旅館業法の見直しに何が問題があるか不明

河北新報の「旅館業法の見直し 宿泊拒否の制限緩和、慎重に」をピックアップ。

「慎重に」って言っているが、慎重にしているように見えますよ。

 日弁連は8月、人権保障の観点から拒否制限の緩和に反対する会長声明を出した。「宿泊拒否できないケースにまで拡大する恐れがある。難病や疾病、障害がある人への差別、偏見を助長しかねない」ことが主な理由だ
日弁連の会長は法律を読まないらしい。

現行の旅館業法は次のように何の伝染病か明記されていない。
第五条 営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。
一 宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。
二 宿泊しようとする者がとばく、その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞があると認められるとき。
三 宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。

これを次のように変えようとしています(旅館業法の見直しに係る検討会の資料より引用)
1 発熱等の感染症(感染症法に規定する1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症、指定感染症に限る。)の症状を呈する者を直ちに宿泊拒否できるようにはしないが、これらの者には、旅館業の営業者から、医療機関の受診や関係機関との連絡・相談、旅館・ホテル滞在中の感染対策として厚生労働大臣が定めるものを要請できるようにし、正当な理由(注)なく応じない場合は宿泊拒否を可能とする。
(注)以下のような理由を想定している。
 医療機関が診療時間外であるとき、がん等で発熱していると想定されるとき等

第5条第1号について「1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症、指定感染症の患者」と規定する

3 1のほか、旅館業の営業者は宿泊客に対して、必要な感染対策として厚生労働大臣が定めるものを要請することができるようにし、正当な理由なく応じない場合は宿泊拒否を可能とする。

4 「迷惑客」、「旅館・ホテルの合理的な負担の範囲を超える利用」等の過重な負担であって対応困難なものを繰り返し求められたときに宿泊拒否を可能とする。

5 旅館業の営業者の努力義務に「従業員の研修」を加えることにより、差別防止を更に徹底する。

1及び3については、パンデミックなどの際にのみ発動する。

パンデミックの時のみ発動、かつ指定感染症に限定するという適用範囲を明確にする改正のどこが「宿泊拒否できないケースにまで拡大する恐れがある。難病や疾病、障害がある人への差別、偏見を助長しかねない」に該当するか意味不明。



