「ヤバい“食” 潰される“農” 日本人の心と体を毒す犯人の正体」(堤未果、藤井聡)を読みました。
第二回は「第1章 際限なくマーケット化する食と農」がツッコミ対象です。
ウクライナが農薬生産大国?堤未果:この2カ国は肥料生産大国でもありましたから、天然ガスの価格急騰で肥料価格が急上昇し、世界の食料生産を減少させた。この2カ国といっているのはロシアとウクライナです。
堤未果大先生のように博識ではないド素人の私は、ロシアは肥料生産大国だと思うがウクライナは違うんじゃないかなぁ~と調べました。
ロシアは次の記事にある通り肥料生産大国ですが、ウクライナは違います。
「ノーリ…
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「ヤバい“食” 潰される“農” 日本人の心と体を毒す犯人の正体」(堤未果、藤井聡)を読みました。
「雑草も虫も全滅させるグリホサート」(グリホサートは除草剤です)と、農業について無知っぷりをさらけ出す堤未果氏と「法律の中身をちゃんと見ろ!」と種苗法に関する動画を出すが、種苗法の中身を見ていない藤井聡氏の共著です。
きっと素晴らしい内容なのでしょう(嫌味です)。
表紙を見ると著者二人の名前のところに赤字の「×」が書かれています。
「日本人の心と体を毒す犯人の正体」は、著者二人のようなデマ屋だと、デザイン担当した人がせめてもの良心を見せているのかな?なんて思いました。
…
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「エビデンスを嫌う人たち: 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?」を読みました。
第1章 潜入、フラットアース国際会議私は前著『科学的態度』のなかで、科学と非科学を分ける第一のポイントは、自分の仮説が証拠と食いちがうとき、科学者ならば自説を率先して修正する覚悟をもっているところにあると述べた。第二のポイントは書かれていないが、科学とは相いれない態度ですね。
非科学を信じてしいる人にその信念が間違っていると気づいてもらうためにはどうしたらよいか?というのに対して、著者は次の質問を考案している。「もし存在するとして、それがどんな証拠であれば、自分が間違っていると納得できますか…
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「子どもを壊す食の闇」(山田正彦)を読みました。
「第四章 食べるものが孫やひ孫の健康に影響を与えることも」にツッコミます。
新しい OR よくあるデマ文科省が2019年に発表した、通級による指導を受けている児童生徒数の推移調査では、発達障害と診断される子ども(編集部注:注意欠陥多動性障害、学習障害、自閉症、情緒障害の合計)が2006年には9792人だったのが、2017年には6万8839人と、1年で約7倍に増加していることがわかりました。発達障害と診断できるのは医師だけですが、この調査は教師がそうだと思ったものが計上されているだけなのでは?
日本で自閉症をはじめ発達障害の…
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『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(鈴木宣弘、森永卓郎)を読みました。
森永氏(獨協大学経済学部教授)のことは名前を知っているくらいでどのような人かは知りません。
鈴木氏(東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授)は、農業に関する有名なデマ屋です。
デマ本だと思いますが見ていきましょう。
第一章 世界経済はあと数年で崩壊する森永 2023年だったかな、農水省が有事の対策を発表しましたよね。いざとなれば食料は配給制にして、みんなでイモを植えてしのごうという。
鈴木 ええ。有事に食料危機が起きた場合、花農家などに強制的にイモや米を作るよう命令するための法律…
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『フェイクを見抜く 「危険」情報の読み解き方』(唐木英明、小島正美)を読みました。
はじめに強固な考えをもった人に対して、「科学的にはこうです」と言っても、説得することは不可能だろう。しかし、世の中の6割前後は「どちらが正しいか迷っている」と思われる人たちだ。本書はそのような迷いをもつ6割の人たちに対して、役に立つ参考書を目指した。陰謀論などにどっぷりつかってしまっている人は宗教と同じで救えないです。
・6割かどうか知らないですが「迷っている」「どうなのかわからない」と思っている人達
・陰謀論にはまっていたがこれは違うのでは?と疑問を持ちはじめた人達
これらの人達のために…
