「ネット世論操作とデジタル影響工作」(藤代裕之ほか)を読みました。
藤代氏の本は「フェイクニュースの生態系」に続く2冊目です。
第2章 デジタル影響工作のプレイブックデジタル影響工作は、「反撃を招く閾値」を超えない抑制的手段であり、また、低コストで高い効果を見込める非対称戦の手法である。海外勢力からの工作に限らず、デマは低コストで高い効果を見込めて、かつリスクが低いですね。
海外からの工作か、自主的に動いているかは知りませんが、そういうものがSNSを含め多く見られますね。
社会を混乱させる手法として有用な手法でしょう。
だが、『「反撃を招く閾値」を超えない抑制的手段』と…
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「あなたの隣の放射能汚染ゴミ」(まさのあつこ)を読みました。
1回目は「はじめに」に対するツッコミです。
放射能汚染ゴミ本書では、原発事故により各地に飛散した放射性物質が、地面や森林、河川や建物などを汚染し、廃棄物となったものを「放射能汚染ゴミ」と総称し、そのゆくえを追う。ふむふむ。本書での定義はそうなのですね。了解!
のっけから煽るね~それでも、自分の住む街には放射能は飛んでこなかったから大丈夫だと思っている人もいるだろう。しかし、福島県から遠く離れたところに住んでいたとしても、放射能汚染ゴミがすぐ隣にやってくる可能性が現実に近付いている。
それは、環境省が2016年6…
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「学者の暴走」を読みました。
この本の著者の掛谷英紀氏は筑波大学の准教授です。
過去に掛谷氏の本は「学者のウソ」「知ってますか?理系研究の“常識"」を読んでいますが、この本も含めオススメです。
地方分権ハッカビーは環境規制政策を州の決定に任せるべきとした。・・・ハッカビーが州の決定を支持したのは次の理由による。もし、この規制が間違ったもので、結果として経済が停滞し雇用が落ち込んでも、それにより周りの州は新たな労働者をカリフォルニア州から迎え入れることができる。規制が正しいものならば、その成功を真似しようと他の州は追随する。全ての州に同じ政策を強いれば、共倒れになる危険がある。よ…
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「種子が消えれば、あなたも消える」を読みました。
著者の西川芳昭氏は龍谷大学経済学部の教授で、種子法廃止の時に国会で参考人として発言しています。
要点を得ない話をしているので議事録読む気にならず。
東大鈴木宣弘教授のよなデマ屋ではないようですが、その主張に疑問符が付きますね。
UPOV条約に関する不正確な記述現時点では、農家による自家増殖は育成者権の例外である。テストでこれを書いたら×をもらいますね。
第15 条 育成者権の例外
(2)[任意的例外]第 14 条の規定に拘らず,各締約国は,合理的な範囲内で,かつ,育成者の正当な利益を保護することを条件として,農業者…
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「基準値のからくり」を読みました。
この本は、ツイッターでフォローしている永井孝志さんなどによるものです。
永井さんのブログ「リスクと共により良く生きるための基礎知識」はおすすめです。
永井さんが書いている第2章(食文化と基準値)、第5章(古典的な決め方の基準値)、第8章(生態系保全の基準値)をメインに読みました。
20歳未満の飲酒が認められないのは何故?その理由(※20歳未満の飲酒禁止の理由)1947年の青少年禁酒法案に関する参議院議事録に見ることができる。・・・つまり、20歳になれば自己責任が取れるなど、法律の面で自立する「成年」となるから、というわけである。
・・…
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「世界で最初に飢えるのは日本」(鈴木宣弘)へのツッコミ第1回は、『まえがき』が対象です。
これは、様々なデマを撒き散らしてきた鈴木宣弘東京大学教授の本です。
参考文献をまともに書けない大学教授「国際物流停止による世界の餓死者が日本に集中する」という衝撃的な研究成果を朝日新聞が報じた。米国ラトガース大学の研究者らが、局地的な核戦争が勃発した場合、直接的な被爆による死者は2700万人だが、「核の冬」による食料生産の減少と物流停止による2年後の餓死者は、食料自給率の低い日本に集中し、世界全体で2.55億人の餓死者のうち、約3割の7200万人が日本の餓死者(日本の人口の6割)と推定した。…
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『月刊「正論」2023年4月号』の『林 智裕/情報工作が増幅する福島の「風評加害」』を読みました。
林智裕さんの本は過去に『「正しさ」の商人』『東電福島原発事故 自己調査報告』を読みました。
今回、林さんが寄稿しているとのことで、雑誌『正論』を初めて手に取りました。
ツイッターや他のオンラインメディアの内容は読んで知っているので、目新しい・見逃していたものなどについて触れます。
除染目標○福島での除染目標は、健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することはもちろん、「一刻も早い住民の安心確保」も重視された。追加被曝線量を 1mSv/y 以下にするのが科学的な除染の目標…
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『どう考える?「みどりの食料システム戦略」』を読みました。
ただし、鈴木宣弘東大教授のパートだけです。
いつの間にか、日本が、世界で最も農薬基準の緩い国になってきていることが農水省の調査でも明らかになっている。なっていません。嘘つくな!
嘘の常習犯だから、こんなものでしょうけど。
何の調査の結果か書かれていないが、彼のコラム「強まる世界の減農薬のうねり-日本はどう対応するか」を見てわかりました。
「令和元年度 輸出促進事業の実施状況:農林水産省」にある「主要輸出先国・地域の残留農薬基準値調査事業」のことです。
これは、コメ・茶・リンゴなど日本から輸出できそうな農産物で…
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「効かない健康食品 危ない自然・天然」を読みました。
これは松永和紀さんの本で、「メディア・バイアス~あやしい健康情報とニセ科学~」に続き2冊目になります。
参考文献は巻末ではなくWeb上にあったのだが、サイトが無くなってしまっているのでアーカイブにリンクします。
そのアーカイブもリンク切れが多数あるので、メンテしたリンク集を一番下につけました。
蜂蜜・白砂糖「自然だから安全で体によい」というイメージは、「人工合成は悪い」という感覚と裏表の関係にあります。・・・私の知人に「白砂糖は漂白されていて体に悪いから、蜂蜜を食べる」という人がいます。・・・白砂糖は漂白されていません…
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「誰が農業を殺すのか」(窪田新之助,山口亮子)を読みました。
まともな本なので、特段ツッコむところは無いのだが、目に留まったところを書いていきます。
第一章 中韓に略奪されっぱなしの知的財産サブタイトルで「"意識高い系"が反対した種苗法改正」とあるところのお話。
「種苗法改正」について、過去にいろいろ書いたので詳細は左記のリンクを見てください。
"意識高い系"とは、控えめな表現だと思いましたが、以下のように書かれていました。反対派の中心にいたのは、著名な農業経済学者や元農相、JAの組合長らである。農業の知的財産権の一つである種苗を保護するための法改正であるというのに、…
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