今日の社説:一覧

新聞社説
要約
朝日新聞中ロ首脳会談 思惑優先に走る危うさ
多くの人々の命が戦争で失われているさなかに、その当事国と友好国が互いの利益尊重をうたいあげる。こんな大国の独善的な姿勢では、新たな国際秩序を語る資格はない。
中ロと同様に、米欧と一線を画す国々は少なくないが、どの国も戦争の早期終結を望んでいる。ロシアは現実を直視し、撤兵に向けて動き出すべきだ。
毎日新聞日本の研究力低下 人材育成へ予算を手厚く
日本の研究力低下に歯止めがかからない。国際的に影響力のある科学論文数の比較で、日本は10位から12位に後退した。
人材不足と研究力低下の悪循環を断ち切るには、若手もベテランも、安心して研究に打ち込める環境を整えることが欠かせない。政府には、人材育成を未来への投資と考え、手厚く予算を配分することが求められる。
毎日新聞デジタル教科書 有効な活用法を探りたい
デジタル教科書が2024年度から、小学校高学年と中学校の英語で全面的に導入される。音声による読み上げ機能がヒアリングや発音の学習に役立つ。
学びの質を向上させるために、デジタル教科書をどう生かすか。国は、教育現場の声を吸い上げ、検討を重ねる必要がある。
東京新聞週のはじめに考える 「いまはむかし」の物語
「いまはむかし−父・ジャワ・幻のフィルム」。ドキュメンタリー映画監督の伊勢真一さん(73)が「戦争」というテーマに初めて挑んだ新作です。
あすは「敬老の日」。かけがえのない記憶や知識がたくさん詰まった人生を、敬い、そしてことほぐ日。
読売新聞日米防衛相会談 戦略すり合わせ同盟深化を
日本がこれほどの危機に直面するのは、戦後初めてのことだ。脅威の増大を踏まえ、日米の防衛相が多層的な協力を確認した意義は大きい。
防衛省や、国内の防衛産業から機密情報が流出すれば、日本の信頼は低下する。防衛産業のサイバー対策に関わる設備投資を支援するなど、政府は早急に対応すべきだ。
読売新聞太陽光パネル 義務化は負担軽減とセットで
温室効果ガスの排出削減に向けては、家庭の対策が重要だ。一方的に家計に負担を強いることなく、住宅への太陽光パネルの取り付けを広げる効果的な制度としてほしい。
都以外にも川崎市が義務化を目指しており、関心を持つ自治体は多いとみられる。追随する自治体が増えた場合、国も購入者への負担軽減策を考えてもらいたい。
産経新聞中露首脳会談 危うい連携に警戒強めよ
中国の習近平国家主席とプーチン露大統領が、ロシアのウクライナ侵略後では初めての対面での首脳会談を行った。習氏は国際社会の制裁を受けるロシアとの協力関係を維持する姿勢を示し、プーチン氏は台湾併吞(へいどん)を狙う中国の立場を支持する考えを伝えた。
いずれも、台湾やウクライナを支援する日米などを威嚇する狙いがあるのは明らかだ。岸田文雄政権は、ウクライナと東アジアが密接につながっている現実を一層厳しく認識しなければならない。
産経新聞感染データの活用 基盤整え効果的な医療を
新型コロナウイルス禍ではっきりした日本の医療の課題として、デジタル化が遅れているという深刻な現実がある。紙媒体で感染症データをやり取りしたり、デジタル化していても国や自治体などがばらばらに蓄積したりする。
医療データの有効活用は国民の健康と安全に直結する。政府や自治体、医療界はさらに取り組みを強めるべきだ。
日本経済新聞虐待から子ども守る体制急げ
全国の児童相談所が児童虐待の相談を受けて対応した件数が2021年度、過去最多の20万7659件(速報値)となった。統計を始めた1990年度から31年連続の増加だ。
私たちの見守りの目も大切になる。全国一律の電話番号「189」をぜひ知ってほしい。
日本経済新聞プーチン氏の苦境映す中ロ関係の綻び
蜜月を演出するつもりが、自らの苦境をさらす結果になったということか。中ロ首脳会談ではウクライナ情勢を巡る両国の溝が浮き彫りになった。
戦況でもウクライナが一部の領土を奪還するなど、ロシア軍の苦戦が目立っている。現状をみれば選択肢はひとつしかないことをプーチン氏は理解すべきだ。
日本経済新聞量子コンピューターの産業利用を磨け
スーパーコンピューターをはるかに上回る性能を持つ量子コンピューターの本格的な利用が近づきつつある。土台となるハードウエアの開発では米国や中国が先行するが、日本は産業利用では先頭グループにいる。
ユーザー企業の初期投資への助成や税制優遇などの支援が重要になる。投資を呼び込むための制度や政策面での支えも欠かせない。
日本海新聞鳥取県立美術館作品収集方針 「県民立」の精神忘れるな
開館まで2年半となった鳥取県立美術館の作品収集が波紋を広げている。県は本年度、米国の芸術家アンディ・ウォーホルの代表作「ブリロの箱」と「キャンベルスープ缶」を約3億3千万円で購入した。