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「子どもを壊す食の闇」(山田正彦)を読みました。
「第二章 表示が消される食品添加物」にツッコミます。
着色料一例をあげると、イギリスで2007年、合成着色料のタール系色素が「子どもの多動性行動に関係している」という調査結果が出て、EUでは食品メーカーに警告表示を義務付け、自主的に使用を中止するよう勧告しています。子どもの発達障害が増加している背景には、農薬や添加物が影響している可能性がある、と考えられているからです。デマ屋の文章に正確性を求めるだけ無駄なのですが、読んでイライラしますね。
赤字の部分は誤りで、下線の部分はミスリードです。
この話を時系列にならべて正し…
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「子どもを壊す食の闇」(山田正彦)を読みました。
民主党政権時代に農林水産大臣を3か月やっていた肩書を最大限活用してデマを散々流してきたので、書名からデマ本であることが想像されます。
年齢的に懺悔するには最後の機会だと思いますが、実際のところはどうなのか見ていきましょう。
「まえがき」は他の章と重複するだろうからスキップして「第一章 農薬づけの日本の食卓」からツッコミましょうか。
農薬使用量第一章で知っていただきたいのは、「いかに日本が農薬大国であるか」という現実です。 次ページのグラフを見てください。
日本は農地単位面積あたりの農薬使用量がOECD加盟国の中で第1位で…
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「パンと牛乳は今すぐやめなさい! (3週間で体が生まれ変わる)」(内山葉子)を読みました。
参考文献が巻末に載っていたので転記しました。
本文を読む前に転記したのだが、本文を読むと参考文献とリンクをさせていない!
クソですね。
参考文献を載せて、それっぽく見せられればよいのでしょう。
「はじめに」で次のように書いていますが、「科学的に解説」する気なんてまるでないことがよくわかります。パンと牛乳の両方について科学的に解説し、日本人向けの具体的な改善法をお伝えしたいということも、本書を著した理由です。
量の概念皆無・デメリットしか言わない「はじめに」に次のように書かれています…
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「日本人だけが知らない汚染食品」(内海聡)を読みました。
はじめに私は毒舌しか取り柄がない人間なのではっきり申しあげますが、今の日本人はあまりに思想が低く、あまりに場当たり的で、あまりに依存的であり、あまりに従属的であって、あまりに無関心です。「毒舌しか取り柄がない」とはご謙遜を。
デマが最たる取り柄ですよね?
デマも毒舌もそもそも取り柄じゃないか。
「場当たり的」だというのには同意しますがね。そして、問題を先送りするのが大好き。
食は社会毒だけの問題ではなく、どんな食事療法や栄養療法をするかもふくめて、多重ジャンル化しています。「社会毒」って初めて聞く言葉ですね。
…
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『本当は危ない国産食品 ―「食」が「病」を引き起こす―』(奥野修司)を読みました。
『「農薬工業会」の批判に反論する』と『おわりに』にツッコみます。
『「農薬工業会」の批判』は「週刊新潮の掲載記事に関する農薬工業会の見解」で見られます。
参考文献はこちらから参照ください。
過去ログはこちらからどうぞ。
『第七章 食べてはいけない「食パン」リスト』『第八章 パスタと野菜に気をつけろ』はスキップします。
ブーメラン、ブーメラン②第一章三三頁
【母親の体に入ったアセタミプリド(ネオニコの種類については一九頁の表1参照)が母体で代謝されると、その産物が胎盤関門という…
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「ゲノム編集食品が変える食の未来」(松永和紀)を読みました。
過去にも何冊か松永さんの本を読んでいます。今回のはどうでしょうか。
情報災害東日本大震災後の福島第一原子力発電所事故により食品の放射能汚染が起きた際、誤情報が氾濫しました。福島県産食品が危険視されたのです。そのような説の根拠となるデータ、検査値は出ていませんでした。
私は当時、「第四の災害である情報災害が起きている」と述べ書籍や講演などで注意を促していました。地震、津波、原発事故という三つの災害だけでなく、科学的に間違った情報が人々に無用の不安を呼び起こし風評まで招くという第四の災害につながっている、と考えていました…
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「ゼロからの『資本論』」(斎藤幸平)を読みました。
著者の言う『資本論』とはこの本で言いたいだろうことを最初にまとめます。
