"読書"の記事一覧

213歳からの食と農

「13歳からの食と農」(関根佳恵)を読みました。 この本は、「子どもを壊す食の闇」(山田正彦)の主要参考文献に載っていたので、どんなものかと読んでみた次第です。 そんな奴おれへんやろ〜気温や湿度、二酸化炭素濃度などを管理できる植物工場の建設、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)、ロボットを使った農作業管理、無人トラクターの走行も実用化されています。自然条件に左右される農業を完全にコントロールすることは、これまで不可能と考えられてきましたが、新しい技術を使えば「畑は工場になる」と考える企業もあります。こだま師匠じゃないが「そんな奴おれへんやろ〜」と言いたくなるね。 「工場…

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ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

「ピークアウトする中国」(梶谷懐、高口康太)を読みました。 本書のまとめ■供給側 中国政府の経済対策は、「総需要の拡大」ではなく、「供給サイドの改革」に大きく偏っている。 初期の多くの補助金によって、サブタイトルにある「殺到する経済」が生じ、生産性の低い分野にも多数の企業が参入することとなった。その結果、生産コストが下がる。 しかし、前述のように、国内需要の拡大には相対的に力を入れていないため、供給力が余剰となり、過剰生産分が需要を求め海外市場に出ていく。その段階では、すでに生産コストが低下しているため、補助金の必要性も薄れている。 ■需要側 中国では貯蓄率が高い。 …

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東京新聞はなぜ、日本語を読めないのか

「東京新聞はなぜ、空気を読まないのか」(菅沼堅吾)を読みました。 著者の菅沼氏は、東京新聞の論説委員・編集局長・東京本社代表などを歴任した人で、現在も相談役兼東京本社顧問やグループ会社の会長をしています。 この人の主張を読めば東京新聞がどんなものかが分かるのではないでしょうか? では見ていきましょう。 はじめにしょっぱなからデマ「新しい戦前」という言葉が使われるようになった。2022年12月末のテレビ番組「徹子の部屋」に出演したタレントのタモリさんが、来年はどんな年になるかと問われて、「新しい戦前になるんじゃないでしょうかね」と答え、23年の「新語・流行語大賞にノミネートされ…

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おしゃべりな絶滅動物たち

「おしゃべりな絶滅動物たち」(川端裕人)を読みました。 川端氏の本を読むのは「ドードー鳥と孤独鳥」を含め3冊目です。 この本の脚注はこのページの最後に載せています。 この本はヒトが絶滅させた動物について述べています。 ・ベーリング海にいたステラーカイギュウが絶滅した直接的原因は食料とするための乱獲だった。  捕まえ易かったというのもあるが、面白い話が載っていた。  同海域に住むラッコを毛皮のために乱獲  ↓  餌となっていたウニが激増  ↓  昆布が激減  ↓  ステラーカイギュウは昆布を餌にしていたので、ヒトの乱獲がなくても絶滅していた ・多摩…

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日本のなかの中国

「日本のなかの中国」(中島恵)を読みました。 最近の中国人留学生の多くは日本でアルバイトをせず仕送りで生活しているそうだ。 人によっては日本にいる中国人としか交わらず日本人の友人が一切いないという人もいるらしい。 中国人は各国で独自のコミュニティを作っているというのは知っているが、全く同化しようとしないのもどうかとは思いますね。 経営・管理ビザというのがあって、それは日本語を話せる必要がないそうで、金持ちが日本に住むためにそれを利用しているとのこと。 日本国内の中国人コミュニティのことが色々書かれているが、国内で成功した上澄みのような話ばかりだった。 成功していない下…

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みんなの校正教室

「みんなの校正教室」(大西寿男)を読みました。 著作者人格権出版の校正では、原則として、どんなによかれて思っても、校正者が勝手に判断して原稿を修正することはありません。明らかな誤字脱字であっても、黒エンピツで疑問や確認として出し、編集者や著者に判断してもらいます。 なぜなら、原稿を書き換える権利をもつのは作者である著者だけだからです。著者との信頼関係において、編集者が一部、原稿に手を入れることもありますが、厳密にいえば、作者以外、作品を改変することはできません。 このことは、「著作者人格権」として法的にも護られています(著作権法)。何より、校正者も編集者も創作者ではなく、あくまでも…

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2050年再エネ9割の恐ろしき未来

「2050年再エネ9割の未来」(安田陽)を読みました。 「はじめに」に次のように書かれています。本書では、「再エネの5つの神話を解体する①~⑤」という節も各章にちりばめて、次の5つの「神話」を解体していきます。 ①再エネはコストが高い?(2・5節) ②再エネは未成熟?(3・5節) ③再エネを捨てるのはもったいない?(4・5節) ④再エネは環境破壊?(5・2節) ⑤再エネは不安定?(5・4節) このような科学的根拠が貧弱な噂レベルの言説や古い考え方に対して、本書は基礎理論や科学的根拠を提示し、国際的な合意形成の現場サイドからの情報も交え、バグを修正していきます。この本を真面目…

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ここがすごい!水辺の樹木

「ここがすごい!水辺の樹木」(崎尾均)を読みました。 図書館の新刊コーナーで見つけて川好きとしては読まないといけないと思って読んだ次第です。 ・渓畔林によって日光は20%以下に抑えられる。渓流中の岩肌には藻類などは分布せず水生生物のエネルギーは落葉落枝に依存している。 ・河川周辺のわずか10m幅の河畔林が農地から流入した窒素・リンを除去する。 ・水辺の樹木で両性花をもつものは少ない。 ・一般的に木は、開花・種子生産に豊凶があることが多い。  先駆樹種は豊凶の差がほとんどない。その逆の種は豊凶の差が多い。  差が多い理由として、一定しているとネズミ・リスなどの量が一定にな…

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「シン」じるな「・オーガニック」与太話

「シン・オーガニック: 土壌・微生物・タネのつながりをとりもどす」(吉田太郎)を読みました。 「斎藤幸平氏推薦!」と帯に書かれているが、氏は「子どもを壊す食の闇」というデマ本を推薦していたから胡散臭いですわ(ただし、後に撤回した)。 氏の著書も「ゼロからの『資本論』」も酷かった。 斎藤氏と同様にこの本も胡散臭いものか見ていきましょう。 はじめに──なぜ、いま、自然への表敬なのか自然農法や有機農業、植物工場から、フードテックまで、頭がこんがらがりそうなさまざまな主張のどれが正しいのか見極めるのは至難の業だ。 そこで、交通整理として、横軸にSDGsにどれだけ寄与するかを、ま…

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ネオニコチノイド ノイジーマイノリティーによる情報汚染

「ネオニコチノイド 静かな化学物質汚染」(平久美子)読みました。 この人は何の証拠もなくネオニコ中毒だと言った人です(真っ先に疑われる果物アレルギーの可能性について全く触れていない)が、どんな内容か見てみましょう。 ※巻末にある引用文献の一覧 はじめに欧州でトウモロコシの種にまぶして機械で畑に撒くと、周辺のミツバチをはじめとする授粉昆虫、周囲をうっとうしいぐらい高密度で飛行していたガやトンボの類が激減し、その変化は年々加速した。なぜネオニコをコーティングしたトウモロコシの種をまくとミツバチが激減するんだ? トウモロコシの種を食うわけでもなく、そこに花が咲いているわけでもな…

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