今後、鳥取市、米子市でも説明会が開かれる。県立美術館のコンセプト「未来を『つくる』美術館」を目指し、作品を未来につなぐため、建設的な対話の場となるよう望みたい。
琉球新報広がる五輪汚職 組織の抜本的見直しを
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件への捜査が広がりを見せている。事件は、贈賄容疑で出版大手KADOKAWAの経営トップ角川歴彦(つぐひこ)氏が逮捕される異例の展開だ。
大会組織委は6月に解散したが、会長を務めた森氏をはじめ組織幹部は事態を招いた責任がある。捜査に全面的に協力するだけではなく、自らうみを出すつもりで問題を洗いざらい明らかにし教訓を示してほしい。
沖縄タイムス[収容者死亡で賠償命令]入管の人命軽視を断罪
「アイムダイイング(死にそうだ)」。男性は亡くなる前日、苦しみ、のたうち回り、こう訴えていた。
収容者が望む治療が受けられる医療体制の強化とともに、一人一人の人権を尊重するという職員の意識改革が求められる。再発防止に向けては猛省の上、一から出直す覚悟が必要だ。
しんぶん赤旗安保法制強行7年/いよいよ廃止は切実な課題だ
2015年9月19日、安倍晋三政権(当時)は、違憲の集団的自衛権の行使などを可能にする安保法制=戦争法の成立を強行しました。これは、海外での武力行使に道を開き、日本を「戦争する国」に変える歴史的暴挙でした。
日本が攻められていないのに、米国と戦争をしている相手国を自衛隊が「敵基地攻撃」すれば、日本が重大な報復を受けることは避けられません。安保法制の廃止をはじめ、「敵基地攻撃」能力の保有など大軍拡の企てを阻止することはいよいよ切実な課題です。
京都新聞規制委10年 原発事故の教訓を原点に
原子力利用の安全確保を担う原子力規制委員会が、あす発足から10年を迎える。東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえ、2012年に設置された。
安全に絶対はない。問題があれば、必ず安全の側に軸足を置く、というのが福島事故の教訓であり、規制委の原点である。
新潟日報大地の芸術祭 アートで活性化をさらに
現代美術による地域づくりは、20年以上の時を経てすっかり定着した。作家と住民、スタッフらの努力の成果だ。
芸術は人の心を動かす。作品に間近で触れ、作家の思いにも考えを巡らせながら、芸術の秋を堪能してもらいたい。
西日本新聞英国、新時代へ 内外で結束問われる首相
最後の公務となった新首相の任命を終え、英国の君主を70年余り務めたエリザベス女王が死去した。【関連】英国らしい女王のユーモア即位したチャールズ新国王の下、新たな時代を迎えた英国で政治のかじ取りを担うのはトラス首相(47)だ。
現在の日英関係は過去100年で最も良好であるといわれる。中国、ロシアが覇権主義的な動きを強めているだけに、関係をさらに深化させ、世界の安定化につなげたい。
北海道新聞民族共生の未来へ 議論避けては前進できぬ
幕末の探検家松浦武四郎が「北加伊道」の名称を提案したのが、1869年(明治2年)。そこには「北のアイヌ民族の大地」という意味が含まれていたという。
問われているのは、「アイヌの大地」と呼ばれた土地に暮らすことそのものの正当性ではないか。他者の立場を理解してともに発展を目指す視点が欠かせない。
河北新報旅館業法の見直し 宿泊拒否の制限緩和、慎重に
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、旅館業法が今秋にも改正される見通しだ。最大の焦点は旅館・ホテル業の宿泊拒否制限の緩和で、感染症の疑いがある顧客の利用を断れるようになる。
旅館業法改正の手続きを進めるに当たっては、宿泊を必要とする利用者の選別、排除の発想があってはならない。法の見直しが効果的な感染拡大防止につながり、感染者や障害者らへの人権にも配慮した仕組みが再構築されることを期待する。
静岡新聞公共交通の再構築 延命からの発想転換を
人口減と新型コロナウイルス禍で経営危機に直面している公共交通の立て直しで、静岡県は2023年度末までに持続可能なサービスの全体計画を策定する。公共交通の活性化と再生に関する法改正で自治体に計画の再構築が要請された。
新しい資本主義は暮らしの課題解決を経済成長のエネルギーにすると宣言した。国の全面的支援とさらなる規制緩和を期待したい。
神戸新聞米同時テロ21年/悲劇の記憶語り継がねば