マルクスの本として出ている『資本論』は完成形ではなく、続編を晩年に出そうとしていた。
その続編こそマルクスが言いたかったことで、その主張は研究ノートなどからうかがい知れる。
一般に言われていることは日本共産党綱領で主張するような「生産手段の社会化」なのだが、これではない。
どんなものかというと、次の2つがコアとなる。
・環境的に持続可能な社会
・個人が生産活動において歯車にならない
(資本主義は分業制になっていて、一人で全てをできないの…
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立憲民主党の山田勝彦先生は山田正彦元農林水産大臣のご子息で農業に関して親子ともども博識でございます。
勝彦氏の国会での素晴らしく輝かしい質問をピックアップして解説していきます。
(令和4年2月16日~令和6年6月4日分)
見事なダブルスタンダード第213回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 第4号 令和6年6月4日今年度から、食品衛生基準行政が厚労省から消費者庁へ移管されました。全国各地の直売所から手作りの漬物が激減している問題についてです。
六月一日から改正食品衛生法が完全実施され、漬物の製造に営業許可が必要となり、かなり高額な加工施設を設置することが義務づけられ…
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「誰も農業を知らない」(有坪民雄)を読みました。
遺伝子組み換え発展途上国には、遺伝子組み換え食品を食べるのが「不安だ」などといった「寝言」を言っている余裕がない国が多いのです。・・・発展途上国の事情はわかる。しかし「寝言」とは、なんとひどい言い方をするのか―――そうおもうかたがいらっしゃるかもしれません。ですが、そういう方にこそ私は聞きたい。あなたはその「遺伝子組み換え作物に対する不安」について自分自身で調べましたか?勉強されましたか?筆者が「寝言」だという根拠は、大学の農学部あたりで普通に教えられている教科書レベルの知識に照らせば、寝言以外の何物でないと断言できるからです。超どスレ…
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統一地方選挙2023の重点政策・公約から、各党のおかしな・うさんくさい農業政策をピックアップします。
以下の表に各党のおかしな・うさんくさい農業政策をまとめました。
各党のおかしな・うさんくさい農業政策各政党名のリンクから政策を見られます。
■自由民主党
あからさまに変なのは無いですが、水産業の成長産業化が微妙ですね。
資源不足のものは水産資源管理が先に必要なのだが、それがちゃんと意識されているのでしょうかね。
■立憲民主党
戸別所得補償、種子条例、学校給食はキーワード的にうさんくさい。
※リンクは、立憲民主党所属議員の発言などへのもの…
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西日本新聞の「相次ぐ電力不正 公正な競争環境を整えよ」をピックアップ。
資源価格の上昇で大手7電力が家庭向け規制料金の大幅値上げを申請したが、今の状況では消費者の理解は得られまい。国民の厳しい視線を受け止めるべきだ。国民をバカにしていますね。
資源高だから電気料金が上がることを国民は理解します。
同意をしない人はいるでしょうが。
言葉を正しく使いましょう。
『新聞は「理解」という言葉を正しく「理解」しているか』で西日本新聞は対象にしていなかったが、少なくとも正しくない使い方をしていることを認識しました。
今日の社説:3行要約■東京新聞:少子化対策 財源確…
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「世界で最初に飢えるのは日本」(鈴木宣弘)へのツッコミ第8回は、『あとがき』が対象です。
これは、様々なデマを撒き散らしてきた鈴木宣弘東京大学教授の本です。
学校給食は廃止するしかないね食の安全や食料安全保障を取り戻すためには、日々の買い物の中で安くても危ない食品を避け、少しだけ高い地元の安心・安全な食品を買うこと、それだけでいい。そして、学校給食で子どもたちにリスクのある食品が提供されないようにしよう。完全に慣行農家を敵に回しましたね。
この書きっぷりだと、有機農産物にはリスクが無いものと理解しているようだ。
鈴木教授の発する「リスク」という言葉を全く聞く必要の無いことが明…
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「ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?」(堤未果)を読みました。
過去記事はタグを参照のこと。
『第5章 〈デジタル農業計画〉の裏───忍び寄る植民地的支配』にツッコみます。
