉大職員)、ラグビー7人制の原わか花(新潟市秋葉区出身)ら各選手の活躍も楽しみだ。地元五輪で、ベストを尽くしてほしい。 | |
西日本新聞 | 異例の五輪開幕 東京は歴史に何を残すか |
幾多の困難を乗り越え、ついに開催にたどり着いたのか。それとも、無理に無理を重ねた強行にすぎないのか。 負の側面から目をそらさず、今後の五輪へ教訓となるものを残す。そこに開催の意義を見いだしたい。 | |
北海道新聞 | コロナ下で五輪開幕 人間の尊厳を大会の礎に |
東京五輪がきょう、8月8日までの日程で開幕する。新型コロナウイルスの世界的大流行で1年延期された。 このままでは分断を象徴する五輪となりはしないか。「人類が新型コロナに打ち勝った証し」といったにわか仕立ての大義を追い求める前に、人が人として尊重される当たり前の姿を示す大会を目指すべきだろう。 | |
河北新報 | 東京五輪きょう開幕/新たな大会の姿、示せるか |
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、1年延期された東京五輪がきょう開幕する。「第5波」とも言われる感染者増加で、東京都に緊急事態宣言が出される中での開催。 大会を通して新たな五輪の在り方を提示し、理解を広げられるのか。復興五輪の理念も、両大会を終えた後、その先に、どうつなげていくかが問われる。 | |
神戸新聞 | 東京五輪開幕/今こそ開催意義を問い直さねば |
東京五輪がきょう開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大で五輪史上初めて1年延期された。 政府やIOCは真摯(しんし)に受け止めなければならない。紆余(うよ)曲折を経た東京大会が、「平和でよりよい世界の実現に貢献する」という五輪の原点に立ち返る契機になることを痛切に望む。 | |
中国新聞 | 五輪きょう開幕 負のレガシー残すまい |
混乱と迷走、そして大きな不安とともに、東京五輪はきょう開幕を迎える。きょう行われる開会式の演出を統括していた小林賢太郎氏を東京五輪・パラリンピック大会組織委員会がきのう解任した。 逆境を乗り越えて躍動する姿を見せて、コロナ禍にある世界の多くの人を勇気づけてほしい。#東京五輪・パラ。 | |
日本農業新聞 | コロナ下の五輪 命最優先の運営 徹せよ |
東京五輪が23日開幕する。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下である。 感染抑制のために国民は家庭でテレビ観戦するなど、各地域の感染防止対策に沿って応援し、選手らはルールを確実に守ることが求められる。また政府をはじめ関係団体は、国民や選手らの「命最優先」を肝に銘じるべきだ。 | |
山陽新聞 | 東京五輪が開幕 安全対策に万全尽くして |
東京五輪はきょう、開会式を迎える。新型コロナウイルスに翻弄される中で、迷走を続けた世界最大のスポーツの祭典である。 だとすれば、高額な運営費を削減することや、開催国の気候に応じて日程を設定することなど、大会の見直しを働きかけてはどうか。実現すれば大きな開催意義になるはずだ。 | |
世界日報 | 東京五輪開幕 「スポーツの力」で希望の灯を |
「コロナ克服」の意義もきょういよいよ開幕する東京五輪は、緊急事態宣言下、無観客という五輪史上異例の開催となる。しかし「平和の祭典」そして東日本大震災からの「復興五輪」としての意義は変わらない。 制約の多い中でも、オンラインでの応援メッセージなどを駆使すれば、その心は伝わる。選手たちの健闘とともに、こうした新しい応援の在り方が東京五輪を歴史に残る大会とするだろう。 | |
秋田魁新報 | 首都圏「第5波」 危機克服へ対策徹底を |
首都圏の1都3県では新型コロナウイルスの感染再拡大が続き、感染「第5波」の様相を呈している。4度目の緊急事態宣言下の東京とまん延防止等重点措置が延長された3県ではともに、その効果が表れていない。 自宅でテレビ観戦し外出の機会を減らすことも、感染を避ける上で有意義だろう。一人一人がいま一度、感染防止策を徹底し、危機を乗り越えたい。 | |
山形新聞 | 東京五輪きょう開幕 あるべき姿追求したい |
1964(昭和39)年10月10日、作家の杉本苑子さんは快晴の国立競技場にいた。東京五輪開会式の興奮に包まれながら、かつて同じ場所にいたことを思う。 改めて言うまでもなく、五輪は世界が注目する大会だ。日本が世界と共有しなければならない価値を、組織委はもう一度胸に刻んでほしい。 | |
福島民友新聞 | 東京五輪・コロナへの対応/感染広げぬ対策を徹底せよ |
東京五輪を契機とする新型コロナウイルスの感染が国内外に拡大する事態は、絶対に避けなければならない。選手村でクラスター(感染者集団)が発生すれば、競技への影響が懸念される。 無観客の競技がほとんどである以上、競技が白熱すれば、外出せずに家でテレビ観戦しようという人がおのずと増えるだろう。選手には多くの人を引きつける、躍動感あふれる姿を見せてくれることを期待したい。 | |
