"記事論評"の記事一覧

東大特任教授による日米貿易協定デマ

東大鈴木宣弘特任教授が第一次トランプ政権時の日米貿易協定についてコラムを書いていたのでツッコミます。 「【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】前回のトランプ政権との日米貿易交渉の失敗に学べるか(1)|JAcom 農業協同組合新聞」 1 米国は自動車関税の撤廃を約束した。 →していない。上記のサブタイトルはコラムのものを使っています(以降同様)。  日本側は合意文書を開示せず、「時期は決まっていないが自動車関税の撤廃は約束された」と説明して署名したが、署名後に公にされた米国側の約束文書(英文、邦訳は出さず)には「自動車関税の撤廃についてはさらなる交渉次第」(Customs d…

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食のデマの属国日本③:少しは国の資料を見たらどうですか?

「食の属国日本」(鈴木宣弘)を読みました。 ※既出のデマは基本的に細かく記載しません。過去ログのリンクかタグを見てください。 三回目は「第二章 なぜ、自給率を重視せず「有事立法」なのか」がツッコミ対象です。 もともと記載があります驚くべきことに、現行基本法の検証時における「中間取りまとめ」の段階から、食料自給率は、「国内生産と消費に関する目標の一つ」と、その位置づけはむしろ低下させられていた。 ・・・ 肝心の食料自給率については、与党からの要請を受け、「食料自給率向上」という文言が加えられはしたものの、なぜ自給率向上が必要で、そのためにどんな抜本的な施策を講じるべきとい…

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食のデマの属国日本②:今でもウクライナは小麦を輸出できないそうだ

「食の属国日本」(鈴木宣弘)を読みました。 ※既出のデマは基本的に細かく記載しません。過去ログのリンクかタグを見てください。 二回目は「第一章 今、何が求められているのか」がツッコミ対象です。 ウクライナは耕地を破壊され、播種(種まき)も十分にできない。海上も封鎖され、小麦を出したくても出せず、物理的に小麦の輸出が停止している。一時期「輸出が停止していた」が、以下を見てもらえば、今でも継続的に停止しているように書くのは大きな間違いです。 ※アメリカ農務省の「Grain and Feed Annual(Ukraine)」より引用 ■既出デマ ・東北の優良らし…

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みんなで選ぼう 生協ネットワーク21フリー!

ネオニコチノイド系農薬(殺虫剤)について「みんなで選ぼう ネオニコフリー!」というデタラメな動画を見つけたのでツッコミます。 残留性が高い?土や水の中に長く残って・・・ネオニコは他の農薬と比べて残留性が高いのだろうか? これは、農薬出荷量を「化学物質DB/Webkis-Plus 農薬出荷量の検索 <都道府県×年度>」、それ以外を農薬評価書をもとにして作りました。 半減期の平均(1日未満は全て1日に丸める)は、 水中光分解試験で、非ネオニコで112日、ネオニコで57日 土壌残留試験で、非ネオニコで20日、ネオニコで37日 でした。 それぞれで、最も長い…

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報道の責任からの「自由」(自由報道協会)③おしどりマコ編

「自由報道協会が追った3.11」を読みました。 3回目は「おしどりマコ:守りたい人たちを守るために 漫才師としてできること」です。 過去の回は、こちらから見てください。 東日本大震災で東京のマンションが倒壊したの?2011年に東京に引っ越してきて、3か月で東日本大震災があったのです。 「わー死ぬかも!」 古いマンションの7階の自宅は、とても揺れてお風呂の水がバケツを揺らしたように、全部飛び出ました。棚もほとんど倒れ、電子レンジも吹っ飛んでいきました。動画でリアルタイム発信する場合はおかしな発言もあるでしょう。 しかし、これは文章なので読み直しするなど世に出る前にチェック・…

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ワカサギ激減ネオニコ原因説は完全終了?

東京大学の山室真澄教授が、ワカサギの餌がネオニコチノイド系殺虫剤によって減少したため、ワカサギが激減したという論文を発表しています。 山室教授曰くその仮説は「証明された」らしいのですが、かなり胡散臭い内容です。これまでの話はタグを見てください。 今回、素晴らしい研究結果を見つけたので紹介します。 「汽水性動物プランクトンに対する塩分と農薬の共役的効果に関する研究」(城太郎、鈴木碩通) ※以降、研究Aと呼ぶ 山室論文で対象となった、ネオニコの一種であるイミダクロプリドと宍道湖のワカサギの主な餌であるキスイヒゲナガケンミジンコ(Sinocalanus tenellus)が研…

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無知なのにネオニコにも嚙みつく日弁連

「日本弁護士連合会:ネオニコチノイド系農薬の使用禁止に関する意見書」という意見書を見つけたのでツッコミます。 意見の趣旨意見書から要旨を引用します。 1 新規ネオニコチノイド系農薬について、製造・輸入及び販売するための農林水産大臣の登録を、予防原則に基づき保留するべきである。 2 既に登録されている農薬であっても、ネオニコチノイド系農薬及びフェニルピラゾール系農薬のフィプロニルのように人畜に対して危険を及ぼすことが懸念される農薬については、予防原則に基づき、暫定的に登録を停止し、販売及び使用の禁止を命ずることができるよう、農薬取締法を改正すべきである。 3 前項の農薬取締法…

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反ネオニコに染まった東大教授は論文も読めなくなった?

反ネオニコチノイド系農薬(殺虫剤)の東大山室真澄教授が以下のようなツイートをしてます。 世界で初めて日本人が作ったネオニコチノイド系殺虫剤「イミダクロプリド」が、魚に致死的影響をもたらすとの論文が公表されました。表1には数μg/Lでも影響する種類がいます。釣振興会の全国調査で、多数の河川がこの濃度以上でした。日本では1993年から撒かれ続けています。https://t.co/IcH6DvMtB1— 山室真澄 (@YamamuroMasumi) April 2, 2025 山室教授のツイートを信じると、イミダクロプリド数 μg/L で致死的影響のある魚類がいるとのことです。 …

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子どもを壊す食のデマの闇⑦ 有機農業・遺伝子組み換えデマ

「子どもを壊す食の闇」(山田正彦)を読みました。 「第七章 世界に広がる有機農法とオーガニック市場」にツッコミます。 校正くらいしよう世界には、オーガニックの波が押し寄せています。 次ページのグラフのように世界の全耕地面積に占める有機農業の割合は、2008年の約3450万ヘクタールから、2018年には約7150万ヘクタールへと、10年間で2倍になっています。デマ本でも校正くらいはしましょうよ。有機耕地の絶対量しか言及しておらず割合を示していない。 有機農業が地球温暖化を止める?農地土壌には、温暖化の原因となっている炭素が多く存在しており、トラクターで農地を耕すことで、この…

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除染土を汚染土とポストするXアカウント

2025年1月17日~2月15の期間で除染土に関するパブリックコメントがありました。 「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関る特別措置法施行規則の一部を改正する省令案等」 この期間中に再利用される除染土を除染土とXでポストした人を調べました。 調査方法は次の通り。 ・「汚染土」がポストした文章に含まれる ・1000回以上表示された ・期間は2025/01/17~2025/02/15 ・再利用する除染土に対して「汚染土」と呼んでいるか文章を見て判断 ※個人的に有名…

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