RNA農薬イノベーションを中心にしたこの新しい戦略で、裁判沙汰になった〈グリホサート系除草剤>やミツバチの大量死との関係が指摘される〈ネオニコチノイド系農薬〉を減らす代わりに今後浮上してくるのが、テクノロジーをフルに活用した、次世代新技術、RNA農薬(遺伝子組み換え農薬)やゲノム編集、デジタル農業だ。
日本政府が2040年からの開発・普及を視野に入れている、害虫、病気、雑草対策の3つ…
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「ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?」(堤未果)を読みました。
過去記事はタグを参照のこと。
『第2章 フードテックの新潮流』にツッコみます。
DDTは常温で気体だったんですね、知りませんでした。国際ジャーナリストは博識だな~モンサント社の開発史を遡るとよくわかる。
同社の最初の成功は、自然分解せず生き物の体内で凝縮される殺虫剤「DDT」だ。出版社も含め、言葉を知らないとは恥ずかしいですね。
Wikipediaによると「凝縮(ぎょうしゅく 英:Condensation)は、気体から液体への物質の状態変化であり、気化の逆にあたるもの。液化とも言う。」 。
…
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「ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?」(堤未果)を読みました。
過去記事はタグを参照のこと。
『第1章 「人工肉」は地球を救う?』にツッコみます。
デマ本なので校閲は期待していないが、校正くらいはしようよ
ミズーリ大学に通うリチャードという人の発言を引用してるのだが、閉じ括弧がありませんね。
仕方がないので、赤字で『」』を付けました。
校正すらまともにせず出版して恥ずかしくないですかね?
まあ、恥ずかしかったらデマ本なんて出さないか。
出ました!MAAの創設者のゼン・ハニーカットは、インポッシブルバーガーとビヨンドバーガーの両方の人工肉を第三者…
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日本農業新聞の「食用コオロギ 食料難の救世主へ期待」をピックアップ。
コオロギは雑食性で、農業残さや食料残さを餌にできる。海外資源に頼ることなく全国どこでも育てられ、遊休施設の有効活用にも役立つ。地方での雇用創出も期待できる。ふんは、肥料に活用できる可能性もある。どっかの東大教授みたいに話が短絡的ですね。
「農業残さ」や「食料残さ」の元はどこからくるんですか?
それを集めるための機械・エネルギーはどこからくるんですか?
今日の社説:3行要約■産経新聞:安保3文書の決定 平和守る歴史的大転換だ 安定財源確保し抑止力高めよ長距離ミサイルなどで相手国領域内の拠点を攻撃する反撃能力…
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「食の戦争」へのツッコミ第6回(最終回)は、『第6章 日本の進むべき道、「強い農業」を考える』が対象です。
これは、様々なデマを撒き散らしてきた鈴木宣弘東京大学教授の本です。
過去ログと重複する内容が結構あるので、それは割愛します。
なぜ健康にやさしく本当においしいの?高いけれども、モノが違う、品質がよいということが、本当に強い農業の源になる。このことを生産者と消費者が双方に納得する「つながり」が重要である。
・・・
そのキーワードは、ナチュラル、オーガニック、アニマル・ウェルフェア(動物愛護)、バイオダイバーシティ(生物多様性)、そして美しい景観である。生産コストだけでは…
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「食の戦争」へのツッコミ第2回は、「第2章 食の安全を確保せよ - 食の安全をめぐる数々の懸念」が対象です。
これは、様々なデマを撒き散らしてきた鈴木宣弘東京大学教授の本です。
過去ログと重複する内容が結構あるので、それは割愛します。
BSEたとえ全頭検査であっても、ある程度以上プリオンが蓄積した牛が市場に流通する可能性が残されているのである。その場合に、全頭検査だから100%安全と言えるかどうかということである。「安全」ということをまるっきり理解していない(もしくは煽るだけの)記述ですね。
「安全」が何なのか知っていれば「100%安全」などという表現はしない。
「安全…
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カーリルで全国の図書館の本を調べらると知ったので、デマ本とマトモな本がどのくらい蔵書されているのだろう?と思い調べました。
調査対象はカーリルで出てくる全国の図書館の内、大学図書館を除くものです。