福井新聞 | 東京五輪きょう開幕 県勢初の個人「金」なるか |
新型コロナウイルスの影響で1年延期となった東京五輪がきょう開幕する。史上最多の33競技339種目で争われ、日本は過去最多の583選手が参加する。 国際オリンピック委員会(IOC)や政府、東京都は忘れないでもらいたい。感染状況によっては、大会期間中であっても中断・中止の判断が必要なことを。 | |
山陰中央新報 | 東京五輪開幕 あるべき姿の追求を |
大会史上初めて延期された東京五輪は23日、観客なき国立競技場で開会式が行われる。空席だらけの巨大スタジアムは、世界が新型コロナウイルス感染症との闘いから抜け出せていない事実を改めて突きつけるだろう。 しかし、今の日本が多様性と調和を尊重していると胸を張れる状況にあるのか。五輪から目を転じ、われわれの社会のありようも問わねばならない。 | |
高知新聞 | 【東京五輪開幕】選手は存分に実力発揮を |
史上初の1年延期を経た東京五輪はきょう開会式を迎える。開催都市の東京に新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、感染防止対策として大半の競技は無観客で行われる。 本県からも、女子シンクロ板飛び込みに宮本葉月選手=近大、高知SC=が出場する。県民を挙げて応援したい。 | |
佐賀新聞 | 東京五輪開幕 |
大会史上初めて延期された東京五輪は23日、観客なき国立競技場で開会式が行われる。空席だらけの巨大スタジアムは、世界が新型コロナウイルス感染症との闘いから抜け出せていない現実を改めて突きつけるだろう。 しかし、今の日本は多様性と調和を尊重していると胸を張れる状況にあるか。開会式担当者の人権感覚の欠如を個人の問題に押し込めず、われわれの社会のありようも問わねばならない。 | |
東奥日報 | あるべき姿を追求したい/東京五輪開幕 |
大会史上初めて延期された東京五輪は23日、観客なき国立競技場で開会式が行われる。空席だらけの巨大スタジアムは、世界が新型コロナウイルス感染症との闘いから抜け出せていない現実を改めて突きつけるだろう。 しかし、今の日本は多様性と調和を尊重していると胸を張れる状況にあるか。開会式担当者の人権感覚の欠如を個人の問題に押し込めず、われわれの社会のありようも問わねばならない。 | |
南日本新聞 | [東京五輪開幕] 記憶に残る安心安全を |
新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京五輪が、あす開幕する。多くの国民が危惧していた通り、感染は収束していない。 限界に挑むアスリートたちの姿は東日本大震災をはじめ、全国で相次ぐ自然災害の被災者を勇気づけてくれるに違いない。コロナ下の閉塞(へいそく)感を打ち破ってくれる大会を期待したい。 | |
宮崎日日新聞 | かすむ復興五輪 |
東京五輪は開会式に先駆けて21日から競技が始まり、福島県でソフトボール、宮城県などで女子サッカーが熱戦を繰り広げた。被災地でスタートするのは、当初、開催の大きな意義として掲げられた「復興五輪」の象徴としたかったからだ。 「復興」というひとくくりの言葉で片付けられない、光と影、明と暗を見つめ直すきっかけとしたい。単なる競技実施だけで終わらせては、五輪招致の名目に被災地を利用したとのそしりは免れないだろう。 | |
日刊工業新聞 | 東京五輪開幕 原点や意義を問い直す大会に |
東京五輪がきょう開幕する。開催延期や多くの会場が無観客開催、選手らに課せられる厳格な行動制限など近代五輪史上、極めて異例の大会。 8月24日にはパラリンピックの開幕が控える。トップアスリートの熱戦にエールを送りつつ、これからの世界にどんな五輪がふさわしいのか思いをはせる機会としたい。 | |
陸奥新報 | 五輪関係者連続辞任「誰も傷つかない大会を望む」 |
東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、五輪の開閉会式でショーディレクターを務める元お笑い芸人の小林賢太郎氏を解任したと発表した。過去の反ユダヤ的発言を問題視したという。 世界が注目する大会で相次ぐ辞任・解任劇は、日本や日本人に対するイメージを失墜させかねない大きな問題であり、途中登板とはいえ責任は免れない。新型コロナの不安を抱きながら、血のにじむような努力を重ねてきたアスリートたちの足を引っ張るようなことはやめていただきたい。 | |
愛媛新聞 | 東京五輪開幕 大会と国内両方の安全が責務だ |
新型コロナウイルス禍で1年延期された東京五輪がきょう開会式を迎える。感染状況は依然として改善せず、復興五輪、平和の祭典は強い逆風の中で始まる。 大会の無事とともに、困難と向き合ってきた選手一人一人が最高のパフォーマンスを発揮できることを願う。観戦側も自宅で家族などと、テレビで楽しむ「ステイホーム五輪」を心がけ熱戦を応援したい。 |
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