米中枢同時テロから今月で21年となった。ハイジャックされた旅客機2機が米ニューヨークの世界貿易センタービル2棟に衝突し、日本人24人を含む約3千人の命が奪われた。
憎しみと暴力の連鎖を断ち切り、二度と同じ悲劇を繰り返さないためには、歴史の共有が欠かせない。事件の記憶を語り継ぐ努力を重ねる必要がある。
中国新聞教諭の暴言 教え子へ慈愛、忘れるな
大人が子どもに対して投げかける言葉とは到底思えない。担任する6年生の男子児童に福山市内の公立小学校の女性教諭が「地球から消えて」「顔も見たくない」などの不適切な言動を繰り返していた。
失敗をどう反省し、信頼回復につなげていくのか。その姿勢を学校ぐるみで子どもたちに見せることも大切な教育である。
日本農業新聞ジビエ振興 地域で活用の道探ろう
イノシシや鹿など野生鳥獣による農作物の被害額が、2020年度は全国で161億円に上った。21年度の捕獲数はイノシシが53万頭、鹿は72万頭で鹿は過去最高だった。
加工品の他、外食チェーンでの販売拡大や学校給食への展開、家庭で調理できる商品の普及など活用の道は幅広い。関係機関が一体となって処理施設の整備を進め、野生鳥獣の命を無駄にしない方法を探ろう。
山陽新聞IPEF 日本の調整力が問われる
米国が主導する新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚級会合が開かれ、日本を含む参加14カ国が正式交渉入りを宣言した。半導体や鉱物資源といった重要物資のサプライチェーン(供給網)の強化などに合意。
日本は一部のアジア諸国にIPEFへの参加を働き掛けてきた。米国とアジアの橋渡し役を担い、今後の交渉を加速させる調整力が問われている。
世界日報尖閣防衛 台湾有事念頭に抑止力高めよ
日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化してから10年が経過した。中国海警局による領海侵入が常態化し、尖閣をめぐる緊張が高まっている。
実効支配強化に努めよロシアのウクライナ侵略が続く中、7月に中露両国の軍艦が尖閣周辺の接続水域を航行したことも気掛かりだ。日本は尖閣に公務員を常駐させるなど、実効支配の強化に努めるべきだ。
秋田魁新報高級ブドウ産地化 意欲ある経営者育成を
JA秋田しんせい(本店・由利本荘市)は高級ブドウ「シャインマスカット」を本荘由利地域の特産品にすることを目指している。比較的栽培しやすく、消費者ニーズがあって高値が付くことから、若手や新規の就農者にも取り組みやすいとして着目。
JA秋田しんせいは当面、シャインマスカット農家に直売を促す方針。多くの若い担い手や新規の就農者が自立した経営を展開し、地域農業の活性化につなげてほしい。
福島民友新聞敬老の日/若い世代との交流増やそう
1人でも多くの高齢者が、長生きして良かったと思える社会づくりを進めることが大切だ。日本は総人口の約3割を65歳以上が占め、国内の100歳以上の高齢者は今年、初めて9万人を超えた。
逆にスマートフォンの操作やインターネットでの買い物などは、若い世代が得意な分野だ。地域や学校で交流する機会が増えれば、互いに得られるものは多いはずだ。
山陰中央新報通園バス置き去り死 安全装置の義務化を
静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で3歳女児が通園バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した。点検ルールの不備、怠慢、思い込みなど人為的ミスが重なり悲劇を生んだ。
安全技術の進歩で「ぶつからない車」が実現しつつあるなら、車内に子どもを「置き去りにしない車」は難しくないはずだ。国は幼い命のため、その費用を補助すべきだ。
高知新聞【待機児童減少】次は保育の「質」だ
「保育園落ちた日本死ね」―。2016年、ある母親がブログにこう書き込んで社会問題化した保育所の待機児童問題が、改善している。
政府は賃上げを進めているが、引き続き処遇改善に取り組むべきだ。保育士の負担軽減へ、配置基準の見直しも検討する必要がある。
南日本新聞[入管施設で死亡] 待遇の見直し急ぎたい
東日本入国管理センターに収容中のカメルーン人男性が死亡し、母親が国に損害賠償を求めた訴訟で、水戸地裁は入管側の注意義務違反を認めた。入管施設では人命軽視とも受け取れるような対応が続発しており、異常と言わざるを得ない。
常勤医がいない施設があるにもかかわらず、病人も収容してしまうシステム的な問題もあろう。組織の見直しにも取り組まなければならない。

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