著者の名前の背景を「赤」にしているのは、デマ本または非常に質の低い本を書く人で、「緑」はその逆です。
「質の低い」と判断する基準は、事実と反したこと(調べれば簡単に確認できる)が多く書かれているものです。
「デマ」の説明は不要ですね。
「緑」の良質なものは、事実誤認が確認できない・または極小で、特筆すべき主張や説明がされているものです。
「比率が高い都道府県ランク」…
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「フード左翼とフード右翼」を読みました。
約8年前の本ですが、遺伝子組み換え、モンサントなどな今と変わらない問題(問題としている)があるというのにゲンナリします。
一向に改善されていないどころか、ひどくなっているのでしょう。
あなたは左右どっち?食のマトリックスということで以下の図が登場します。
上に行くほど「健康志向」、
下に行くほど「ジャンク志向(安さ・重量視)」、
左に行くほど「地域主義」、
右に行くほど「グローバリズム」、
左上に行くほど「フード左翼」、
右下に行くほど「フード右翼」、
であるとのことです。
私は、
右・下の遺伝子組…
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OKシードプロジェクトという団体が『ゲノム編集ー神話と現実:煙幕の中のガイドブック』を出しています。
これは「GENE EDITING MYTHS AND REALITY」の翻訳版です。
このデタラメっぷりを突っ込んでいきます。
以下タイトルは、このガイドブックにある通りのものです。
1 ゲノム編集は遺伝子工学であり、品種改良ではありません。ゲノム編集技術は、品種改良技術ではありません。これらは技術的にも法的にも遺伝子操作技術であり、遺伝子操作生物(GMO)を生み出し、2018年の欧州司法裁判所の判決で確認されているように、EU遺伝子操作規制法の範囲に含まれます。騙しですね。…
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東京大学鈴木宣弘教授の本「農業消滅」の2刷における変更点が公開されていたのでそれに触れます。
教授のコラム等へのツッコミはタグを参照ください。重複する分はここでは触れません。
変更点は「『農業消滅――農政の失敗がまねく国家存亡の危機』2刷での内容変更のお知らせ。 - 平凡社」で確認できます。
では見ていきましょう。引用部分は変更後のものです。
種子法に関するところほとんど直っていませんが・・・命の要である主要な食料の、その源である良質の種を安く提供するには、民間に任せるのでなく、国が責任を持つ必要があるとの判断から種子法があった。
しかし、これを民間に任せてしまえば…
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「チバニアン兼業農学校 農業政策 山田先生 2022年3月9日」という動画を見ました。
立憲民主党の山田勝彦衆議院議員(山田正彦元農林水産大臣の息子)出演の動画です。
見て頂ければわかりますが、間違いだらけです。
種子法「主要農作物種子法」は、たった8条しかない短い法律です。
まず、これについて解説しています。
動画の中では言っていないが「伝統的な日本の在来種を、種子法によって国が管理」と書かれています。
まず、都道府県で種子生産している米には在来品種はほとんどないでしょう。
※米穀安定供給確保支援機構の「平成29年産水稲の品種別作付動向について」よ…
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「タネはどうなる!?」を読みました。
民主党政権時代に農林水産大臣だった山田正彦氏の著書です。
55ページある「第6章 すでに遺伝子組み換えのコメの種子が用意されている」へのツッコミです。
ホント農業のことを知らないねモンサントはその時(※1999年に遺伝子組み換えコメを開発以降)から日本のコメを遺伝子組み換えにすればアジアの種子を支配して利益を独り占めにすることができると考え、日本のコメの種子市場を狙って莫大な投資を始めていたことになる。
コメ生産量ランキングを見て頂こう(農林水産省の「生産量と消費量で見る世界の米事情」より引用)
日本・韓国はジャポニカ米を生産してい…
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北海道新聞の「神恵内村長選 調査同意と言い切れぬ」をピックアップ。
この選挙結果をもって、村民が概要調査に進むことに同意したとは言い切れない。
瀬尾氏が獲得した48票は、反対の声を示したものと言ってよいだろう。賛成派の高橋氏は559票、反対派の瀬尾氏は48票なのだが、この社説では賛成派の得票数が書かれていない。
賛成派の得票率は92%。
得票率が書かれていないのは、まあ良いとして北海道新聞の論理がまるで理解できない。
48票が反対の人だとなぜ言えるのか?
もしそう言えるのならば、大多数は賛成派ってことになるのでは?
ちなみに去年12月の社説「神恵内村長選 核ごみ議論…
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日本農業新聞の「ゲノム編集食品 種苗含め表示の追求を」をピックアップ。
ゲノム編集を使った品種改良や食品の研究・開発が盛んに行われ、販売も始まった。一方で、政府は表示を義務化しなかった。消費者からは安全性への不安の声も上がっている。食べたくない人が食べないで済むように、科学的知見の進展を踏まえながら、表示制度を追求すべきだ。全くダメですね。
科学的知見を総動員しても遺伝子組み換え作物でさえ、危険性が見つかっていないのですよ。
遺伝子組み換え・ゲノム編集ともに安全の話ではなく、安心の問題なのです。
日本の農業の発展に寄与すべき日本農業新聞が科学的な安全性を説明せずして、何の存…
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日本農業新聞の「学校給食のパン 国産小麦の活用促進を」をピックアップ。
学校給食のパンに国産の小麦を使う動きがじわり広がってきた。確実な需要が見込める学給用パン原料の国産への切り替えは、数量と品質の両面で安定供給できる産地づくりの契機になる。国産使用を増やし、需要に応じた生産に弾みをつけたい。
・・・
小麦は米の転作作物としても重要だ。22年産も作付け転換が必要で、予算の確保を含め十分な支援を求める。他と比較して単位収量低いものを推進すべきかい?って思って調べたら意外でした。
以下、FAOSTATのデータから作りました。
日本を基準(1.00)とした時の相対的な生…
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鈴木宣弘東京大学教授のコラムへのツッコミです。
「崩れる量と質の食料安全保障~ジャガイモもついに~」
今回も間違いだらけです。
ジャガイモの検疫従来、米国にはジャガイモシストセンチュウが発生していることから米国産生鮮ジャガイモは輸入を禁止していた。しかし、米国からの要請に応じて、2006年に、ポテトチップ加工用に限定し、輸入期間を2月~7月に限定して輸入を認めてきた。しかし、2020年2月に、農水省は、米国産のポテトチップ加工用生鮮ジャガイモの通年輸入を認める規制緩和を行い、さらに米国の要求を受けて、ポテトチップ用にかぎらない生食用ジャガイモの全面輸入解禁に向けて協議を始めるこ…
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「売り渡される食の安全」を読みました(やっとのことで153ページ読了しました)
過去分は、タグからどうぞ。
農業に肥料は不要?実家は米と麦の二毛作を行い、さらに輪作として大豆と芋も栽培していた。
大豆は根にくっついている瘤のような器官に、根粒菌と呼ばれる土壌微生物がすんでいて、土の中でいわゆる窒素固定の働きをしたので肥料は必要なかった。大丈夫ですか?
小学生向けと思われる農林水産省の『「植物は何を栄養にして育っているの?」』から以下を引用します。
もしや、農林水産大臣をやった人が3大栄養素を知らないのですか?
窒素は山田氏が書くようにマメ科の植物(レンゲ…
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「農と食の戦後史」を読みました。
第①弾、第②弾
この本は、天笠啓祐 日本消費者連盟顧問、大野和興 日刊ベリタ編集長の二人の対談本です。
主要農作物種子法第一弾でも触れましたが、再登場しています。【天笠】主要農作物種子法も1986年に改正されています。民間企業に門戸を開く、しかも大ぴらげに開くように改正された。それまで自治体の試験場などが開発し、それを国が支援する仕組みだったのを、民間企業優先に方針を変えた。惚れ惚れするほどの大間違いです。
「主要農作物種子法」の第一条を見ればわかりますが、この法律は種子開発ではなく、種子生産・普及のためのものです。(目的)
第一条…
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「売り渡される食の安全」を読みました(やっとのことで28ページ読了)
1回目、2回目に続き3回目です。
米国の遺伝子組み換え農産物の作付面積は減ったのか?世界の流れはこの2、3年で変わった。米国では遺伝子組み換え農産物の作付は減少して、有機栽培が年に10%の割合で、EUでは年に7%の割合で増えている。面白いことを仰る。
では、ISAAA(国際アグリバイオ事業団)のISAAA Briefsをまとめたグラフを見て頂こう。
主要3品目とは、大豆、トウモロコシ、菜種のことを指します。
理由不明だが2015年は減ったが、翌2016年には増えている。
この本は2019年8月出…
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胡散臭い人を見分けるための良いキーワードを見つけました。
それは「農業競争力強化支援法の第8条4項」。
たった一文で、誤読しようがないものを誤って紹介している人=胡散臭い人(信用できない人)と言えるでしょう。
※そんな人は、ほぼデマ・ウソ・インチキを言っていると見なせるでしょう。
農業競争力強化支援法の第8条4項とは何か?まず、正解を見ていきましょう。
「農業競争力強化支援法」第八条とその四項を引用します。(農業資材事業に係る事業環境の整備)
第八条 国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現する上で必要な事業環境の整備のため、次に掲げる措置その他の措置を講ずるものとす…
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「メディア・バイアス~あやしい健康情報とニセ科学~」を読みました。
Twitterでフォローしている松永和紀さんの本です。
ちょっとした科学的リテラシーと論理的思考があれば、判別できる事象が沢山記されています。
最後に「科学情報を見破る十カ条」というのが書いてありました。
その紹介とコメントを書きます。
1.懐疑主義を貫き、多様な情報を収集して自分自身で判断する
⇒大学教授・新聞などが正しいことを言うとは限らない。
具体的な例を以下に示します。
・種苗法改正で誤り・ミスリードさせる発言をする東大鈴木宣弘教授
・種苗法改正について、…
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「人類はなぜ肉食をやめられないのか」を読みました。
「グレタ たったひとりのストライキ」 で、グレタ女史いわんとしていることをこの本を読んで一部理解できました(どこまでわかって言っているかは知らないが)。
ネアンデータル人の絶滅原因
ネアンデータル人は個々の運動能力はホモサピエンスよりも上で、集団行動をとらなかった。
集団行動をとったことにより、知能・コミュニケーション能力等が上がりネアンデルタール人を淘汰したという感じのことをどこかで聞いたことがある。
そしてこの本では、タンパク質のほぼすべてを肉からとっていて、大きな動物が減ったことで食うものに困って絶滅したという説を紹…
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ゲノム編集食品とは何か?
ゲノム編集食品が何なのかわからないと、表示を義務化すべきかどうかわからないので、軽く解説します。
1.ゲノム編集食品
自分の遺伝子をちょん切って除去したり、切ったのを別のところに付けたりすること。
2.従来の品種改良
期待する属性をもつ親同士で交配したり、放射線などで突然変異を起こさせること。
3.遺伝子組み換え
他から遺伝子を持ってきて導入するもの。
比較表を見つけたのでそれをリンクします。
ただし、DNAの変化のところで、「親の遺伝子の組合せを変える。」は、交配の説明にしかなっていないと思われる。
放射線育種…
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朝日新聞の慰安婦記事のような捏造記事がどう造られるかが書かれていると思ったが、少しニュアンスが違った。
全体としては、安全報道がなっていないとうことを書いている。
逆説的に、不安にさせるにはこんな書き方をすればよいとまとめられている。
「不安情報・発信マニュアル」の主ないい方をまとめておこう。
①「未知の危険性がある」=どんな場合でも使える万能言葉。GM,電磁波など。
②「複合作用が怖い」=伝家の宝刀のような言い方。添加物などで使える。
③「こどもたちの未来を奪ってはいけない」=子供を盾にとれば、政治家も動く
④「出来るだけ危険は少なくすべきだ」=これも万能言葉
⑤「いま…
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こんなにひどい本は珍しい。
装丁がなっていないとか誤字が多いとかではない。
書いてある内容に矛盾だらけで、著者が信じたい・都合が良い(読者に信じさせたい)内容をただ書いているだけ。
amazonのレビューを見ると高評価ばかり。客観的に物事を見られない人達なんだろうね。
こういう人が扇動に利用されたりするんだろうな~と思った。
なんでこの本を読むことになったかというと、誤解だらけの遺伝子組み換え作物 の逆のことを言っているようだったので、両方の視点のものを比べてみようと思ったからだ。
読むに値するとしたら、主観的な人はこんな風な思考をしているというのを理解するのを目的にする…
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